660−1.米国同時テロ(読者の声1)



多数の方から、米国同時テロのご意見を頂いています。その特集。
Fとしては、皆様の意見を参考にして、次の予測をしようと思って
います。そして、中国とタリバンとの1998年に結んだ裏同盟が
気になり初めている所です。中国外相の発言は衝撃的です。
明日、その内容を公表しますので、お楽しみに。
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アメリカとテロの時代
Mondです。投稿します
 平成13年9月11日午後10時のNHKニュースを見ていたと
き、偶然、その画面でテロリストの操縦していたと思われる旅客機
がニューヨーク貿易センター第二ビルに激突するところを目撃した
。一瞬、目を疑い嘘だと思った。それがこの騒ぎの始まりだった。
貿易センタービルは2棟とも脆くも崩壊し、数千人の犠牲者が出た
。アメリカは「これは戦争だ。」と戦争準備に入った。
 このサイトでは、アラブが目標となる戦争が近々仕掛けられるだ
ろう、その間は対中国戦争はお預けとなり、ある程度の妥協が図ら
れることになるし、WTO加盟などが実現するだろうと言われてき
た。事実その通りになってきた。

 イスラエルのパレスチナ弾圧は眉をひそめたくなる苛烈さがある
し、ユーゴスラビア内戦でのイスラム教徒への弾圧は筆舌に尽くせ
ないものがあったのに、国際社会(という名の西欧文明世界)は異
教徒として冷淡に突き放した報道であったように思われる。アラブ
世界は不満が鬱積していて何の不思議はない。
 そこに起きたテロリズムであった。奇想天外、大胆不敵、そして
大成功といったところであろうか。逆に言えば、文明世界への蛮族
の挑戦であり、アメリカの威信を失墜させる神をも恐れぬ不届きな
所行ということで怒り心頭に発している。

 ところで、(我田引水の論法を許していただきたいのだが)かつ
て古代ローマ帝国が文明世界の香りを四方八方に撒き散らしながら
、蛮族を従わせ、領土を拡大していった頃があった。古代ローマ帝
国の盛時には、北はイングランドやライン川までその版図を拡大し
たが、蛮族との力の均衡から膠着戦線状態になり、自然とそこが国
境となり始めた。文明の影響の境界が形成され始めたのである。
文明圏外の蛮族を外的プロレタリアートと名付け、文明圏内に取り
込まれ、なおかつその文明から疎外されて違和感と絶望感のなかで
面従腹背となった蛮族たちを内的プロレタリアートとA・トインビ
ーは名付けている。古代ローマ文明が衰亡し始めると、このプロレ
タリアートたちが、いわゆる「ゲルマン民族の大移動」をはじめて
、古代ローマ帝国が崩壊していくのである。

 現代に戻る。オサマ・ビン・ラディンというテロリストの黒幕が
アフガニスタンに居るという。この黒幕の指令によって今回のテロ
が行われたのだという。アメリカなどの欧米文明世界の住人は、決
してアラブや他の文明に住する人々の苦々しさや絶望感を理解する
ことはないだろう。そういう意味で我々日本人やロシア人、中国人
、インド人などの気持ちを判らないだろうし、面従腹背の内的プロ
レタリアートを拡大再生産し始めていることに気付いていない。
 そればかりではない。アフガニスタンは19世紀には大英帝国が
攻撃したが結局敗退した地域である。20世紀にはソビエト連邦が
攻撃して敗退し、そのまま瓦解し、ロシア共産党政権が打倒された
。21世紀初頭、アメリカがこの難攻不落のアフガニスタン攻略に
乗り出すのだという。

 この地域は一種の蛮族の聖域のような見方も許されるのかも知れ
ない。つまり、アフガニスタンからパレスチナまでは、西欧文明を
一切寄せつけようとしない膠着戦線の向こう側の世界といえるのか
も知れない。古代ローマ帝国ですら寄せつけなかった蛮族の世界が
、この現代にその姿を現し始めたということの意味は、いよいよ
西欧文明の伸びきった限界線がそこに出来てきたということであり
、西欧文明への反撃の出撃基地が出現し、外的プロレタリアートと
してのアラブ世界や、内的プロレタリアートとしての、どうしても
西欧文明から差別され続けている民衆の恨みが、行動化されつつあ
るということにいよいよ気付かされてきたということを意味する。
 アメリカには二つの道があると思う。この様なプロレタリアート
の反乱を未然に防ぐ叡智を発揮すること、または、中性子爆弾等の
“文明からのプレゼント”を蛮族にお見舞いすることである。叡智
を発揮することがなければ、いずれ第二,第三のラディンが現れる
ことは間違いないだろう。さもなくば“文明からのプレゼント”に
よりアフガニスタンを殲滅し、無人地帯とすることしか残されてい
ない。このとき、世界の西欧文明以外の文明は一斉に反発し、世界
は巨大な「アッシリア合衆国(U.S.A.)」、つまり、世界最強の
軍国主義国家に変貌したアメリカを見、そして、これを人類の災厄
として撃滅する方向に動くだろう。

 アメリカに課せられた運命はいったい何であるのか、私は疑問を
持っている。広大な太平洋と大西洋に守られ、決して侵略なんかに
晒されない地政学的優位を持ちながら、それを逆手にとって世界を
支配しようとするアメリカ。第2次世界大戦後の絶対的優位のなかで
世界を統一しようと欲すれば出来た国でありながら、そうしなかっ
たために、いまだに戦乱が続く世界。自分の力を誇示し、敵を屈服
させればさせるほど、逆に恨みを深めていくアメリカ。世界一平和
で豊かであり続けることが出来る国でありながら、国民はピストル
とライフルをそれぞれが所有し、人によってはマシンガンや重機関
銃まで持っている国。数千万人のネイティブアメリカンを絶滅させ
、国を簒奪してしまった為、呪いにでもかかっているのだろうか。
 われわれ内的プロレタリアート(?)はますます加速されていく
時代の変化のなかに「漂流感」をもって、ことの成り行きに固唾を
呑んでいることである。
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    21世紀型テロとアメリカの中東政策 
                        Domoto
「21世紀型戦争」といわれるテロ攻撃が、ワシントン、ニューヨー
クでおきた。イスラエル政府は、1970年代からこのような手口の
テロ攻撃を予想していたという。高度文明社会の脆弱性を見せつけ
られた。

 ビンラディン氏の活動背景は、次のようなものだと思う。
イスラムには西洋型民主主義とは別に、イスラム民主主義というも
のがあるそうだ。イスラム民主主義の場合、民主主義よりも聖典コ
ーランが優先される。というよりもコーランは絶対的だ。イスラム
の原理に立脚した政治イデオロギーと呼べると思う。
 サウジアラビアでの50万の米軍駐留問題は、イスラム教徒にはイ
スラム主権への挑戦に映っているという。イスラムの二大聖地メッ
カ、メディアを抱えるサウジアラビアは、ビンラディン氏の母国で
あり、ラディン氏が反米に転向したのは、米軍のサウジアラビア
進駐がきっかけだったという。最近のイスラエルの暴走に対する
アメリカの不介入が拍車をかけている。アフガニスタン、イランも
イスラム原理主義が支配する国家とされる。

 航空機をミサイル化する自爆テロスタイルは、政治目的で模倣さ
れる可能性が高いと思う。泥沼化する報復合戦が長期スパンで予測
されるならば、ブッシュ大統領がなすべきことは中東政策の変更で
あり、それがアメリカ国民と世界の市民を守ることに直結する。

 7月の「最悪のジェノバ・サミット」、共産主義国家中国との軍
事安全保障問題など、アメリカ流グローバリズム、アメリカの「力
の論理」に限界を感じる。


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