643−1.日本の社会構造をどうするか



日本の社会構造をどうするのか、議論したい。  Fより

市場主義の限界が見えてきたように感じる。市場主義は、強者生存
と弱者敗退を原則としている。この原則の原動力は力の信奉や自然
からの略奪である。

このため、この原則を放置していくと、地球環境破壊に繋がるし、
敗者の処遇ができない。今までは、地域ローカルでの市場主義であ
ったため、敗者が見えた。地域で敗者を救済できたし、救済も楽で
あった。敗者と勝者が見える距離にいたため、容易に救済ができた
のです。

この関係がグローバル化の影響で、敗者と勝者が見えなくなってい
る。日本の地方工場がなくなる大きな原因は中国の工場の方が安く
できることで、日本企業が中国に工場をシフトしているためである。

この場合、中国が勝者で、敗者は日本の地方となるが、両者の顔や
声は普通見えない、聞えない。国家間にまたがり、調整もできない。
これでいいのであろうか??このままにしておくと、日本経済も、
米国と同様な貧富の差が大きな社会になってしまう。そして、地方
から都市へ移動した工場労働者を雇う職場も大きく増える方向では
ない。それより、都市で今まであった職場もなくなろうとしている。

昭和の中期までは、日本は農業社会であるため、社会の秩序重視で
運営してきていた。この伝統への復帰をしないと、勝者はいいが、
敗者には酷い社会になり、不安定な社会になる可能性が高い。

日本は貧冨の差を作らない仕組みがあり、権利と権威と富を3分割
していた。権力機構の官僚たちが肥大化、無気力化のため、富を司
る会社の経営者が権力機構に入り、逆に官僚が会社へ行くという
相互交流をせざるを得ない状況に今なっている。そうしないと、共
産主義的な日本が続き、政治の市場化できないことになる。このた
め、日本の市場主義化を推進するが、市場主義の弱者と勝者の均衡
を取る仕組みを、日本の構造の中にビルドインする必要があるので
す。

これは富者(勝者)から税金・寄付を取り、敗者や挑戦者(若者)
に敗者復活や勝者になるチャンスを与える必要があるのです。

その方法は、所得税と相続税の税率を重くして、かつエンジュル投
資、NPOへの寄付や福祉などの活動へ使う金を免税とする仕組み
を要求することが必要である。諸外国では、福祉財団やNPOが
非常に多い。ここの部分は欧米では富者の義務のようになっている。
キリスト教やイスラム教の教えと税制がそうさせるのである。
しかし、日本はそのような仕組みがない。宗教の掟にもそのような
ことがない。このため、ほおっておくと、勝者は少数、敗者は多数
という社会になり、社会の根底部分が不安定になってしまうようだ。

また、日本自体が国際的な敗者にならないような構造改革や知的資
産化を強力に進める必要がある。教育の強化、特に理系の強化を進
める必要があると思う。社会人教育も強化して、その支援を政府は
する必要がある。


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