711−2.日本経済沈下は手段の目的化が原因



日本経済の問題点を再度考える。  Fより

日本の戦後経済発展期には、日本に産業を起こそうとしていたが、
そして、全国に豊かさを行渡らせようと、生産大国にしようと政治
家も官僚も目指した。1980年までの姿だ。しかし、1985年
以降、日本の産業があまりに強く、かつ世界から批判を浴びたため
に、日本の労働時間を短くして、かつ円高のためにアジアに工場を
移転していった。また、生産性向上の切り札であるTQCを全世界
に広めた。このため、日本の強さの根源をなくしてしまったのです。

当初、高速道路も新幹線も、地方工場と大都市の移動を短くして生
産性を向上させるために、産業の強化のために行ったことでした。
どうしても、日本での生産性向上に必要なものとして登場したので
す。しかし、1990年以降、この手段が目的化していく。

高速道路を作ることが目的になり、高速道路を作ると、生産性がダ
ウンした。今までは、1000円で通行できたのが、1200円に
値上げされ、しかし、そのコストに見合う時間短縮ができないこと
になった。本四架橋ができても、トラックのほとんどは橋ではなく
、今まで通りのフェリーで四国に渡ることになる。コストが違い過
ぎるためである。新しい道路が生産性向上に寄与しないことになっ
た。これは、道路を作ることが経済性ではなく、社会正義として位
置づけられたことによるのです。

日本経済を阻害する方向に高速道路建設が行くようになったのは、
地方選出の議員が地方経済の沈下を止めようとしたためですが、
これにより、益々日本企業は、日本での生産が経済性に合わなくな
っていくのです。このため、高速道路ができればできるほど、日本
企業の工場は中国に逃げていくことになるのです。そして、日本の
ODAで、中国の道路は整備され、生産性が向上するのですから、
益々、相対的に日本の沈下は決定的になったのです。

投資に見合う収益があることに投資するのが、重要であるが
1990年以降の国家投資は、日本経済に重荷を乗せるためにおこ
なったことになっている。これ以上の重荷を乗せつづけるのかと問
いたい。絶対原則は、投資価値の有るものに投資することでしょう
。この原則が無視されることに怒りを感じるのです。

しかし、それをムシするのが正義であるという一群があるのです。
投資をする原則にあった投資はするべきです。それは、日本の将来
の産業になる可能性のあるものです。知的生産大国になるためには
日本のいろいろな資料が高速で見ることができる環境を整備する
インターネットのブロードバンド化、IPv6研究や開発、その
製品を使う施設を作ること。IT都市、電脳都市の構築など。

公共事業を止めろと言っていない事に注意してください。景気が悪
い時には、政府が公共事業を行うことは正しいと思う。しかし、
ムダな投資はしないことである。ムダと止め、有効な投資は行うこ
とです。

金をただばら撒くだけでいいというのは、あまりにも経済活動を知
らなさすぎる。そしたら、誰が生産するのでしょうか??誰も彼も
遊んでいて金を使えば、それで日本の景気がよくなるのか??
変ですよね。

供給が有り余っている世界ですから、日本人が全員、遊んでいても
世界の誰も困らない。現在、日本は世界的な供給国ではない。日本
の国力は疲弊するだけである。


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