691−1.イスラエル対アラブの構図に



イスラエルのラハビム・ゼエビ観光相が暗殺された。この報復とし
て、イスラエルはパレスチナを攻撃した。   Fより

この暗殺で、イスラエル対アラブの構図ができそうである。この構
図ができると、イスラエルサイドに米国が居るとアラブ諸国国民や
イスラム過激派は騒き、ジハードといい始める。アフガン戦争と
連結させようとするのです。これを米国は阻止する必要があると思
う。そうしないと、イスラム全体を敵にすることになる。

この阻止には、パレスチナ国家を米国が認める必要がある。この提
案をパウエル国務長官は行おうとしていたようだ。石油政権である
ブッシュ大統領も、イスラエルよりサウジアラビアの方が重要でし
ょうから、その方向に動く可能性があると思った。
イスラエルのはしゃぎ過ぎは米国も迷惑しているし、イスラム諸国
は、この機会にパレスチナ問題を交渉の材料にしようとする。

しかし、ここに来て、とうとう、アフガンのモスレム同胞を助ける
ことは、世界のモスレムの義務である、とのファトワ(宗教見解)
をイスラム法学者カラダウィ師が出した。インドネシアのメガワデ
ィ大統領のアフガン支援演説と、このファトワでイスラム圏は反米
に大きく傾く可能性が出てきている。米国はイスラエルを捨てるか
アフガン戦争を止めるかの選択を迫られる状況になるようだ。

そして、アフガン戦争を早期にケリをつける必要にもなっている。
このため、ビンラディンを早期に発見し、始末する必要が出てきて
いる。しかし、今回の奇襲作戦は失敗したとの情報がある。アフガ
ンでの行動は行き詰まっている可能性がある。国民の期待に添えな
いことがだんだん明らかになっている。

それに輪を掛けて、上海でマレーシアのマハディール首相も、反米
的な発言をし始めた。そしてイスラエルは西岸に戦車を入れて、
20人以上を殺害したため、よりイスラム社会は反発している。

このため、パウエルの政権内での立場は微妙になっている。米国の
総意は奇襲の失敗により、どちらかというと、戦争拡大になってい
る。どうしようもない状況になった。

米国国民、マスコミが戦争拡大を指向しているため、止めることが
できない。行く所まで行くしかないようだ。今後の展開は、私が、
座禅の中で見る風景に近い方向になっていく。本当に心配な状況に
なってきた。
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アフガン攻撃容認するな イスラム法学者が宗教見解
 インターネット布教などで、世界のイスラム教徒(モスレム)の
人気を集めているイスラム法学者カラダウィ師はこのほど、ドーハ
の自宅で朝日新聞記者との会見に応じ、米英のアフガニスタン攻撃
を事実上、容認したイスラム諸国会議機構(OIC)外相会議の声
明を批判し、アフガンのモスレム同胞を助けることは、世界のモス
レムの義務である、とのファトワ(宗教見解)を示した。

 サウジアラビアでは、厳格なワッハーブ派の宗教権威の一人が最
近、「モスレムに敵対する異教徒を支援する者は、モスレムの資格
がない」とサウド王家を間接的に批判するファトワを出した。ワッ
ハーブ派を自認する王家にとっては、統治の正統性にもかかわる一
大事だ。このため、「アフガン民衆を苦しめる空爆には反対」(ナ
イフ内相)などと、微妙な軌道修正を図っているようだ。

 こうした動きについて、カラダウィ師は、「同時多発テロの非難
は当然だ。しかし、それを理由とした米英のアフガンに対する国家
テロは非難すべきだ」と述べ、サウジをはじめとするアラブ首脳の
あいまいな姿勢を批判した。

 さらに同師は、アフガン攻撃に反対するイスラム宗教界の足並み
がそろわない理由について、「メディアを十分に利用していないか
らだ。それが世界でイスラムに対する誤解を招く原因となっている
」と述べ、イスラム学者が西洋文明との対話にもっと積極的になる
よう訴えた。

 また、米国が新たに資産凍結を決めた39のイスラム慈善団体の
中には、テロ活動と関係のない組織が含まれていると指摘。「証拠
もなくモスレムの義務であるザカート(喜捨)に干渉するのは、反
イスラム感情をあおる政策だ」と、強い調子で批判した。
(10:55) 
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ベツレヘムで戦闘激化 教会長らが停戦の訴え
 イスラエル軍が19日に侵攻したパレスチナ自治区ベツレヘムと
その周辺では終日戦闘が続き、巻き添えになった女性を含む3人が
死亡した。エルサレムのキリスト教各派の司教や教会長は同日、キ
リスト生誕の地への軍事侵攻を非難し、国際社会に和平交渉再開に
向けた介入を求める緊急声明を出した。

 この日は、ガザや西岸の他地域でも衝突が続き、ガザでイスラエ
ル戦車の砲弾の破片で13歳の少年が死亡するなど3人が犠牲にな
った。

 イスラエル軍はベツレヘム市北部を占拠している。自治政府筋に
よると、19日夕、市中心部に近いアルサッフ地区への砲撃が始ま
った。エルサレムの教会代表者らの声明は、「イスラエル軍の自治
区への侵攻によって、占拠地域には外出禁止令が敷かれ、銃撃が広
がっている」と訴えている。

 イスラエル軍はベツレヘム周辺への軍事行動はエルサレム南郊ギ
ロへの銃撃、迫撃砲攻撃を止めるためとし、「民間人、国際機関施
設及び聖地に危害を与えることはできる限り避ける」との声明を出
した。しかし、19日もギロへの攻撃は続き、事態は悪化している。


 イスラエルは自治政府に観光相暗殺犯の引き渡しと過激派組織の
非合法化を求め、応じなければ大規模な軍事行動に出る構えだ。
これに対し、自治政府は19日に「イスラエルが再占領や暗殺作戦
を続ける限り、パレスチナ武装組織の違法行為は自治政府だけの
責任ではない」との声明を出し、イスラエルの「最後通告」に対抗
する姿勢を見せている。(11:06) 
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イスラエル軍がパレスチナ自治区ベツレヘムに侵攻
 イスラエル軍は19日、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ベツ
レヘムに戦車部隊を侵攻させ、市中心部近くまで占拠した。市内で
は激しい戦闘があり、パレスチナ人20人以上とイスラエル兵1人
が負傷した。ベツレヘムへのイスラエル軍侵攻は昨秋、双方の衝突
開始以来初めて。同市はキリスト生誕の場所で、聖誕教会などキリ
スト教各派の教会があり、国際世論の反発は必至だ。

 自治政府筋によると、イスラエル軍はベツレヘムとその近郊に約
20両の戦車部隊を侵攻させ、民家などを破壊した。市住民による
と、戦車は市中心部から300メートル、聖誕教会から約1キロの
地点まで迫った。イスラエル放送は19日午後、軍幹部の情報とし
て「必要な限りとどまる」と伝えた。

 侵攻は18日夕にベツレヘムでパレスチナ武装勢力幹部を含む3
人が車に仕掛けられた爆弾で死亡し、西岸からエルサレム南郊ギロ
に迫撃砲が発射された後、その報復として始まった。19日には西
岸ラマラでパレスチナ警官がイスラエル軍の銃撃で死亡した。

 イスラエルは自治政府に対して、ゼービ観光相の暗殺犯の即時引
き渡しを求める「最後通告」を突きつけ、応じなければ大規模な軍
事攻撃に出る構えを見せている。(22:22) 
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イスラエル観光相を暗殺、PFLPが報復認める 
 【カイロ17日=横田勇人】イスラエルのラハビム・ゼエビ観光相
が17日朝、エルサレム市内のホテルで銃撃され、死亡した。事件後
、パレスチナ解放機構(PLO)非主流派最大勢力のパレスチナ解
放人民戦線(PFLP)が犯行声明を出した。和平交渉に柔軟にな
っていたイスラエルのシャロン首相は同日、「状況は一変した」と
強調、パレスチナ自治区に対し、イスラエルが報復攻撃に出れば好
転の兆しが出ていたパレスチナ情勢は一転して緊迫の度を増す。 
 ゼエビ観光相は、東エルサレムにあるホテルの部屋の前で至近距
離から頭などを三発撃たれ、病院で死亡した。事件後、今年8月に議
長のムスタファ・ジブリ氏をイスラエル軍に暗殺されたPFLPが
ロイター通信に犯行を表明。同議長暗殺の報復であることを明らか
にした。ゼエビ観光相は右派の国家統一党党首で、対アラブ強硬発
言を繰り返していたため、標的にされたとみられる。同相は15日、
政府がパレスチナ自治区封鎖緩和に乗り出したことに反発し、政権
離脱を表明していた。 


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