702−2.米国が勝つ方法



名無しAさんから米国の勝つ方法を検討しようという提案をいただ
きましたので、考えましょう。   Fより

米国が勝つとはどういうことかを定義する必要があるのです。どう
してかというと、もし本気に戦争をするなら、米国の勝ちで、議論
する必要がないのですが、米国は残念ながら国内世論や世界世論と
の戦争があり、この世論戦争に負けると、本当の戦争でも勝利でき
ないような非対称型戦争をしているのです。このため、勝てない
可能性があるのです。

それでは、米国の戦いの戦場を整理すると、1つがタリバン・アル
カイダとの戦い、2つ目には米国内のテロとの戦い、3つ目が国外
世論と国内世論で、特に国内世論は重要である。それと、国内世論
を考えると、米軍の人的被害を最小に押さえる必要がある。
これが条件ですから、この条件を満足した勝利をする必要があると
いうことです。

1.タリバン・アルカイダとの戦争:アフガン戦争
これは、北部同盟に地上戦をやらせ、米軍地上部隊は空爆目標を指
示とミサイル攻撃や砲撃の北部同盟支援や弾薬補給を北部同盟にす
る活動を主に行い、人的被害を出さないようにする。北部同盟への
前線での雇用兵を世界から、特にロシアから募集して投入する。

勝つことが先で、国際世論は後にする必要がある。しかし、この方
法でも都市と道路しか押さえることができない可能性が高い。山岳
に逃げ込んだタリバン、アルカイダのゲリラをどうするかが問題に
なる。これも北部同盟のゲリラによる攻撃が効果的でしょうね。
この時、神浦さんがいう『対ゲリラ包囲殲滅作戦』が有効だと思う
。どちらにしても、北部同盟支配地の政治がまずいと、再度混乱す
るので、そこはしっかり支配してほしい。民衆から金品を奪い、
殺害するようなことが起こると、再度、タリバンが復活してしまう
。もし、心配なら、国連の信託統治にして、当分、国連とPKOを
送り込む必要がある。この国連を守る意味からPKF活動も必要に
なるでしょうね。

それと、戦線を広げないことが必要。今、イラク攻撃をして、戦線
を広げると、攻撃を2分することになり、部隊が分散する。このよ
うな行為は、戦争を困難にする。絶対、米国指導者や高官は言うべ
きでない。国際世論上からも、やってはいけない。慎むべきだ。
この戦争が終わってから検討するべきである。しかし、イラクから
の挑戦があれば、それはその時に検討することである。米国から
イラクを攻撃するべきでない。

2.米国テロとの戦い
これが一番、やっかい。FBIが戦争の主役。エシュロンも大きな
武器になるでしょうね。まず、イスラム教徒の流入を押さえる必要
がある。個人の自由を優先すると、イスラム過激派が流入する可能
性が高い。この炭そ菌が世界的な広がりを持っているので、やはり
アルカイダが真の犯人であると考えられる。またはイラクやイラン
かもしれないが、イスラム教徒の可能性が高い。
テロの方法は、郵便であるが、これはだんだん他の方法に広がるで
あろうから、早く犯人を押さえる必要がある。FBIの活躍を期待
する。

ゲリラに流れる資金を無くすことが必要であろうから、世界的なゲ
リラ機関の口座を封鎖したことはいいが、まだ秘密口座の封鎖をし
ていないため、逃げ道がある。これも封鎖しないと、資金は流入す
る。

3.国内世論、国外世論の戦い
米国国内の世論が弱気になっている。強気も考え物であるから、
ある程度の弱気はいいのでしょう。しかし、弱気すぎると、反戦主
義者が出てきて、敗戦に結びつく可能性が高い。もう1つ、情報操
作をしていることを隠すためにも、米軍の負けも少しは報道しない
と、おかしいと思われる。このため、少しはした方がいいようだ。
一番、頭が痛いのは、米国政府から見てイスラム宣伝放送機関と見
えるアルジャジーラの存在であろう。真実やタリバンサイドからの
報道が多数報道され、その統制ができない。アルジェジーラの封鎖
が必要である。特に米国国内では、そうである。これには成功して
いる。

しかし、イスラム地域ではアルジェジーラが大きな影響力を持つた
め、この世論形成は無視できない。この影響はサウジアラビア王室
にも出てきている。一部王族が反米的な意見を述べている。
このため、米国はイスラム全体と敵対関係になる可能性がある。
カタール政府に大きな圧力を掛ける必要があると思うが??

もし、できないとすると、外交戦略の変更が必要で、「イスラム包
囲網」形成が必要になる。ロシアや中国、トルコなどの周辺諸国と
の友好関係を形成して、包囲するしかない。
しかし、一歩間違えると、サウジの石油戦略発動を引き起こすこと
になる。これはエネルギーの混乱を再度、起こす可能性がある。
しかし、今回は石油文明からの離脱のチャンスになる可能性があり
、一面では歓迎かもしれない。特に日本は???

イスラム以外は、米国サイドに立つでしょうね。イスラムテロに
各国ともに頭を痛めていたのですから、大ぴらに弾圧できる。
欧州などキリスト教地域、ヒンズー教地域、仏教地域は米国サイド
にある。これって、ハンチントンの「文明の衝突」ですね。
==============================
10/30 15:43 米世論が弱気に傾く  外信69 

 【ワシントン30日共同】米CBSテレビと米紙ニューヨーク・
タイムズが二十九日公表した世論調査によると、米中枢同時テロの
最重要容疑者とされるウサマ・ビンラディン氏が「必ず逮捕あるい
は殺害される」と答えた米国人は三週間前に比べて10ポイント減
少し28%となった。                    
 対テロで結束した国際協力関係が「持続する」と答えた人も同1
7ポイント減少し29%となった。              
 今後もテロが起きると答えた人は約7ポイント増えて53%に上
った。                           
 多くの項目で世論の動揺が深まる中、ブッシュ大統領の支持率は
前回より3ポイント減ながらも87%で高い水準を維持した。  
 調査は二十五日から二十八日に約千人を対象に行われた。   
(了)  011030 1542  
==============================
アフガンの推移        ふる@鶴川   

 ビンラディン、及び、タリバンへの空爆にも関わらず、米軍はア
フガンで泥沼化とのF氏のコメント(国際戦略コラムNo.697-1「ア
フガン戦争の推移」)がありますが、少なくとも、アフガンでの状
況は、私は、当初から予定されていたことではないかと思います。
 もちろん、空爆でタリバンが屈服し、ビンラディンを捕らえるこ
とができれば御の字でしょうが、タリバン後のアフガン統治の枠組
みがようやく形になりだしてきた現段階で、今、タリバンが自壊し
て、アフガンが無政府状態になっては米国も困るでしょう。米軍だ
って、あの山岳地帯に隠れれば、簡単にビンラディンが見つかるも
のとは、当初から考えていなかったと思います。 
 一連の米国困惑の報道は、情報操作に思えて成りません。「地上
軍派遣やむを得なし!」の国内世論と議会のムード作りを狙ってい
たように感じますね。 
  
 軍事的には、着々と準備と対処は進んでいます。特殊部隊は、
情報収集とタリバンの監視活動ですし、ビンラディン逮捕への有力
情報が入手できれば、デルタフォースあたりが逮捕への行動にでる
かもしれませんが。。。 
 この間の特殊部隊の急襲も、失敗との報道ですが、不自然が否め
ません。公開された映像に、室内の突入した兵士達の状況が緑色の
暗視カメラで写されていましたが、あれって、絶対訓練施設での
兵士を写したものですよ。気が付いた方もいるかと思いますが、
あの室内には、カーテンや机や椅子などが何も有りませんでした。
人が生活していた室内で、部屋の中に机も紙も落ちていない状況は
あり得ません。 
 米軍の特殊部隊に急襲されると探知して、紙くず一つ残さずに引
越ししたんでしょうか(笑)。 
 となると、米軍は何であんな映像を流したのか? 「米軍など対
したことはない!」安心させるためにしても、理解できないもので
す。 
==============================
テロと戦う方法教えて!     名無しA   
このコラムで議論しましょうか?? 
米国も悩んでいるようですね。 

テロと戦う方法教えて!=米国防総省がアイデア公募 

 【ワシントン25日時事】米国防総省は25日、テロと戦う方法
や「手ごわい標的を打ち負かす」アイデアを民間から広く募ると発
表した。 
「1−1年半以内に実践できるアイデア」という条件付き。 
アフガニスタンのタリバン政権とテロ組織アルカイダの掃討を目指
す軍事作戦の戦果が芳しくないためか、世界最強の軍隊が一般の助
けを求めることになった。 
==============================
『対ゲリラ包囲殲滅作戦』の新戦法(神浦サイトから転載)

 ベトナム軍は怪しい場所を見つけると、密かにその山や村を広範
囲に包囲した。夜間にトラックできたベトナム軍の兵士が、周囲の
主要な道路や川に配置される。そして迫撃砲や榴弾砲も包囲した周
囲に配置される。その次の段階は、特別な訓練を受けた兵士が、
単独とか数名で包囲の中に忍び込む。彼らは戦闘が目的ではない。
あくまで偵察である。ゆっくり、ゆっくり見つからないように、
ポル・ポト軍がいそうな場所に接近してくる。そして適当な場所に
隠れるのである。するとポル・ポト軍が動き始めたとする。彼ら潜
んでいるベトナム特殊部隊員は、無線で包囲線に布陣している味方
の砲兵に砲撃を要請する。するとポル・ポト軍の頭上に砲弾が落下
してくる。ポル・ポト兵士が隠れても、逃げても、砲弾は誘導され
て正確に着弾する。幸運な兵士の中には、砲弾の標的から逃れて、
山や村から逃げ出すことに成功するが、そこには最初に包囲した伏
兵が待ち構えている。あわてふためき逃げてくるポル・ポト兵に
銃弾を浴びせる。そのような一連の攻撃が終わると、ベトナム軍は
段段と包囲網を狭めていくのだ。

 そして潜入した特殊部隊も、攻撃を誘導しながらポル・ポト軍の
本拠地に迫っていく。こうして最後はポル・ポト軍の拠点を陥落さ
せ壊滅させるという戦術である。私はこれを対ゲリラ包囲殲滅戦と
名前をつけた。さすがにベトナム軍だけのことはあると思った。

 ちなみにポル・ポト軍はこの包囲殲滅戦にあうと、攻撃を受けて
もパニックにならず、まずはベトナム軍の偵察員(特殊部隊)から
見を隠す。反撃の体制を整えて、包囲網が狭まってくるのを待ち受
ける。そして包囲網の弱いところを一気に攻撃して脱出する対抗策
しかない。
神浦サイトのURL:
http://www.kamiura.com/new.html

コラム目次に戻る
トップページに戻る