605−1.環境問題の進展



     COP6 日本批准か??      YS   
   
今日は日本の「独立記念日」になるかもしれませんね。
というより、参院選に向けた演出だったかもしれませんが。

とはいえ日米関係は重要です。 
またこのまま米を孤立化させるのも世界にとって好ましくありませ
ん。米がいつでも議定書に復帰できるように配慮しながら、日米新
エネルギー技術開発協力なども同時に打ち立てる必要もありますね。 

COP6の情報が混乱していますが、ジェノバでの日独首脳会議で
の小泉首相の発言は、ボンへのメッセージです。 
あとは川口さんの判断でしょう。 

(7/21)温暖化防止会議へ支援・日独首脳が一致 (日経抜粋) 
http://www.nikkei.co.jp/sp2/nt16/20010722dfli001122.html 

 会談の中で小泉首相は「各国とも会議で成果を出すよう努力して
いる」とボン会議の状況を高く評価。「(ボン会議の合意に向け)
前向きのメッセージを出したい」と述べた。これに対しシュレーダ
ー首相は「同感だ」と賛意を伝えた。 
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(7/23)日本、COP6議長案受け入れへ 米抜き発効も視野
に(朝日抜粋) 
http://www.asahi.com/international/update/0723/001.html 

 ドイツ・ボンで開催されている気候変動枠組み条約第6回締約国
会議(COP6)再開会合で、日本政府は22日、プロンク議長(
オランダ環境相)が提示した京都議定書運用ルールの最終合意案を
受け入れる方向で検討に入った。EU(欧州連合)は合意案に同意
する考えを示しており、日本が受け入れれば合意が成立する可能性
が極めて高く、各国が京都議定書の批准手続きに入る環境が整う。
日本政府は、議定書に反対を表明している米国を含めた枠組みの構
築に全力を挙げてきたが、発効に向けた協調姿勢を明確にする意味
から、米国抜きでの議定書の先行批准も視野に入れて検討していく
方針だ。 
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Reply COP6        YS   
   
???『日本政府は「森林吸収は問題ないが、原子力の利用などは
譲れない点で、日本にとっては厳しい内容だ」と受け止めている。
 』??? 

原子力に対する政府見解は、日本国民の考えを反映したものなのか
な。一部の特定の既得権益企業だけを対象にしただけのものではな
いか?誰のための政府なのか、誰のための環境省なのか理解に苦し
みます。

川口さん、(財)日本国際交流センター(JCIE)では休職扱いですね。 
はっきりしたほうがいいですよ。 

■2001年7月22日(日) 22時15分 
<COP6>森林吸収は4%、新議長案を各国に提示 再開会合で
(毎日新聞) 
 【ボン吉川学、森忠彦】気候変動枠組み条約第6回締約国会議(
地球温暖化防止ボン会議、COP6)再開会合で、プロンク議長(
オランダ環境相)は21日深夜、地球温暖化防止のための京都議定
書の具体的ルールの核となる新議長案を各国に示した。  

 森林が吸収する二酸化炭素(CO2)量を削減分とみなす制度に
ついて、日本の要求(90年の温室効果ガス排出量比で3・7%)
を上回る3.9%を認めたが、途上国との共同削減事業に原子力発
電所を使うなどの点では日本の主張を退けた。閣僚級会合最終日の
22日は新議長案をもとに、各国が合意を目指してぎりぎりの交渉
が続くが、決着は深夜(日本時間23日午前)に持ち込まれそうだ。

 プロンク議長は、▽途上国への資金援助▽CO2排出量を取り引
きする制度▽森林が吸収するCO2を削減分とみなす制度▽削減目
標を守れなかったときの罰則――という4課題の交渉グループから
報告を得て、最終合意案の柱になる新議長案をまとめた。 

 新議長案は、日本が削減分に組み込める森林吸収量として3.9
%を容認。再開会合前の6月に提示された議長案の3%から大幅に
上積みし、日本の主張を採用した。 

 一方で、▽途上国との共同削減事業に原子力発電所を使うことは
控える▽削減目標を守れなかった場合、未達成分を1・3倍に加算
して次の期間に削減する――など、日本が反対していた事項も盛り
込まれた。 

 昨年11月のハーグ会議で示された議長案には、途上国支援のた
め先進国が年間10億ドルの基金を出すことが盛り込まれていたが
、今回は具体的な金額を明示しなかった。 

 再開会合は22日午後(日本時間同日深夜)、閣僚級の最後の全
体会合を開く。プロンク議長は、基本部分での大筋合意を目指して
いる。 

 新議長案に対し日本政府は「森林吸収は問題ないが、原子力の利
用などは譲れない点で、日本にとっては厳しい内容だ」と受け止め
ている。 [毎日新聞7月22日] 
( 2001-07-22-22:08 ) 
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     社説いろいろ       YS   
   
 主要各紙に社説が掲載されています。 
各紙の特徴が現れていて興味深いですよ。 
海外メディアも昨夜から大騒ぎです。現在まとめている最中です。 
それにしても共同さんの記事はピカイチですね。 
ご本人がはっきり言わない以上、誤解を避ける意味で 
この記事を海外に流してもいいかもしれません。 

普段は政治問題にはまったく関心を示さない我が家のかみさんも 
この問題には相当苛立っているようです。 
「なんや、この人。はっきりせえへんな〜〜。」 
さてこの人とは誰のことでしょう。 

この問題は、本来女性が感心を持つべきテーマです。 
身近な女性と議論してみるのもいいかもしれません。 

日経 日本に議定書批准の責任 
http://web.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20010723EIMI1463H23.html 

産経 日本は米国復帰に努めよ 
http://www.sankei.co.jp/paper/today/editoria/editoria.htm 

毎日 COP6合意 温暖化防止の大きな一歩に  
http://www.mainichi.co.jp/eye/shasetsu/200107/24-1.html 

朝日 京都議定書──政府は批准の準備をせよ 
http://www.asahi.com/paper/editorial.html 

読売 なし 

米国抜きの議定書批准示唆 合意は百点と川口環境相(共同) 
http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=FKP&PG=STORY&NGID=AMAN&NWID=A0192400 
 ボンでの気候変動枠組み条約第6回締約国会議(COP6)再開
会合に出席した川口順子環境相は23日の記者会見で、地球温暖化
防止のための京都議定書の批准問題について「米国の存在と、批准
への準備作業は独立してやっていく」と述べ、米国抜きで批准する
可能性を初めて示した。また運用規則に関する合意について「合意
ができたという意味で百点だと思う」と述べた。さらに「23日の
電話会談を含め、交渉中に数回、小泉純一郎首相に指示を仰いだ」
と述べた。特定分野に関する内容ではなく、交渉全般に関し判断を
求めたという。日本政府高官によると、小泉首相からは合意取り
まとめへ努力を促されたという。(ボン共同)     (了) 
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■《天声人語》 07月25日(朝日) 
http://www.asahi.com/paper/column3.html 
 「たぶんこれは、日本にとって、アメリカからの独立を表明する
戦後最大の決断だったろう」。ドイツのボンで開かれた温暖化をめ
ぐる国際会議での日本の態度について、米国の環境団体の代表がそ
う語った(英国BBC)。 

 複雑な気持ちにさせられる。まず、そんなにたいへんな決断だっ
たのか。それにしても、こんどの決断が「最大」と言われるほど米
国追随外交は世界の「常識?」だったか。そうした「いまさらなが
ら」の感想だ。 

 もっとも、別の環境団体の見立てでは、京都議定書を葬り去ろう
としたのは米国と石油輸出国機構(OPEC)であり、壊そうとし
た日本とカナダ、オーストラリアの策動にもかかわらずEUと途上
国が救い上げた、と。 

 イタリアのジェノバでのサミット、そしてボンでの会議と見てく
ると、世界の勢力地図が変わりつつあるのではないか、と思えてく
る。ジェノバで取材した同僚からは「こんなサミットは、これまで
経験がない」との感想を聞いた。 

 厳戒態勢下、隔離された会合という面のほか、新しい対立が持ち
込まれつつあるという予感がする、と。「イデオロギーの対立とは
言い過ぎかもしれないが、哲学的とも見える対立を感じる」。その
ひとつが京都議定書をめぐる対立だった。 

 地球規模の問題で、いかに合意をつくっていくか。米国抜きで成
立したこんどのボン合意を、世界自然保護基金(WWF)のJ・モ
ーガン氏は「地政学的な地震だ」と形容した。気候変動とともに、
地球規模の政治変動にも注目しなければならないようだ。 
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    エントロピーの増大は止まらない     得丸久文
1.エントロピーの増大は止まらない 
地球環境に対する人間活動の影響は、人口と、それぞれの人間のエ
ネルギー消費量の、シグマ関数で示されます。 

人口が増大すればするほど、環境は悪化しますし、さらに開発途上
国の人間が、より先進国に近い生活をすればするほど、環境は悪化
します。 

先進国で人口が減っていることはいいことですが、途上国の生活が
豊かになって、おそらく地球全体としてはエネルギー消費量は増え
続けている。 

エントロピー学会の会員である昔の上司が言っていたのは、風力発
電や太陽電池といったソフトエネルギーを使っても、地上で熱が発
生するので、温暖化がストップするわけではないということです。 

経済学者の友人は、「環境問題は、今生きている世代が、これから
活躍する世代あるいはこれからうまれる世代の便宜を無視して、自分
たちだけが繁栄を享受するという間違いをおかしているから起きて
いる。のちのちの世代のことを考えるならば、世界のすべての国が
協力して、一律に石油税を10倍とかにすれば、石油消費量は間違い
なく下がり、資源の枯渇も温暖化も少しは遠のくのだが、、、」と
いうのですが、みんな自分たちのことしか考えないからそんな強硬
策は選択されないでしょうね。 
やはり滅亡の道をまっしぐらしかないのでしょうか。 

2 海洋汚染も止まらない 
さらにいえば、海洋の有機化学物質(ダイオキシンやPCBやBHCなど)
による汚染は、もはや止める術はありません。先進国が禁止した農
薬や薬剤は、途上国で使われていて、それらが直接海洋に流入した
り、あるいは蒸発して大気循環を通じて海洋に流入しています。 

7月19日に外務省が開いた国連海洋法条約加盟5周年のシンポジウム
の基調報告で行われた東大海洋研究所の宮崎信之先生の講演を聞い
てきましたが、海洋においては生体濃縮がとても急速に進むことも
あって、すでにイルカの生殖異常などの形で汚染の影響が出ている
そうです。ちなみに海洋汚染の一番ひどいのは、北半球の中緯度だ
そうです。 

そして、この海洋汚染を止める手段はない。打つ手がない、なすす
べがない。それが現状です。 

暗い話ですが、いろいろと考えた結果、こうなるのです。 
マスコミが京都議定書で騒いでいるのは、もしかしたら、本質から
我々の目をそらすためかもしれないという気もします。 
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通り過ぎるつもりが思わず立ち止まってしまいました   旅人   
環境問題は人口に密接にかかわる問題であること、環境汚染を止め
る有効な手段が今のところ見当たらないこと、まったく同感です。

仮に熱帯雨林などの自然環境保全のために人々が当該国などにお金
を払う制度を作ったとしても、お金をもらった人はモノを購入・消
費するしかないので、いずれは環境破壊へ進むのでしょう。 
ただ、破綻へ向かっていることがわかっている、あるいは破滅する
かもと思っている人は、少しでもそれを食い止める手立てを尽くす
べきではないでしょうか。 
未来はないかもしれない、何もできないし、やるだけ無駄だから何
もしないよは、あまりにも次の世代に申し訳ない。 
二酸化炭素排出を減らすためには、生活のどこかで我慢して、電気
やガソリンの浪費を抑えればいいでしょう。 
二酸化炭素を消費して酸素を排出する身近な生き物は植物です。
京都議定書など関係なく、私たちに一番身近な家庭レベル、コミュ
ニティレベルから緑を増やすことはできないでしょうか。 

いつも思うのですが、日本の町は大小問わず地面から根の生えた緑
、特に並木道が少ないです。例えば、あぜ道や街の道路に1本1本樹
を植えていくだけで、10年後には景観が一変するでしょう。 
木陰が増えれば、人は自ずと足が向かわないでしょうか。果物の樹
を植えたら、子供たちは自然に季節を感じ取り、その枝から果物を
もいでかじらないでしょうか。 
ビルの屋上に土を張って数本でも緑を植えれば、その冷却効果で
エアコンの消費電力量は減らないでしょうか。お昼休みは、木陰で
風と一緒にランチを楽しめないでしょうか。 
緑はそこにあるだけではなく、ある程度作り出すこともできるので
はないか、社会への関わりやより良いと思える社会を次の世代に手
渡すことは、人から与えられるだけではなく、自ら作り出すことも
できるのではないかと思うのです。 
実践を目指さない思想や評論の世界というものがよくわかっており
ません、変なかきこみをしてすみませんでした。 
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プロンク議長、京都議定書と米新提案の一本化を提唱   日経
 【ボン23日=安藤淳】地球温暖化防止ボン会議のプロンク議長は
23日、閣僚交渉終了後の会見で、京都議定書と、議定書離脱を表明
した米政府が作成中の新提案の一本化を提唱した。同日採択した運
用ルールは米国に配慮して罰則規定などを緩くしており、双方を生
かした共通ルール作りは可能だとしている。世界最大の温暖化ガス
排出国である米国の孤立化を避け、地球規模での温暖化ガス削減加
速を狙うという。 
 プロンク議長によると、議定書運用ルールの大詰め交渉で、米政
府は「建設的に議論に参加した」という。米政府代表も日本経済新
聞などに対し、新提案が「議定書と共通点を持つだろう」と説明し
ている。主要国は2002年の議定書批准を計画しており、この間に
米国との協議が可能。米政府は10月にマラケシュ(モロッコ)で開
く次回温暖化防止会議で新提案公表をめざすとしており、日欧はそ
の内容を見ながら一本化の可能性を探る。 


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