613−1.ロシア情勢



北朝鮮の金正日委員長とプーチン大統領の会談を見、かつロシアの
動向を見よう。

1999年が5.4%、2000年が8.3%の経済成長と、ロシ
アは復活してきている。この成長には経済の自由化、民営化が寄与
しているのは、もちろんであるが、米国やIFMからの資金援助も
大きい。

中国からは、最新鋭武器の大量な注文を貰い、今後もより多くの
注文を貰うために、同盟関係を結ぼうとしている。

EUとは、ガス・石油を売り、米国石油会社からロシアに注文を移
し、ロシアに対する政治的な配慮をさせている。この効果が出たの
が、TMD問題でEUはロシア寄りの意見になっている。

このように、全ての関係国と外交的にロシアは得をする方向で外交
ができている。すごい外交能力である。ロシアはミサイル制限交渉
と米国のミサイル防衛構想のギャップで、また米国から金を巻き上
げている。

米国に反対しているようであるが、援助資金にうまく転換させてい
る。外交の懸案を金に変える特異な手法を駆使して、全関係国から
利益を得るのですから、プーチン大統領の外交手腕はすごい。

ところが、一国、このプーチン外交が通じない国家がある。それは
、日本です。プーチンは2島返還により、日本からの援助金を引き
出そうとしたが、失敗した。このため、日本との外交は当面、棚上
げになるでしょうね。期待通りにならなければ、交渉してもしかた
がない。

また、北朝鮮との関係でどう欧米諸国から金を北朝鮮に注ぎ込み、
その金を兵器と交換させるか。プーチンの策略をみたいものですね。

それに比べて、日本の外交はひどい。多額ODAを中国にしておき
ながら、中国外相から、属国の首相以下の対応で日本の首相が厳命
され、それに外務大臣は一言も言い返せないのですから、どうしよ
うもない外交である。これだったら、ODAを全額引き上げ、中国
と関係しない方がいいのではないかと思うぐらいだ。

日本の外相が、中国の下部であるようなことでは外交ができない。
田中外相の罷免を考えるべきではないのか??
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ロ朝首脳がモスクワ宣言発表 米国を強くけん制  asahi

 ロシアを訪問中の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正日総
書記は4日、クレムリン大宮殿でロシアのプーチン大統領と会談し
、「モスクワ宣言」に調印した。共同宣言は北朝鮮のミサイル開発
について「北朝鮮の主権を尊重する国にとっては脅威にはならない
」とし、米国が改廃を求める弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条
約に関しても「戦略的安定の基礎」と位置づけるなど、密接なロ朝
関係を強調し、米国を強くけん制する内容となった。

 プーチン大統領と金総書記の会談は昨年7月以来2回目。北朝鮮
の最高指導者によるモスクワ訪問は、86年の故・金日成主席以来
となった。プーチン大統領は北朝鮮側からの再招請を受け入れるな
ど、90年代以降冷え込んでいた両国関係の修復を強調した。

 共同宣言には盛り込まれなかったが、首脳会談に同席したロシア
大統領府高官によると、金総書記はプーチン大統領に対し、5月に
欧州連合(EU)首脳代表団に明言したミサイル発射実験の03年
までの凍結を改めて表明した。ブッシュ米政権の発足後、本格的に
は始まっていない米朝協議の再開に意欲をみせた発言とみられる。

 ロシア側は昨年の首脳会談での金総書記の「条件付きミサイル開
発断念」発言を再確認することを最も望んでいたが、少なくとも
共同宣言には触れられなかった。

 一方、プーチン大統領は昨年6月の南北首脳会談で出された共同
宣言に基づく統一問題の自主的な解決に理解を示し、南北朝鮮の対
話継続の支持を表明した。北朝鮮と日本、米国との関係正常化交渉
についても「成功を期待する」と述べた。

 韓国政府はロ朝首脳会談で、南北共同宣言に盛り込まれた金総書
記の訪韓をロシア側が促す可能性があると期待していたが、宣言で
は南北対話継続の支持にとどまった。

 また、ロ朝両首脳は「朝鮮半島とロシア、ヨーロッパをつなぐ鉄
道幹線の創設を推進する」とし、モスクワ宣言に盛り込んだ。シベ
リア鉄道と南北縦断鉄道との連結は、韓国から欧州諸国へのかなり
の物資輸送が見込めることから、かねてロシアが韓国と北朝鮮双方
に強く求めており、韓国側も歓迎している。

 南北がすでに連結で合意している鉄道、京義線のうち、ソウル−
平壌間までを利用し、北朝鮮東部に延びる鉄道を整備することにな
るとみられる。
(23:24) 


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