689−2.炭疽菌事件に関して



炭疽菌事件に関して bek   2001/10/14 14:56 
皆さん、こんにちは。

今回の炭疽菌の事件を考えるうえで、いくつか気になる点がありま
す。まず、炭疽菌というものそのものに関わる点。 
次に、白い粉末という報道です。 

炭疽菌は、土中から取り出して濃縮して、広範囲に散布できる、
最近兵器として利用可能です。また、殺傷能力に長けていないとい
う特徴があり、「否効率な最近兵器」ともいわれているそうです。
炭疽菌を使った細菌兵器を製造する時、土中から取り出して原料と
して利用できることから、その原料となる菌は簡単に入手可能とい
うことになるのでしょうか。原料を簡単に入手することができると
したします。知識があれば簡単に製造可能ということであれば、実
行犯人にとって都合のいいことがあります。それは、犯人の姿がわ
かりにくいということです。 

原料がどこにでもあって、知識があれば製造できるとなると、それ
を製造できるものが多数に及びます。現在犯人像に対する明確な報
道がないところを見ると、製造できる者が不特定多数であるために
、その実行犯の特定が難しく、アルカイダやイスラム原理主義者と
の関係がはっきりしないのではないかと思います。それ自体が犯人
の狙いであったかもしれません。 

犯人、あるいはグループを特定する場合、どこで製造したかという
ことがポイントになるのではないかと思います。日本でも薬物混入
カレー事件というものがありました。 
製造に大掛かりな実験装置を必要とするのであれば、製造した者が
限られた者となるので、そのへんがこの犯人への手がかりとなるか
もしれません。 

炭疽菌を使った細菌兵器を製造したのではなく、どこかから入手し
た場合。入手が困難であるのであれば、入手経路から特定されるこ
とになるのでしょう。 

次に、封筒に白い粉末が入っていたという報道が気にかかります。
白い粉末という形態は、普段日常生活していると、目にするもので
あるし、また利用するものであるからです。 
砂糖も塩も白い粉末であることを考えてみれば明らかでしょう。
喫茶店でコーヒーに砂糖を入れる時、これがもしかしたら炭疽菌で
あるかも思れないと思ったら、人々はどのような反応を示すのでし
ょうか? 
便乗的な愉快犯が封筒に砂糖をいれ、誰かに送ってみたとします。
どういうことになるのでしょうか? 
便乗的愉快犯の行動をも誘発することを狙っているのかもしれない
。こういった、より広範な心理的影響を狙ったものであるように思
えます。 
日常生活を混乱におとしめるためには、その兵器として殺傷の効率
性よりも、より効率的な兵器であったといえるのではないでしょう
か。 

先の航空機を使ったテロにより、経済的な損害が瞬時に出ましたが
、心理的な影響をも引き起こしました。先の影響を増幅させる効果
が、炭疽菌による事件にはあったのではないでしょうか。 
日常生活が不安なものになれば、経済的な影響もより広範なものと
なって、混乱することが想像できます。 
これがオサマ・ビン・ラディン氏らの組織による犯行であるのなら
、アメリカの武力で圧倒するような攻撃に対する反対と、彼らの資
金凍結に代表される経済封鎖と空爆などによるミサイルなどの攻撃
に反撃するために最も効果的な攻撃といえるでしょう。 

今回の同時テロ事件がおこってから、世界同時不況という報道を目
に、耳にすることが多いですが、先進国の経済成長至上主義への攻
撃とも映るのが皮肉にも思えます。 

心理的な影響から、消費が減退し、また、ものと人とお金の移動に
影響を与えたがために、米国の景気がより後退したようです。米国
に輸出している東アジア(中国をのぞく)国々では、輸出の低下か
ら、景気に影響が出始めてきているようです。 
同時テロ事件と今回の炭疽菌事件が、消費者心理を悪化させ、実際
に消費を減らすこととなれば、景気に影響するのは必至。 
これ自体をも目的にしているように思えます。 


資本主義経済体制というのは、生産と消費を効率的に成長させるこ
とを生活の中に取り込んだ体制であるといえるでしょう。この資本
主義が広い地域で、多くの人々の生活を向上してきたのも事実であ
りますが、一方でこのシステムの運営が成功しない地域やそこにす
む人々の生活を成功した地域にすむ人々と比べて貧しくしているの
も事実であります。アフリカなど低開発諸国と先進国との生活格差
は拡大し続けています。 
イスラム原理主義者などは、資本主義という制度の外で生活してい
るものと言えるのではないでしょうか。だから、経済的混乱を目的
とした、テロ攻撃をしたのではないかと思います。 

僕は資本主義を否定する者ではありません。その制度が広い地域で
、多くの人々の生活を豊かにしたことは事実です。 
しかし、西欧の指導者の、文明国と非文明国の戦争であるというよ
うな発言は、どうも頂けないように思えます。資本主義だけが文明
であり、それ以外は文明ではないように受け取られ、反発を招くの
ではないでしょうか。自分達が避けようとしている、「西欧対イス
ラムという対立構造」を強調するだけに思えます。 
米英への反発心が芽生えれば、反米行動がおこります。反米行動の
デモが、やがでテロ行動になるのでしょう。 
いくら、イスラム諸国の指導者に根回ししても、イスラム原理主義
は低俗な文明であるという思いが西欧諸国の指導者にあれば、庶民
である各国のイスラム教徒の間で反米運動がおこるのは避けられな
いし、実際拡大しているように見受けられます。 

中東とアジアのイスラム教との国々とは日本は経済的にも関係が深
いです。 
インドネシア、マレーシアの東南アジアのイスラム教徒による反米
運動は、日本に無関係というわけにはいかないでしょう。彼らには
、日本が米国に味方する、イスラム教徒の敵であると映っているの
かもしれません。 
実際に、インドネシアのマッカサルでは日本総領事館に対して抗議
デモが行われたようです。 
日本が戦後、ODAや企業によって、人的、経済的に築いた有効な
関係にひびをいれかねません。 
こういった有効な関係があるのであれば、それを利用した、日本の
独自の立場表明があってもよさそうですが、国際協調というよりも
、米追随と映るのは気のせいでしょうか。 

これが資本主義対他の文明圏の戦いに発展しないことを望むばかり
です。また、そうしなければいけないと思います。 
==============================
Re:マイナーチェンジの必要性 YS   2001/10/14 16:21 
 bekさんへ 

もう少し突っ込んで考えてみましょうか。 
現在この議論がほとんど皆無です。でも前向きに努力してもいいか
もしれない。 

WTCが崩壊しました。 
まだ多くの方々が埋もれたままですが、すでに一部には再建の構想
が出ています。さて新WTCをどのようなものにするとよいと思い
ますか? 

従来のアメリカ的発想からでは、どんな攻撃にも耐えることのでき
る頑丈な要塞タイプを考えるでしょうね。 
しかし相手もより強烈な攻撃方法を生み出すかもしれません。 
また今回の同時テロは、この従来発想そのものを崩壊させたと考え
てもいいかもしれません。 

従って、今必要とされるのは「憎悪」や「妬み」を生み出さない
システムを前向きに考えることでしょう。 
なにか古い暗示にかかっている方々は共産主義を思い浮かべるかも
しれません。 
しかしこれもすでに過去のものとなっています。 

むしろ謙虚な姿勢が問われるような気がします。 
この点では、日本もひとごとではありません。 
ここから新たな提言が出てきてもいいように思います。 
==============================
RE:Re:マイナーチェンジの必要性 bek   2001/10/15 10:37 
   
 YSさん 
ありがとうございます。 

WTCが崩壊して、多くの人が亡くなり、まだほとんどの人が行方
不明の状態ですね。 
WTCをどのようなものとして再建するかということですが、また
飛行機をハイジャクする事ができた時、突っ込んできたら、迎撃す
るしかないのでしょうか。そうであるとすると、NYにどのような
被害がおこるかわかりませんから、その手前で米軍は撃墜すること
を考えてくるでしょう。 
WTCは、上部からの圧力に対してはもろい構造のビルであったよ
うですから、今度はそのへんを考慮したものを建てるのではないか
と思われます。 
記憶が定かでないのですが、10Gだか、20Gの圧力がかかった
そうです。 
阪神・淡路大震災が1Gの圧力にもみたなかったということですか
ら、それと比べるとどんなビルを建てても無駄なような気もします。 

YSさんのご指摘の通り、今回の同時テロは、従来の戦争という概
念そのものを崩壊させたと思います。 

「恨み」は連鎖的に波及して、どこかで断ち切らないと、くり返す
だけだと、僕も思います。 
しかし、イスラムの人々や、パレスチナの人々を考えると恨みをも
つのは当然で、また、それを維持させるような仕組みがあるように
思えるのは気のせいなのでしょうか。 
なかなか、難しい問題です。 
==============================
ついでにミリシアもやっちゃえ    名無し   
うわ、自分でも書きこんでから「そんなわけないか」と思ってたの
に・・・・ 

『GENDAI NET』2001年10月19日 掲載   
炭疽菌テロ 米極右組織の犯行説浮上 
炭疽菌テロは拡大の一途だ。18日にはCBSテレビの有名キャス
ター、ダン・ラザーの事務所の女性職員が感染していることが確認
され、米国内の感染者は40人を超えた。さらに、ケニアでも炭疽
菌入りの封書が送り届けられるなど、米国以外にも広がりはじめた
。いったい、犯人はだれなのか――。米政府はビンラディンとの関
連を示唆しているが、ここにきて米国の極右勢力説が急浮上してい
る。 

http://gendai.net/contents.asp?c=010&id=3265 

ミリシアなんてサバイバルゲームを本気でやってるようなもの、と
思ってたんだけど(笑)。というか、この報道を機に、アメリカ政
府が何をしようとするのかがきになる。 
==============================
炭疽菌テロ、米議会に衝撃・重要法案審議遅れも 
 【ワシントン18日=吉次弘志】炭疽(たんそ)菌テロが米国政治
の中心である議会に及び、ワシントンに緊張が走っている。米議会
は現在、景気刺激のための減税法案など重要法案を抱えているが、
審議が遅れる懸念も浮上。不安心理も広がり、ダシュル上院院内総
務(民主党)ら指導部は冷静な対応を呼びかけるなど威信維持に腐
心している。 
 米上院では17日、炭疽菌の検出された関係者が31人に達したこと
が明らかになった。米議会は原則としてだれでも自由に傍聴できる
など「開かれた運営」が売り物だが、生物テロ被害の急拡大を受け
て下院は前例のない5日間の一時閉鎖を決定した。 

 17日午前にハスタート下院議長が「上院の通気口に炭疽菌が存在
するかもしれない」と指摘し早々に閉会を決めたが、その後、この
情報は誤りだったことが判明するなど、動揺は隠せない。 


コラム目次に戻る
トップページに戻る