618−1.公的セクタの増加と社会変革について



特殊法人の民営化、廃止の問題が焦点となっているが、公的セクタ
の歴史的な観点から、問題を検討しよう。   Fより

政府や特殊法人のような公的セクタが歴史的にどのような増減を繰
る返し、かつ社会にどのような影響を与えているのかを見てみよう。

江戸時代は、武士階級が公的セクターですから、この階級がどうで
あったかを見るといい。この江戸時代を通して、全人口は増えも、
減りもしないが、武士階級およびその浪人たちは確実に増加した。
このため、幕末になると、常時不景気になって、このようなことで
はダメだと大塩平八郎の乱が起こる。それと同時期に黒船の来航が
起こり、江戸幕府は崩壊し、明治政府は武士階級を廃止するのです。
武士階級は、ただ飯食いであり、生産的なことをほとんどしていな
い。この比重が大きくなると、全体的な生産性がキープできずに、
不景気になるのです。
そして、武士階級廃止により、公的セクターの比重が下がり、明治
期は一転して好景気になるのです。

明治時代から増加する公的セクターは軍隊で、その増加が激しくな
るのは、大正末期、昭和初期で、特に2・26事件後は軍隊の増加
が激しく「国民すべてはがまんしろ」と言い、軍隊に物資を優先的
に回した。このため、経済状態は壊滅的ダメージを受ける。

そして、戦後この軍隊という公的セクターが無くなり、高度成長が
始まる。しかし、昭和60年代から官僚の外部団体が増加して、
日本の資源を奪い始めた。そして、とうとう日本経済における公的
セクターの比重が限度を超えたため、日本の景気は復旧不能になっ
ているのです。国民の貯蓄1400兆円の3分2が公的セクターに
注ぎこまれている。じつに1000兆円である。これでは、日本経
済は、非効率な経営をする公的セクターにその資金を奪われ、効率
的な民間セクタに資金がいかずに、日本経済は効率的な運営ができ
ずに浮かぶことができないのです。資金には元本+利子が必要であ
るが、その運営費と利子を稼いでいない公的セクターが多すぎるの
です。

特に酷いのが、道路公団・住都公団など、その役割が終了した公的
セクターが日本の資金を人が住まないような遠隔地の公団アパート
や1日に数台しか走らない高速道路に投資することですから堪りま
せん。

もう1つ、公的セクターの言い分を聞くと、公共の利益というが、
このことで、ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリター
ンの経済原則を壊わされているため、日本の投資案件はハイリスク
・ローリターンになってしまい、投資の正常性を日本は確保できな
いでいる。銀行は、このため、ローリスク・ローリターンの国債を
買うことになるが、これも限界に来ている。この先、だれが国債を
買うのであろうか?

もしかすると、アルゼンチンと同じように国債のデフォルトを起こ
し、一気に問題を解決する、ハードランディングしかなくなるので
しょうか???公務員の30%強制的レイオフでもしたいのですか
ね。特殊法人見直しを拒否する官僚は覚悟が必要でしょうね。
その上、官僚のいいなりの政治家、大臣も覚悟は必要でしょうね。
国会議員の半減もする必要が出てくるでしょうね。IMFの出番が
近いかもしれませんね。
もう少し、ましな政治家はいないのでしょうかね。
国民も、もちろん、このような先の見えない官僚に国の運営を任せ
た償いがくるのですが!!!


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