653−2.米国の侵攻とイスラム民衆の反感



いつも興味深くコラムを拝見させていただいています。
今回のアメリカへのテロについて、イスラエルの影がみえるという
Fさんのご意見は、ひょっとして意識ある人たちの間では、そんな
に突拍子もないことではないのでしょうか。
わたしが普通にニュースなどを見ていると、アメリカ政府がテロ実
行グループに対する軍事制裁を強行しようとしているのはわかりま
すが、パレスチナでの中東戦争、対アラブ社会という戦争が再発す
ることがどうしてもみえてきません。
アメリカはそうなることを避けようとしているように見えます。
だから軍事的制裁を加えることに各国の理解を(むりやりにでも)
もとめようとしているのではないでしょうか。
証拠を集めて犯人を定め、そのグループだけに正確に(徹底的に)
軍事攻撃を仕掛けようとしているようにみえるのですが・・・。
アラブ社会との全面戦争の構図が、僕にはみえないのです。
ぼくが怖いのは、犯人がイスラム原理主義のテロ集団だったとして
、以前日本赤軍が北朝鮮に渡ったように、彼らがイラクと手を結ん
だときです。そういう可能性はないのでしょうか。
アフガニスタン政府は彼ら(テログループ)を保護しきれなかった
としても、フセインならむしろ歓迎するのではないでしょうか。
そうなったら生物化学兵器が使われるかもしれない恐怖が私たちに
も襲ってくると思います。

かわさき
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(Fのコメント)
軍事シュミレーションをしましょう。そうすれば、明確ですから。
米国が侵攻すると、ゲリラ戦になる。非対称戦(ゲリラ)の話は、
このコラムで多く出ているので、それを見ればわかりますが、米国
は民衆とゲリラを区別できない。このため、大量の民衆を殺害して
しまいます。おそらく、アフガニスタンの多くの人たちが巻き添え
になるでしょう。

それと、ゲリラ戦は長期戦になる可能性がある。都市と都市しか
米国は支配できない。そして、この期間が長くなると周辺諸国も、
大きな負担になる。それと、ゲリラ戦は地域を選ばない。世界のど
こでも、米国人や米国艦船は狙われる。勿論、米国本土のテロは多
発する可能性がある。もう1つ、イラクが動くはず。戦線を2つに
することにより、アフガニスタンの負担を軽くするためと、フセイ
ン復権のためで、パレスチナのイラク軍も活動を開始するでしょう。

イスラムは国家より、宗教権力の方が強い。特に民衆にとっては、
宗教が絶対的権限を持っている。このため、ラディンには多くの
資金提供がある。ネットワークもある。米国はイスラム国家とは、
取引できるが、イスラム宗教権力とは取引していない。西洋的国家
観とは明らかに違うことを、思い知るはずである。

この民衆が騒ぐと国家もそれに引きずられる。これはサウジアラビ
アも同じ。特にサウジは原理主義を国是にしている。このため、米国
がイスラムの宗教的シキタリを犯すとサウジとしても、黙認ができ
ない。このため、ジハードになってしまう可能性が大きい。

米国はなるべく早く目的を達して、直ぐに引き上げる方がいいでし
ょうね。戦争による景気の回復より、またベトナム戦争になってし
まう可能性があるため。しかし、日本経済は助かった可能性が高い
のも事実です。戦争特需になる。兵站基地が沖縄ですから、どうし
ても日本への発注量は多くなる。
==============================
イスラエル陰謀説       ふる@鶴川 

  国際戦略コラム651-3「米国のイスラム全面戦争開始」のコメ
ントで、F氏は今度の同時多発テロの黒幕として、「テロで得する
のは誰か?」の思考でイスラエルを挙げた。 
 短時間のよる実行力、ハイレベルのパイロット要員の複数の養成
、実行のための支援力、秘密保持、資金面等を考えれば、国家レベ
ルの介在を感じないわけにはいかない。 
 このイスラエル陰謀説は、多くの人が考えている。私の海外に住
むミリタリー仲間でない複数の知人も、イスラエル陰謀説を唱えて
いた。メディアの情報ばかり信じずに、結構、うがった見方をする
人が多いのも面白い。 
  
 しかし、このイスラエル陰謀説は、テロによるメリットよりもデ
メリットの点で私は疑問である。 
 まず、陰謀が発覚した場合のデメリットは、イスラエルの国の存
在を危うくする。パレスチナ問題では、イスラエルにとって米国の
支援があるからこそ国際的孤立せずにいられる。そのイスラエルが
米国でテロを起こしたことが発覚すれば、完全に米国の支援を失う
、失うだけでなく軍事的報復すら受けるかもしれない。 
 従って、イスラエルにとって原理主義者は頭痛の種であろうが、
それを一掃するために米国を利用するには、失敗した場合の代償が
あまりにも大きいからである。どうせ行うならば、イスラエル国内
で同じようなテロをした方がデメリットもすくないだろうし、どう
しても米国で起こしたいならば、せいぜい自爆テロで僅かな犠牲で
十分なはずである。 
  
 同じうがるならば、「真珠湾」の二の舞はどうだろう? 
 米国はテロ情報を入手していたのは事実だ。そこで、タリバンと
ラーディンを消去するために、テロを実行させることを考えた。
同盟国で起こさせてもいいのだが、後々にテロ情報を流さなかった
ことで同盟国と摩擦が生じてもめんどうであるので、米国本土で実
行させることにした。 
 ところが、実行内容は彼らが考えもしない手口で行われたために
、多数の被害を生じることになったのである。 
 「真珠湾」に似ているでしょ(笑)? 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(Fのコメント)
モルガン系企業の死傷者がいない。それは、事前に知ったためとし
ている。なぜ知ることができたのか??なぜ、WTCの他の企業に
も知らせなかったのか??

ロスチャイルド家、ヨーロッパ首脳は事前に知っていた可能性を感
じる。なぜ、知ることができるか??これはモサドが事前にキャッチ
して知らせたからだ。

モサドは米国CIAにも通知していたと思う。しかし、米国は隠し
た可能性がある。しかし、被害が大きいので、9時から航空をキャ
ンセルした。もう1機ハイジャックされる可能性があったようだ。
しかし、ヨーロッパ系のロスチャイルド家は的確に系列企業に知ら
せた。

米国金融中枢を狙ったテロ。大きく世界の金融が混乱して、取引が
出来ないか、少なくなる。大手の金融会社が近くかWTCにあった
のであるから、どうしようもない。予備系を準備しているのは、
大手しかない。中以下は取引データもないと思う。どうするか??

ということで、ふるさんと同じ見解になる。

しかし、モサドの要員でPFLPの幹部やタリバーン、ラディンの
組織の幹部が、イスラエルのPFLP議長暗殺時点で、決行をジャ
ッジした可能性を否定できない。モサド要員はアラブの政府、過激
派組織に多数いる。このモサドの要員が政府・過激派の幹部になる
理由は金と作戦遂行能力があるためです。テロの犯人はドイツの大
学を出て、米国のパイロット養成学校に入っている。これだけ長期
に物を考え、犯人を育てるには、計画を5年以上前から作成して、
かつ金の面倒をだれが見たかを見る必要があるはずです。しっかり
した計画のできる組織が関与している。これは推測ですので、1つ
の見方としてください。

勿論、まだ何が出てくる分からない。しかし、ある程度、このよう
なプログラムを米国は想定していたように感じる。
==============================
DIY of Massive Destruction 得丸久文   

>最大の難関は、自国民の命よりも、憲法の文言を守ろうとする、
>某政党のオバチャンだろうな 

NY在住の友人と、さきほど電話で話していました。だから以下の意
見はマンハッタン島で、貿易センターのすごく近くで事件のなりゆ
きをずっとみていたある日本人芸術家の意見を反映しています。 

今回のテロは、実はものすごい思考枠組みの転換を求める事件かも
しれません。 

今回のテロの意味は、誰でも、航空機操縦技術と、自分の命を捨て
る覚悟さえあれば、飛行機をハイジャックするなりチャーターする
なりして、原発や高層ビルに飛び込むことによって、自らを巡航ミ
サイルにかえることができるという現代巨大技術の盲点が暴露され
たことですね。 

これはいいことかもしれません。もう戦争の時代は終ったのかもし
れません。 
アメリカは報復をするのでしょうか。それがさらなる報復のスパイ
ラルを生むとしたら、アメリカも報復攻撃(誰に対して?? そも
そも実行犯はみんな死んでいる)を気安くできないでしょうね。 


コラム目次に戻る
トップページに戻る