647−2.米国の景気と行動予測



米国の景気がどうなるか、次に米国はどうするかを見る必要があり
ますね。                  Fより

とうとう、すべての予測が、米国に不況がくるとなって、世界同時
不況が確実になったようだ。また、そう予測する評論家が多くなり
、ブッシュ大統領まで追認している。本コラムでは昔からそうなる
と予測してきたが。

そして、日本に追加の賠償を求めるなどの動きが米国に出てきた。
日本の金を狙おうとしている。日銀の金融緩和を世界の金融関係者
が言うが、これも同様の動きである。日本国内に投資先がないので、
金融を緩和しても、国外に流出するだけである。日本の金融は公定
歩合がほとんど0%であるため、金融緩和はできない。米国やEU
はまだ可能性がある。しかし、米国でたとえ金融緩和しても、雇用
が厳しいと、消費の伸びがいつまでも持つかだ。逆資産効果の恐怖
も雇用環境がきびしいと出てくる。その局面に米国はあると思う。

米国は需要拡大する切り札カードを持っている。中東戦争である。
南アフリカのダーバンで開催中の「国連人種差別反対会議」をボイ
コットした。着々と戦争への道を、下走っている。しかし、米国は、
自分の方から戦争を仕掛けることはしない。イスラム諸国から、
米国の同胞イスラエルに攻撃が掛けられ、しかたなく正義の味方と
して、戦うように持っていく。この米国の罠にイスラム圏諸国が引
っかかる可能性が高くなっている。まあ、エジプトやヨルダン、シ
リアはそれを知っているから、自重している。しかし、イラクは違
う。ここが狙い目と米国は考えている。

太平洋戦争で、日本が罠にかけられた状況にイスラム諸国はある。
しかし、一度戦争がはじまるとサウジアラビヤは米国離れせざるを
得ない。アラスカ石油開発に乗り出したのは中東石油に依存しない
ための方策である。準備が着々と進められている。米国の行動に要
注意である。日本はアラブ石油戦略発動の時アラブ寄りになると、
米国から捨てられる。アラブ以外の石油の準備が必要になっている。

もう1つ、中国とは中東戦争の間、敵対関係にできない。このため
、融和政策を取り始めている。中国の核を認めたり、中国のWTO
加盟を推進したり、米国は中国と親密な関係を構築している。この
関係を重視する見返りとして、中国は日本とアジアにおける覇権を
競っているため日本叩きに置いた。この実現を米国も民間ベースで
目指している。このため日米のギクシャクが出てくる。日本の外相
がしっかりしないと大変なことになると思うが??

このため、米国の雰囲気は反日的な様相になってくる。南京事件も
デズニーは映画化する計画をしている。もう1つ日本が問題にな
る場面が出てくるのです。米国は30万人虐殺を東京裁判で作った
本人であるため、それを否定できない。
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景気に懸念、失業対策推進 ブッシュ米大統領表明 朝日
 ブッシュ米大統領は7日、8月の失業率が急上昇したことについ
て声明を発表、「景気の減速は現実のものとなっており、多くの人
々の暮らしに影響を与えている」と経済の状態が深刻さを増してい
ることを認めた。

 ブッシュ大統領はまた、「我々は、失業率について深い懸念を持
っており、対策を打つつもりだ」と述べた。現在進めている小切手
による税金の還付に加え、来年以降も所得税率が下がることを強調
。エネルギーのコストを下げる政策や自由貿易の推進で議会の協力
を求めた。

 共和党の一部議員が主張している株式譲渡益(キャピタルゲイン
)課税の減税については「可能性を排除しない」(フライシャー大
統領報道官)としている。

 ブッシュ政権は、減税や、相次ぐ金融緩和などによって、年後半
には景気が回復するとのシナリオを描いてきた。失業率の統計は、
景気の状態を遅れて示すものだとして、楽観的な見通しをまだ捨て
てはいない。

 しかし、野党の民主党は、景気の急減速はブッシュ政権の失政と
攻撃し、大型減税政策によって財政黒字が大幅に減少したことを批
判する声が強まっている。株安にも歯止めがかかっていない。年金
財政の黒字に手をつけてまで歳出を拡大するかどうかも焦点で、
与野党の対立は激しさを増している。(12:06) 
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(2)驚きの消費者信頼感下落  GWR
 労働祭祝日(9月3日)の前後1週間を通じ、これほど経済的な
悪材料が新聞記事になったことは珍しい。「破産申請件数、第2四
半期に記録を更新」と報じるワシントン・タイムズ(28日付け)、
「国際通貨基金(IMF)副専務理事、厳しい経済予測を出す」と報じ
るニューヨーク・タイムズ(28日付け)、「驚きの消費者信頼感下
落」と書き立てるUSAトゥデイ(29日付け)など、枚挙に暇がない。
■消費者信頼感下落は予想外:企業の売上不振にともない、コスト
削減政策の一環としての一時解雇も含めて、労働市場は消費者の不
安を高めつつあった。こうした懸念を受け、USAトゥデイ(同日付け
)は、「8月の消費者信頼感が事前予測に反して急落し、経済が早
期回復する見込みが暗くなった」と書く。これを数字の上から見る
と、7月に116.3だった消費者信頼感は8月に117.5に上昇すると予
想されていたが、実際は114.3に下落した。数値自体は今年最低値の
109.2(2月)や1990〜91年の不況時よりはかなり高いが、前年同月
の140.8と比べればかなり低くなっているのは事実である。
 「雇用が豊富にある」と信じる消費者の数は97年初期以来最低レ
ベルになり、「職探しは難しい」と感じる消費者は3年ぶりの高水
準になっている。これを受け、株式市場も神経質になり、ダウ工業
平均株価は28日に160ポイント下落して終値1万222、ナスダックも
47ポイント下がって終値1865で取引を終えた。経済の現況に対する
信頼感は下落したが、向こう半年の景況に対する信頼感はわずかだ
が上昇している。
■世界経済は不況寸前に:「日本の予測された経済収縮と米経済の
急減速を受け、世界経済は不況寸前にある」とニューヨーク・タイ
ムズ(28日付け)はIMFのフィッシャー副専務理事の警告を掲げた。
このような著しい減速は、投資家の自信を復活させ、自国の不況か
ら脱出しようとしているトルコやアルゼンチンなど新興市場経済に
大きな損失をもたらしている。
「いわゆる世界的不況は回避できているかもしれないが、非常に居
心地の悪い状態にあり、特に新興市場経済国には厳しい」と同副専
務理事は世界経済一斉減速の影響を分析する。IMFは最近、日本、
ドイツ、フランスと5大経済国の景況予測を下方修正したばかり。
多くの民間経済観測家も、ここ数週間で世界景況は暗くなっている
と警告している。
 フィッシャー副専務理事の評価は、IMFの最新報告書の否定的な
トーンと一致している。同報告書は、維持不可能なアメリカの貿易
不均衡のためにドルは急落する可能性があると警告。さらにアメリ
カの成長率を昨年の5%から今年は1.5%に下方修正した。日本の
予測成長率も4月の0.5%から0.2%へと下げた。

(3)鳥 瞰 図: 「孤立」「一国主義」議論
 表題の2語が、多くのリベラル系新聞社説に「ブッシュ政府への
批判」という形で使われる。今週で言えば、南アフリカのダーバン
で開催中の「国連人種差別反対会議」報道が好例で、ブッシュ政府
はここでも「事前の準備や決議にイスラエル非難があり、これを撤
回しない限りアメリカは参加しない」とテキサスの自宅牧場などで
繰り返し発言していた。総括する国務省のパウエル長官は「自分は
不参加。イスラエル非難撤回作業に事務レベル代表を送る」とした
が、これも会議4日目の9月3日に撤収し、完全ボイコット。
 新聞報道の特徴は、「アメリカのボイコット」という現象に紙面
を集約させ、ブッシュ政府が主張する「イスラエルの対パレスチナ
政策が、『当地のアラブ人種抹殺にあり、これは明快な人種差別』
との主張は不当」とするその内容への吟味が全く欠落している点だ
。この地を植民地としていたイギリスが撤退する寸前の住民の内訳
は、アラブ人85%に対してイスラエル人15%に過ぎなかった。しか
し英米はこれを国連に持ち込み、かの地をイスラエルとパレスチナ
の半々に分割すると強弁、パレスチナはもちろんこれに承伏せず、
その後は度々の対アラブ戦争勝利でイスラエルが今日の地盤を獲得
している。国連は10本以上の決議案を採択し、「イスラエルは占領
地から撤退せよ」と要求し続けている。図式は、一方的に軍事力で
クウェートを占領し居座るイラクに、国連が「占拠は不当、撤退せ
よ」として採択した決議案と全く等しい。
 両者の違いは、米英が「対イスラエル決議」を無視するどころか
、巨億のカネと軍備を注いでイスラエルを最強の軍事国家に仕上げ
、一方のイラクに対しては「決議案に従わぬのは国際法と秩序の破
壊で許せぬ」とし、経済制裁や、一方的な軍事攻撃でほぼ無抵抗の
地上軍15万を蒸し焼きに惨殺し、その後も今日まで一方的空爆を続
けているという点だ。
 ボストン、ニューヨーク、フィラデルフィア、ワシントンのいわ
ゆる「東海岸回廊」のリベラル紙社説の論旨はほとんど同一で、
基本的には「今国連会議で取り上げられているシオニズムのアラブ
抹殺など荒唐無稽」だが、「アメリカは一方的に無視・撤退するの
ではなく、委曲を尽くした議論をパウエルに務めさせるべきだ」と
いうのが最大公約数となっている。
 これに対して、少数ながら共和党系・保守系・経済紙系は、「奴
隷制度を非難するアフリカでは、多くの国で依然、人を奴隷にして
いる」「アメリカを批判するインドも、カースト制度隠しが必要と
なればトーンダウンする偽善者」など、それぞれの国家や地域の持
つ恥部や弱点を突き、「だからイスラエル1国を標的とした決議案
など、良く表現してみてもお笑い劇」と締めくくり、アメリカのボ
イコットを完全支持する。結局、「孤立」「一国主義」という言葉
は他者を非難するための枕詞として登場するのだが、その言葉の厳
密な定義として、「アメリカの現状への適応性の可否」といったき
めの細かい議論には至っていない。


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