599−2.社会変革の仕組み



サチャーやレーガンの気持ちが、わかるこの頃ですね。  Fより

イギリスのサッチャーイズム、米国のレーガノミックスは、それま
でどんどん衰退する自国を建て直すために、徹底した国民の自立を
促した改革であった。その手法は、政府市場の開放、規制緩和、小
さな政府として、税金を少なくした。

このような社会に市場を開放したため、仮需要を発生させた。それ
と、多くの外資を呼び込んだ。不良債権処理による不景気で発生す
る雇用の吸収を、その仮需要で起きた雇用で吸収し、かつベンチャ
ーを積極的に支援した。大企業は、赤字部門や本体とは関係ない部
門をスピンオフさせたために、そこから新企業として成長するもの
も出てきた。そのいい例がEMC2社で、IBMディスク部門の
レイオフで退職した人たちが中心に、高信頼性のハードディスク会
社を立ち上げ、大成功した。

そして、規制緩和で発生した仮需要は10年くらいで、だいたい元
に戻ることも確認できた。このいい例が米国の航空業界である。
規制した時代と同様な寡占化が起こり、航空運賃は上昇している。

しかし、仮需要がある間に、10年で、新産業分野を政府、民間で
真剣に見つける必要があるのです。経済産業省や環境省の役割は、
大きいのです。

そうしないと、イギリスやニュージーランドのように、再度規制を
強化する必要が出てくることになる。なぜか??
公的分野を民間企業に開放すると、当初は多くの参入企業があり、
値段やサービスはよくなるが、だんだん時間が経つと、ある特定の
企業の独占状態になる傾向がある。そうすると、値段は上がり、
サービスは劣化する。このような様相を呈した時、国は国民の不利
益になるため、再度、その分野を国有化や規制強化せざるを得ない
ことになる。この良い例がニュージーランドの鉄道である。


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