710−1.知的生産国家への道(1)



知的生産国家への道を考えよう。世界が今、この国家を目指してい
る。    FとTの対談

F:T君は、あるIT企業でベンチャーのようなことをしているが
  、どうこの日本を見ていますか??
T:日本がどうということはいえませんが、付き合っているベンチ
  ャー企業から日本の大企業の空洞化がわかる。ほとんど、新し
  い提案は、中小(ベンチャー)企業がやっている。我々が大企
  業に作製を依頼したインターフェース装置が即日に知っている
  ベンチャーに依頼されている。大企業の製品にクレームを付け
  たら、ある中小企業にこちらがクレームをつけた原因の調査が
  依頼されている。大企業は大量生産物、中小企業は少量生産物
  というような区分が昔はあったが、今はすべて大企業が支配し
  ようとしているように感じる。しかし、実体は丸投げのものが
  多いように感じる。

F:どうして、中小(ベンチャー)企業は自分で売らないのですか?
T:日本の社会は、中小企業を信用しない。中小企業も営業力より
  技術に特化しようとする傾向にある。しかし、大企業のマージ
  ン幅が多すぎるために、同じ物を海外で買うより、高くなる。
  そのため、どうしても、海外からの輸入が増える傾向になる。
  中国、韓国と日本の中小企業から直接に仕入れる。中抜き。
  日本社会がベンチャーから直接、いいものは買う習慣が必要で
  しょうね。

F:知的生産国家にするべきであると、T君は最近言っているが、
  どうしてですか?
T:日本の製造業は、1980年代に世界で研究され、もう製造業
  の強みがない。そして、1980年代から1990年代に掛け
  て、国家をあげて日本弱体化をした。1980年代では夜の
  11時過ぎまで仕事して、最終電車で帰ることがIT企業では
  当たり前であったような気がしますが、現在夜9時には社員の
  多くが帰宅している。1990年代の時間外労働は悪であると
  いう政府の宣伝が効果を表しているように思う。
  このような勤務時間が短くて、効率も同じでは中国には勝てな
  い。中国企業にソフト開発をしてもらっているのですが、中国
  企業は昔の1980年代の日本のように、深夜まで社員全員が
  働いている。日本で6ケ月掛かることが3ケ月で完成する。
  そして、事業部長クラスで年収600万円、大学卒業の3年目
  社員で年収100万円、日本の企業の半分で仕事を受けても、
  企業利益率は50%以上である。

  日本企業は、完全に中国企業に負けている。生産性・品質とも
  に中国の方がいい。この10年で中国企業も、日本の風土習慣
  を把握して、企業努力をしてきた。特に上海企業はいい。
  このため、日本企業は製造では中国に勝てない。そしたら、日
  本がやるべき事は中国でできない物や事の開発しかない。それ
  は知的生産国家になることだ。

F:日本の地方に工場を作ることは今後ないということですね。
  地方経済は、どうなると思いますか??
T:それはFさんが考えることではないですか?私がいえるのは、
  アイデアの創造には、会話、特にリラックスした会話が必要で
  あると思っています。電話やEメールやBBSではできない会
  話の雰囲気で気が付くアイデアがあり、それを膨らましていく
  ことで知的生産ができるように思う。または、研究者が個人的
  なネットワークを持っていて、そのネットワークはときどき顔
  を付き合わせることでアイデアの創造が成り立つように思う。

  このためには、東京や大都市でミーティングしたほうが多くの
  人に会える。このため、米国でもIT企業は1つの都市に集中
  しがちです。米国のIT集積地として、シリコン・バレーや
  通信ではワシントン郊外のシリコン・プレーンが有名です。
  日本では、渋谷のビットバレーですかね。

  このように知的生産国家は業種城下町のようなことになるよう
  に思う。とすると、地方都市は特徴のある産業の集積地を目指
  す必要があると思うのです。そして、歴史有る地方都市は、
  伝統的な工業がある。それの現代化はどうであろう。肥後象嵌
  のネクタイ・ピンが好きであるが、この現代的な利用は可能の
  ように思う。会津なら会津工業大学を中心とした研究を産業利
  用するような産業があると思うが??

F:知的生産の方法をもう少し、説明していただけますか??
T:知的生産の方法はいろいろな学者やビジネスマンが書いている
  ので、それを読んで欲しいですね。それについては、まとめて
  このコラムに書こうと思います。

F:今日はT君の説を聞きました。ありがとう。


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