614−2.大正末期と同位相に



米国経済が下降して、その影響が世界に波及している。この様相を
検討しよう。      Fより

米国経済が下降して、その影響が世界に波及している。世界の30
%〜40%という巨大な経済のダウンはその規模からして、世界に
影響を与えることになる。この影響をまともに受けているのが、
中南米諸国で、デフォルトやその寸前になっている。これは、米国
民間銀行の不良債権が増加して、中南米への資金提供、投資能力が
ないのと、資金引き上げを行っているためですが、このような米国
の投資機関が効率の悪い国から効率のいい日本やEUに資金をシフ
トしているためです。このようなことが各所に起こるはずです。
日本は米国にしか資金を投資しない。この後、オーストラリアや
ニュージーランドも同様な事態になる可能性がある。

そして、その時期、ちょうどブロック経済と同様な仕組みが世界的
にできている。NAFTAやEUである。2大経済ブロックと見る
ことができる。

もう1つが、世界の歴史の転換点にある。科学技術中心主義から、
地球環境中心主義に転換する必要がある。地球は無限という感覚か
ら地球は有限という見方で、人間活動を制限することになる。これ
も大正期にも、科学時代の幕開けであったように新時代への転換点
であった。

それと、英国から米国へ、覇権国家が変更になった。この影響は大
きい。覇権国家の衰退は世界の覇権挑戦国家の意志を高めるため、
大きな戦争になる可能性がある。今は米国衰退がだんだん明確化し
てきている。米国に余裕が感じられない。これが一国主義になる理
由でもある。覇権挑戦国の活動が活発化している。欧州や中国、
ロシアなど。

このように同一事象が多いが、一番類似しているのは、大正時代末
期と現在同様で、世界的恐慌による日本の金融破綻や、明治の官僚
主義から大正デモクラシーという市民主義に転換でしたが、失敗し
て軍国主義になる。いまも同様で、日本の官僚主義から市民主義の
転換点にある。今回は前回のような失敗が許されない。

多くの有識人が大正時代に日本の進路を議論したが、昭和になると
、満州国建国という大陸進出という日本の進路を取る。しかし、
それは大失敗であった。それと同じような議論が現在、起こり日本
をどうするか議論が激しい。そして、国民が熱狂的な状態になって
いる。軍国主義になったのは、このような一方的思い入れや、都合
のいい情報開示だけをしたため、国民が間違え、それに政府が引き
ずられることになったため大正時代末期は失敗したのです。

このような大正時代末期の反省を踏まえながら、今次の改革を実行
するよう、小泉首相に要望する所です。
日本がどこにいくのかを充分議論するべきでしょうね。


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