648−1.エシュロンについて



件名:三沢基地のエシュロン施設  
三沢基地のエシュロン施設
軍事目的のものは、民間レベルまで裾野が広がっていると見るべき。
なぜなら、先進国の間では経済戦争という新たな戦局が正念場を迎
え、ヨーロッパとアメリカ特にフランスと米国企業では情報戦が国
際入札の結果に露骨に出だし、フランスなどはハッキリと問題定義
を投げかけている。
相変わらず、お粗末なのは日本で、この手の戦略を卑劣と見るか、
知略と見るかでも、防御に差も出る。
国家戦略に影響が出ると言うことは、個人的あるいはある組織的目
的で、エシュロンが利用されるのを誰が監視できるだろう。昨日の
テレビで三沢基地の話をしていた。
私などはアメリカをひなんすればターゲットになっている可能性が
ある。アメリカがイギリスがこの分野が進んでいる。ヨーロッパは
何とか巻き返しをねらっている。英語圏の優位にアメリカ イギリ
スは誇示している。企業補密も傍受していると考えられる。
日本の警察もインターネットを見れる架空ボックスを4台購入して
プライバシーを侵害している。
以下新聞記事だが知らない人に理解したもらいたい。平和ぼけの日
本はアメリカに三沢で協力しているが蚕業 一般の電話は勿論傍受
されていると考えるべきだ。何か対策を考えないとプライバシすら
なくなる。

アメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド
にあるエシュロン組織は、情報収集のためにスーパーコンピュータ
ーを利用する。彼らが保有しているリストは非常に広範囲であり、
該当地域の主要人物の政策をリアルタイムに監視する。このシステ
ムは全世界の主要政治家とテロリスト名簿を確保して監視している。
また金融取引、預金振替、航空機の針路、株式情報、国際会議、
デモ、反政府グループにも注目している。

午前、ニュージーランド政府通信保安局(GCSB)の職員A氏は、出勤す
るやいなやコンピューターをオンにする。
彼は最近問題になった全世界盗聴網、エシュロンを支援するニュー
ジーランド政府要員だ。コンピューターが起動すると、A氏は秘密番
号を入力した後、キーワードシステムにログインした。彼の秘密番
号は"******"。この番号は毎週変わる。今朝、エシュロン・システ
ムに縛られているアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアの
基地の情報分析家も、まったく同じ仕事をしているのだ。秘密番号
を入力すると、情報を分析する指針が映し出される基本画面が浮か
ぶ。お互い他の領域を表示する数字コードが画面左側に列挙されて
いる。

A氏のコンピューターに保存された資料はすべて、昨日の夜と今日の
明け方、太平洋上空に浮かぶインテルサット7衛星が傍受したホット
な通話と電文内容である。インテルサット7衛星は、同時に9万件の
個人通話やファックスを中継することができる。ここに集められた
メッセージは、直ちにA氏が仕事をするニュージーランド政府通信保
安局(GCSB)へ送られる。ニュージーランドGCSBには地球の反対側にあ
る、イギリスのエシュロン基地へ送った資料も蓄積される。衛星通
信を盗聴する核心は強力なコンピューターだ。地上に合法的に建設
された盗聴機器は、衛星が傍受した数百万の通信をコンピューター
へ濾過する。キーワードと主要なアドレスが入力されたコンピュー
ターは、無数の通信を数千、数百単位で縮小する。このように減ら
されながら、A氏と同じような情報分析要員たちが投入される。

A氏のコンピューター画面に浮かんだ数字コードのうち、4066はロシ
アのトロール漁船の漁夫たちの交信内容で、5535は南太平洋上空を飛
んで行く日本の外交電文、4959は南太平洋の島国などの交信だ。
7859は韓国と中国大陸間の交信内容だ。A氏は韓半島担当である。
彼は今日一日に作業する領域コードである7859を打ち入れた。7859
を入力するやいなや、あっという間にモニターに「調査結果」が浮
かぶ。中国と韓国とのあいだには数多くの交信が行き来するものの
、A氏のコンピューターにはキーワードを検索するプログラムがイン
ストールされており、必要とした交信だけを選び出す。

検索された結果は合計50件。この50件を検討することがA氏の今日の
課題だ。この中に上部に報告する価値のある内容が発見されれば、
直ちに詳細に分析しなければならない。五番目までは、特別な内容
はみられない。今日のキーワードは「麻薬」であったのだが、四番
目の通信まではやり取りの冗談で、五つ目は映画に出てきた麻薬の
話だ。ところが六番目が、なにぶん尋常ではない。A氏は直ちに通話
内容の全体を翻訳し始める。いったん英語に翻訳したのち、またこ
の内容をエシュロン・システムのUKUSAネットワークで通用している
情報報告の形式に作成した。
「今日は一件あった」
A氏は快哉をさけんだ。

これがまさにエシュロンの最前方で進行している作業だ。仮想の人物
A氏が使用したプログラムは「BRS Search」という調査プログラムだ
。このプログラムはぼう大な基礎情報を開き、同時に、かつ短時間
で分析するシステムだ。BRS Searchプログラムは蓄積された文書を
単語、概念、句などいろいろな文章の単位として分析する。このプ
ログラムはデータベース中に蓄積された数百万もの文書の中から、
必要とされる部分だけを一気に抽出することができる。時間は数秒
しかかからない。このプログラムは現在までに出現した情報分析プ
ログラムのなかで、最も強力ということができる。

BRSサーチプログラムは「辞書プログラム(Dictionary program)」
と呼ばれる。メッセージ数百万件中に存在する、あらゆる単語と数
字を読み、指定されたキーワードと数字を捜し出すためだ。つねに
どこの基地から、誰かがリアルタイムで進行しているこの作業は、
24時間休むことがない。

エシュロン・システムが選ぶ「単語」とはこのようなものだ。まず
人や組織、国家や主題の名前を選ぶことができる。もちろんエシュ
ロンはあらかじめ指定したテレックスや電話番号、個人と事業家、
非政府機構、政府組織、インターネットのアドレスやテレックスに
も入っていく。たとえば各国がやりとりする外交電文のなかで
「スヴァー(Suva:南太平洋フィジー島の水道)」や「援助(aid)」と
いう用語がある内容が必要であるならば、直ちに検索できる。ここ
で領事館(consular)級でやりとりする一般的な電文を選びたいなら
ば、‘NOT consul’と入力すれば、領事館級電文がまさに傍受され
る。

キーワードで交信内容を検索
例えば、分析要員が「拉致」というキーワードを入力しようとして
、キーボードを間違えて打ち、「槌」と入力してしまったとしよう
。あっという間にエシュロンは、協調している世界各国の基地に蓄
積された資料から、「槌」という表現が含まれた交信を掬い上げる
。このように、エシュロンはあらゆる国家と企業、個人間でやりと
りする交信内容を検索する。

これは、ある人が特定の人の電話を命がけで盗聴することとは次元
の異なる話だ。平凡な人が、はずみでエシュロンが注目する「単語
」を話したり、そのような単語の組み合わせをやりとりするばかり
でも、エシュロン要員の関心対象となるということだ。もちろんこ
の盗聴網コンピューターは、あらゆる通話の内容をすべてつかみ出
すことはない。盗聴網コンピューターが注目する単語は「破壊」、
「拉致」、「暗殺」のような意味をもつ用語だ。貿易紛争が頻繁な
最近では「クレーム」や「ダンピング」のような用語も関心対象だ
。いったんこの単語が出てき始めれば、通話内容が注目される。

この監視網から自由な人は誰もいない。主要人物だけが該当するの
でない。たとえば貴方が電話で大学の同窓に、自分の息子の仕事を
相談するとき、同窓に対して貴方が立腹した声で「ぼくの息子は、
夜も眠れずどうにも爆発しそうだ」といったり、通話のなかで憤っ
て「拉致」とか「破壊」という用語を発したとしよう。この用語は
エシュロン盗聴コンピューターが監視するキーワードのひとつだ。
だがあなたが平凡な人であるならば、適切な分析システムをたどれ
ば(この場合はテロリストを識別する過程)恐らく廃棄処分となるは
ずだ。

しかし、あなたの通話内容が明らかでなかったり、通話が途中で断
絶されると問題は変わる。これを注意するよう感じた新参分析家が
判断を間違うならば、あなたの名前は永遠に「潜在的テロリスト」
名簿に保存されるはずだ。何週間後か何年後、あなたがもう一度似
たような単語を発するならば、盗聴コンピューターは初めてのとき
よりははるかに速く、これを抽出するはずだ。あなたの名前はすで
に登録された状態であり、なおかつ二回目の発言であるためだ。
この時、あなたの名前は「潜在的名簿」から「有力な監視対象」へ
移されるかもしれない。

このシステムでは、あなたのの電話番号や電子メールアドレスを特
別に必要としない。問題となるキーワードだけがあれば、自動で検
索するのである。エシュロン・システム下では、五カ国の中央コン
ピューターは、自国が指定したキーワードだけでなく、システムを
共有する他の四カ国の情報機関であるアメリカのNSA、イギリスの
GCHQ、オーストラリアのDSD、カナダのCSEが定めた単語も調べる。
あらゆる盗聴内容を交換して共有するのである。

これらすべてのシステムを開発した機関は、まさにアメリカの国家
安全保障局(NSA)だ。事実、最近30年間のコンピューター技術の発展
は、アメリカの国家安全保障局(NSA)とエシュロン・システムが率
いたといっても言い過ぎではない。初期のIBMコンピューターからス
ーパーコンピューターに達するまで、コンピューター技術の進歩に
はNSAとエシュロンが尽くした。NSAは、コンピューター産業の叢生
期に資金数百万ドルを民間企業に提供し、コンピューター会社が作
った試作品を、一番最初に買い入れることもあった。だから「NSAが
なかったとすれば、コンピューター産業は今より10〜15年は遅れを
とっていただろう」という話が出てくるのである。一般には、コン
ピューターという概念自体が遥かな未来と見なされた50年代、NSAの
技術陣は初歩的なコンピューター機械でも、人間の頭脳よりは暗号
文パターンを探す仕事により有用だという事実を悟る。50年代後半
に、最初のデスク用コンピューター、ボガート(Bogart)とソロ(Solo)
を導入したのもNSAだ。

だがエシュロンが初めて創設された頃は、現在のように強固で有機
的な組織ではなかった。これを主導しているアメリカのNSAが1952年
、公式にスタートしたエシュロン活動は1947年、UKUSAという国際
条約により開始した。
この年に条約に参加した国はアメリカ、イギリス、カナダ、オースト
ラリア、ニュージーランド、そしてNATO同盟国だった。この条約は
、はじめは単純かつ簡単なものだった。それまでお互いが収集した
情報をやりとりして、これを中央情報処理本部へ送ろうというもの
だった。

しかし1950年代、アメリカNSAがスタートした後、様相は変わった
。まず会員国もアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、
ニュージーランドと同様なホワイト・アングロサクリン国家に確定
した。NSAは絶えず新しい諜報技術を開発して、この技術を会員国
に供給した。会員国は代わりに盗聴基地を提供した。

エシュロン本部はイギリスのメンウィズ・ヒル
エシュロン・システム本部はイギリス、ヨークシャーのメンウィズ
・ヒル(Menwith Hill)基地にあることが判明している。ここでは、
アメリカ人1000名以上が仕事をしている。この基地は1956年頃、
米国がソ連を監視するために建設した。しかし冷戦が終わった後で
も、この基地はたえず拡張されている。ヨーロッパだけでなく、
全世界の通信手段を同時に盗聴する施設を稼動するために、予算
数十億ドルが毎年投入されている。この基地には巨大なゴルフボー
ルもようの丸い構造物が24個、建っている。専門家によれば、この
中には衛星パラボラアンテナと盗聴装備が入っているということで
ある。この構造物はアメリカの諜報衛星が送信する情報を保存し、
ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア上空に浮かんでいる商業衛星が
中継する情報を集合している。この基地がおもに収集するのは、
国際的な安保問題に関する情報だ。兵器拡散防止、麻薬の輸出や
テロリズムに関する情報はお得意のメニューだ。だがそれだけでは
終わらない。1998年に秘密解除されたヨーロッパ議会報告書によれ
ば、この基地は不法盗聴も行っていることが明るみになった。非軍
事的な目標物も盗み聞きするのである。

エシュロン・システムがメンウィズ・ヒル基地と関係があるという
公式的な言及は1988年7月、あるアメリカの新聞記事で初めて明る
みとなった。当時、問題の新聞「クリーブランドプレーン・ディー
ラー」は共和党下院議員、ストローム・サーモンドの電話通話が自
動的に盗聴されているとの記事を載せた。この盗聴がなんと、イギ
リスのメンウィズ・ヒルで行われている、という報道であった。こ
のニュースの情報提供者は「ロッキード宇宙・ミサイル株式会社」
の社員、マーガレット・ニューシャムだった。メンウィズ・ヒルで
仕事をした経歴がある彼女は、米下院関係者にそこで働く当時、
イヤホンを通じ、ストローム・サーモンド議員の電話内容を盗聴し
たと陳述した。

この報道がおこなわれたのち、調査陣は証人を尋問し、エシュロン
・システムの計画と指針を明かしはじめた。
しかしこのような努力は無駄であった。彼らが発見したことは、
公式的に決まった盗聴対象が全くないという事実だった。エシュロ
ンは全世界のあらゆる通信内容を管理していたのだ。尋問対象だっ
た下級要員がしている事は、与えられた名前や単語をコンピュータ
ーで検索する仕事だけだった。結局、調査陣はこのシステムに手を
つけることができなかった。

アメリカとイギリス、カナダがお互いのスパイ・システムを共有し
ているという事実は、早くから知られていたことだが、オーストラ
リアとニュージーランドがここに参加しているという事実は一歩遅
れて明るみになった。
オーストラリアとニュージーランドが重要なのは、韓国を含むアジ
アを監視する基地が、まさにオーストラリアとニュージーランドに
あるためである。オーストラリアが関連しているという事実は1970
年代後半に表れはじめた。エシュロン・オーストラリア基地に対す
る端緒が初めて捕えられたのは1975年頃だ。エシュロン・オースト
ラリア基地は、キャンベラ近くの林が茂った海岸のテキンにあるの
だが、人々はこの施設を、はじめはテキンの電話交換局という程度
の認識しかなかった。以後1977年3月9日、オーストラリア野党総裁
ビル・ハイドンはこの盗聴網と関連し、政府に重要な質問を行った
。同じ年の4月19日、オーストラリア総理マルコム・フレーザーは、
国家安保利益に関連した事項とし、この質問に対する答弁を拒否し
た。

アジアはオーストラリアが監視
ニュージーランドも関連している、という事実は1980年代中盤に現
れはじめた。エシュロン・ニュージーランド分所と呼ぶべきGCSBは
、ニュージーランド政府通信保安局である。1984年6月12日、ニュ
ージーランド総理、ロバート・モルドンはGCSBがオーストラリア、
カナダ、イギリス、アメリカと密接に情報をやり取りしていると事
実を認めた。これはニュージーランドがこの五カ国間の情報連帯に
縛られていることを認めたことであった。ニュージーランドの情報
分析家たちは現在、要員を教育し、交換するなど海外情報機関と密
接に接触している。
1990年代初期からGCSBは自主的に要員を訓練し始めた。もちろんこ
れはエシュロン・システムのなかで、もうすこし効果的に活動する
ための教育だ。

このエシュロン国際連帯網に属する国家はみな、アングロ・サクソ
ン系白人キリスト教国家だ。それ以外の国家はみな、盗聴と監視対
象ということができる。だが監視対象はこれだけではない。能力が
無制限かつ常時働くため、自分自身をも食い荒らし始めたのである
。現在、エシュロンを運営するアメリカ国家安全保障局(NSA)は、
その広範囲な盗聴網を自国の国民にも使い始めた。NSAに協調する
アメリカ中央情報局(CIA)、アメリカ連邦捜査局(FBI)、アメリカ国
防情報局(DIA)は、NSAのために自国民の監視名簿を提出した。
この名簿は非常に多様で、急進政治グループから反政府デモに加担
した一般市民までが含まれている。いままで確認されたところによ
れば、この名簿にはアメリカ国内の有名芸能人であるジェーン・
フォンダや、民権運動家マーチン・ルーサー・キング牧師も入って
いた。より一層恐ろしい事実は、この監視対象がますます広がって
いるという事実だ。これは監視名簿に入っていた人と接触した人、
その団体も対象に含まれるためだ。

このようにNSAの活動が無制限に膨脹する1978年1月24日、ジミー・
カーター大統領は行政府権限でNSA活動を規制しようと試みた。
この試みは、NSAが1960年代と1970年代に行った広範囲な権力乱用
を防止するためであった。
しかし4年後、レーガン大統領はカーター大統領の試みを無に帰した
。レーガンは、この諜報機関の国内活動権限をより一層拡大した。
レーガン行政府命令で、NSAは大幅な支援を受ける。その結果、NSA
にはコンピューター、情報分析家がいっそう増えたのである。結局
、個人の私生活が侵害される危険はよりいっそう、大きくなったの
である。

エシュロンが大きくなるほど、人類の未来は悲観的
だが、アメリカの議会立法でこのようなプライバシーの侵害を防止
する可能性はほとんどない。このような盗聴と情報収集を防止する
案は、恐らく大学や産業界から出てくる可能性が大きい。新技術で
盗聴や情報傍受機器を防止することだ。安全な通話と交信を保障す
るこの新技術は、はるかに高い料金を請求するはずだ。

専門家は、このような情報機関の活動が大きくなればなるほど、
人類の未来は悲観的だと見ている。一つの国家が専制国家になり、
独裁者が現れる場合、問題はより一層深刻化する。専制国家はあら
ゆる通信活動を監視する技術力で、市民を統制するはずである。
独裁体制をひっくり返そうとする市民の努力も水泡と消える可能性
が大きい。政府が情報技術力で、その試み自体を事前に遮断し、
弾圧するはずであろうためだ。

エシュロン・システムを悪用した端的な例がある。1989年、ある前
職エシュロン要員はマーガレット・サッチャー前英国総理が「オブ
ザーバー・ニュースペーパー」所有主のローンホ株式会社を私的に
盗聴せよと命令した事実を暴露した。当時、この新聞は数十万ドル
に達するイギリス軍部とサウジアラビア間の軍事取引スキャンダル
を、シリーズで報道していた。記事内容は、サッチャー総理がこの
取引を強力に後援し、大量のわいろが仲介人のあいだに行き来した
とのことだった。わいろを受けた仲介人の中には、サッチャー総理
の息子、マーク・サッチャーもいた。マーク・サッチャーはこの
取引の過程で、賄賂1千万ポンドを受けたことが伝えられた。こうい
う例は氷山の一角かもしれない。エシュロン・システムはいくらで
も悪用できる。このシステムには倫理規定とか、さらには自国の
議会や市民の自由を尊重する規則もない。

冷戦期間にアメリカは、社会主義ソ連や中国が自国の国民を政治的
に抑圧し、統制したと非難した。エシュロンシステムを運営するこ
とも、共産主義体制に対抗するためであると正当性を附与した。
しかし逆説的に、機械が人間を統制する暗鬱な社会を作っている側
は、まちがいなくアメリカだ。

コンピューター技術が進歩しながら、エシュロンの能力はより一層
大きくなっている。エシュロンはいかなる法律でも制限出来ない
システムだ。これはジョージ・オーウェルが「1984」という小説で
も予見できなかったことだ。NSAはエシュロンのおかげで、その気
にさえなれば、それがどんなものでも、いつでも、どこにいようが介
入することができる。NSAは恐らく地球上で最も強力な組織であろう。

専門家はエシュロン・システムの問題点を数種類に指摘する。最初
は、全地球的な大きさの盗聴網は冷戦時代の結果物であるというこ
とだ。冷戦が終わったにもかかわらず、このシステムはまったく変
わらないでいる。予算も縮小できなかった。このシステムはまさに
権力だ。この巨大なスパイ・システムが存在したことによる功績の
正当性は、まったくないと見ることができる。経済情報が重要だと
いう論理でも、このシステムを説明できない。

エシュロン、冷戦時代の産物
二番目は、エシュロン・システムが安保にまったく脅威とならない
競争国を、何の根拠もなく攻撃対象として定めている点だ。エシュ
ロン同盟は過去、ソ連邦や共産国家を相手に工作していた。しかし
現在、このシステムの手足の国際商業衛星通信、マイクロウエーブ
・ネットワーク、さまざまな衛星はイラクや北朝鮮と同様の要注意
国家を狙わない。このシステムの目標物は、エシュロン同盟にまっ
たく脅威とならない国家や集団だ。アメリカとイギリス、カナダ、
オーストラリア、ニュージーランドなど五カ国の会員国は、政治的
や経済的に競争している国家で、利益を不当に確保することにエシ
ュロンを活用している。競争国家の資源を安値で買い入れるとか、
アメリカが主導する世界秩序を拒否する国家政府を押し倒すのため
に、これを使用している。ニカラグアのサンディニスタ政府が代表
的な例だ。

あとは電話会社に責任問題を移すことができる。電話を使う顧客は
、電話が安全だということを信じて通話する。
電話会社に料金を納めるのはこのためだ。ファックスも同じだ。
ならば電話会社は、顧客の通話に対して責任を負うべきである。
エシュロン・システムが通話を盗み聞きすることができないよう、
措置を講じなければならないのだ。

諜報は、中立的な情報とは異なる概念だ。諜報の力は非常に強力で
危険だ。諜報収集力と軍事力はコインの裏表と同じ概念だ。この二
つをもつ特定の国家や集団が、他の集団や国家を犠牲にする。相手
方に圧力を加え、これを打ちのめすには軍事力よりも情報力がより
一層重要である。エシュロンのおかげで、アメリカは驚くべきスパ
イ能力を持つようになった。これは冷戦が終わったのち、アメリカ
が世界秩序を左右する最も重要な力の源泉だ。
韓半島にも情報収集基地はある
韓半島で米軍が情報を収集する基地は、ハンフレー・キャンプと
烏山(オサン)空軍基地だ。もちろんこの基地がエシュロンと関連
しているという公式的な発表はない。
だがエシュロンがアメリカの情報収集網であることを勘案すれば、
これらがどのような場所なのか、ある程度推論することが可能であ
る。ハンフレー・キャンプは米8軍と、ソウル南部と大田北部の米軍
活動を支援するための本部だ。この軍事施設は幅が1.6kmほどで、長
さは3.2kmに達する。6・25当時に、この基地にはみずぼらしい軍用
幕舎だけが一杯だったのだが、それ以後、新しい建物とエアコン施
設まである最新幕舎を建てるなど、ひきつづき施設を改善してきた。

だがいまだにこの基地は施設を改善するための工事をつづけており
、一部の敷地は新しい建物を建てるためにあらわになった状態だ。

ハンフレー・キャンプはソウル南の61km地点と、牙山湾西方12.8km
地点に位置する。ハンフレー・キャンプは6・25当時には平沢飛行場
として知られた場所だ。この飛行場は日帝時代に日本が作った。第
二次大戦が終わったのち、アメリカ空軍は海軍所属の空軍機と614前
酒だる製本府を駐屯させるために、こちらを保守し新しい滑走路を
作った。1961年に、この飛行場はハンフレー・キャンプと名前を変
えた。これは、この近くでヘリコプター事故で死亡したベンジャミ
ン・K・ハンフレーを記念するための名前だ。ハンフレー・キャンプ
は1964年以来、米8軍の独立的な司令部として活動してきた。以後、
この基地は第23補給基地として再編された。米軍のあらゆる在来式
兵器と軍需品を保管する軍需倉庫になったのである。そして、そこ
には米8軍の牛乳工場が立てられた。
1974年に19支援旅団が活動中にもういちど、ハンフレー・キャンプ
は米陸軍の守備隊として再編された。1985年には守備隊司令部が
展示任務を遂行するために、また整備された。

米国の情報収集基地は日本にある。まさに三沢空軍基地だ。三沢空
軍基地は日本の本州北東側の三沢市にある。
この三沢基地周辺には、4,500名の軍人と軍属と家族を合わせ、
合計1,500余名が居住しており、10年間で非常に大きくなった。この
空軍基地は1945年9月、アメリカ陸軍32機械工兵団が基地を建設し
た以来、日本の米軍基地の象徴的な存在であった。 
☆ ホームページ    http://www.fitness.ne.jp/      ☆
Kenzo Yamaoka
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通信傍受システム・エシュロンの自粛求め決議 欧州議会 asahi

 欧州議会は5日、米英など英語圏5カ国が共同運用しているとさ
れる通信傍受システム「エシュロン」について、「存在は疑いない
」とする決議を採択した。決議に法的な拘束力はないが、欧州連合
(EU)の1機関として初めて公式に存在を認め、スパイ活動の自
粛を求めている。

 同議会は、エシュロンが、米英のほかカナダ、オーストラリア、
ニュージーランドによって運用されていると認定。特別委員会がま
とめた報告書は、傍受用とみられる大型アンテナは、青森県・三沢
基地を含む世界の11カ所の軍事基地に設置されていると指摘して
いる。

 決議は、欧州理事会に暗号ソフトの開発など個人情報の保護対策
を求め、EU加盟国にも情報機関の活動に関する国内法の見直しを
促している。(00:45) 


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