656−2.読者の声



やや遅い夏休みを東京ですごしている。 得丸
 1 国栄えるも人、国滅びるも人
 南宋末に書かれた「18史略」(徳間書店版)を読んでいる。今朝第
三巻を読み終わり、随が成立したところ。

 これは中国の歴史の中で、はじめて漢民族が北方の蛮族によって国
を奪われたときに、ひとびとにわかりやすく中国の歴史を教えようと
、18の史書の中から、サビの部分を集めて編纂した歴史だ。

 読んでいて思うのは、国が栄えるのも人、国が滅ぶのも人。人間が
正しい選択を続けておれば、国は栄える。讒言を信じて忠臣を殺し
たり、欲望のおもむくままに奢侈な生活、淫乱で貪欲な生活をすれ
ば、国は滅ぶ。史書からは、歴史のもつ法則性を学びとることが大
切なのではあるまいか。

 元の侵攻に対して国を守りきることができなかった民族の反省と、
次世代へのメッセージを感じた。

 「歴史教科書」問題も、そこに何が書いてあるかということ、そこ
に書いてあることが「正しい」のか「間違っているのか」を議論す
るのではなく、どのような人間を育てなければならないか、どのよ
うなことを次世代に教えなければならないかという視点で議論して
はどうだろう。

 人間は、「今」の「自分」の立場でしか、ものを見ることができな
い。時間的にも空間的にも視野が狭い、大局的にものを考えること
がそもそもできない存在である。その弱点を補うために、歴史は書
き残されるのであり、歴史は読みつがれるのだと思う。

2 石原都政の無策腰抜けの証明になるか深沢2丁目プロジェクト
 今住んでいる深沢二丁目に、東京都立大学理工学部の跡地がある。
ここは駒沢公園に隣接した約4ヘクタールの土地で、大学が八王子
に移転してから今まで10年くらい、鉄板によって閉ざされていた。

 その土地が、今年の1月に東京都によって長谷工コーポレーション
に売られた。東京都は入札条件として、近隣住民の意見を取り入れ
、付近の環境にあった開発を行うことと書いてあったのに、長谷工
は付近の環境や住民の意向などいっさいおかまいもせずに、何十年
か前の公団住宅のような安普請の高層マンション計画を提示してき
た。

おくればせながら、その計画に憂慮する住民が声をあげ始め、私の
夏休みは住民運動とのお付き合いにも捧げられることになった。私
の住んでいるマンションは、全戸数44戸とさほど大きくないが、こ
の問題への関心は高い。第一回目の管理組合総会の場で、初代理事
長であった私は、跡地の潜在的問題性を議論していたし、雪かきの
ボランティアをしながらも長谷工の行う開発への危惧が話題になっ
ていた。私以外にも、何人かの人が地元の幹事会に顔を出している。

私も長谷工の開発計画説明会に参加してみたが、おどろいたのは、
21世紀にもなって、いまだに何十年も前の公団住宅と同じような
設計コンセプトで、風呂屋の下足箱のような集合住宅を提案してい
ることだった。単に19階という高層になっただけ。

付近の住居が低層であるだけに、この19階の高層マンションは、い
びつに見える。にもかかわらず、いけしゃあしゃあと、付近の環境
に合った豊かで質の高い居住提案などと書いてある。

何も勉強していないのだ。いいものをつくろうという意気込みがま
ったく感じられない。住宅建設会社の人と話をする機会もそうない
から、失礼を顧みず、フンデルトバッサーや荒川修作を知っている
か質問したが、誰一人として名前すら知らなかった。養鶏場のブロ
イラーのように住まわせればいいと思い続けているのだろうか。

旧社会主義圏に存在した「不足の経済学」の実践だ。いい車を作ら
なければ、ラダやトラバントのような粗悪な車にも行列ができる。
日本においては、住宅における不足の経済学が成り立っている。

800世帯、3000人が住む町が生れるというのに、お店ひとつ用意され
ていない。うちのマンションでも、忍び込みの泥棒(空き巣ではな
く、住人が寝ているところに忍び込む)が二度も入って、監視カメ
ラや防犯壁を追加してセキュリティーを強化した。長谷工の安っぽ
い住宅が完成したら、そこは、先ず、泥棒や強盗の狙うところとな
り、ついでそこに怪しげな人々が住み始めることだろう。住宅地の
スラム化とよべるかもしれない。

このいびつな「プロジェクト」が東京に実現したら、それは石原都
政が理念も思想も何もなかった腰抜けの政治だったということを思
い出すためのモニュメントになるだろう。

3 台風見物、台風クラブ
 台風15号が近づく中で映画「台風クラブ」の相米慎二監督がなくな
られた。謹んでご冥福を祈る。テレビで見たのだが、これは不思議
な魅力をもった映画だった。息がつまるような不安と、それでいて
お祭りのようなはしゃいだ気分の両方が入り混じっている。

 僕の好きな丸山健二という作家の短編に「台風見物」という作品が
ある。これは作家自身の視野や問題関心が、個人から世界や宇宙へ
と広がったことを感じさせてくれた作品である。

日本人は、台風が好きなんじゃないかな。人間の力では及ばない大
きな自然の力を直接肌で感じることができる。家の屋根が飛ぶんじ
ゃないか、水が出て道路が不通になるんじゃないか、停電になるん
じゃないか、、、という不安におびえながら、雨や風の音を聞いて
いるのは、ちょっとしたお正月気分、生まれ変わりの儀式のようで
もある。

どんなに道路が整備されても、どんなに送電網が整備されても、
台風によって土砂崩れがおき、川が氾濫し、電車が止まり、我々は
なすすべもなく家の中にこもる。

台風よ、もっとこい。人間の奢りたかぶった気持ちを、少しでもし
ずめてくれ。台風は僕たちの大事な神様の一人だ。
(2001.09.11)
==============================
件名:解答頂きました。  
鈴木 麗加です。
チベット問題の件ですが三重県の工藤氏よりメールを頂戴致しまし
た。色々情報を送ってくださり有り難う御座いました。
お礼の返信を出しましたがアドレスが変わったのでしょうか返って
きてしまいましたのでここでお礼致します。
今アメリカがテロで大変な事になっていますが先日のコラムでエシ
ュロンの情報網の記事が有りましたがアメリカの情報網はどうなっ
て居るのでしょうか。
疑問に思います。然しアメリカは此からもっと強国になると思いま
す。

又お尋ねしたいのですが。台風で水浸しになった河川に土手の内側
に多くの家やビルが建って浸水している状況をテレビで放映してま
したが河川に家やビルを建てるのは違反だと思いますが?
政府や治自体は何も手を打たないのでしょうか?。
多分同和問題が絡んでいるのではないかと思いますが?
河川を不法に占拠されても打つ手が無いとしたらずっとこのままで
放っておくのでしょうか?教えて下さい。
祐気学。心気学総合研究所
       師範;鈴木 麗加
URL:http://homepage2.nifty.com/kigaku
URL;http://reika.jp.epharmanex.com
URL;http://reika.jp.nubeauty.com
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(Fノコメント)
米国は中東地域の情報はイスラエルのモサドに頼っているのが現状
です。


コラム目次に戻る
トップページに戻る