599−1.環境問題の行方



      京都議定書と米欧  〜ヨーロッパの脆弱性〜
                          どうもと
最近のアメリカの安全保障戦略や環境戦略を見ていると、感心して
しまう。まるでチェスで、確実に攻めの一手をうってくるのを見て
いるようだ。 
完全に先の先を読んでいる。エシュロンを用いた、CIAの多数の
情報分析官は、これから何がおこるであろうかを予測する。
ふり返ってみれば、国際世論ほどあてにならないものはない。

私は今回アメリカが独自の温暖化政策に、前向きな姿勢を示してい
ることに希望を感じます。
少なくともヨーロッパの20世紀の民主主義は、二度の世界大戦を
含め、ヨーロッパ自身では守ることができず、常にアメリカの介入
を必要とした。

平たく言えば、
「ヨーロッパは、自分一人では自分の身さえ守れなかった。」
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件名:京都議定書はパンドラの箱だったのか?  yagi

環境問題がその批准をめぐって国際政治の道具にされつつある。
この京都議定書の性格上先進国の工業生産に制限を加えるものであ
ろう。もちろんそれは当時絶好調のアメリカ経済に対し何らかの
ブレーキをかける思惑で提案されたのではないか。そうであるなら
、アメリカが離脱するのを予想できなかったのはうかつであったと
思う。今考えれば十分ありえたことだ。先の大戦でも日本は石油に
よって敗れた。アメリカが石油という武器を簡単に手放すはずがな
い。

国内においてもその批准に賛成するものは、国際舞台においてリー
ダーシップや面子に関する話が多く、京都議定書を積極的に戦略的
に活用するといった話は少ない。
アメリカがどうするヨーロッパがどうとか他国の問題にばかり目が
行くのは日本人の主体性のなさをあらためて感じる。

物事には二面性がある。私も会社をつぶしかけて気がついたことだ
。リスクの向こうにしかリターンはない。
議定書の批准ににより上り調子の中国、インドはよりさらに勢いを
得るであろう。
しかしながら、石油は限りがある。以前TVでみたが現在その採掘量
は減少しつつある。しかしながらその需要は増えつつある。
埋蔵量においては楽観的な数字があるが学者によっては10年内に
石油は枯渇すると唱えるものもいる。よく聞くのはあと50年から100
年の数字である。
よって、京都議定書批准により官民一体となって産業の脱石油化を
協力に進めるというのはどうであろう。
この大義名分の元でならある種自己中心的な政策も取れるのではな
いか。二酸化炭素の吸収を目的とした農業に対する補助金とか、
環境対策していない国からの工業製品の関税、中国からの温暖化ガ
スの日本への流入に対する迷惑料とか。
そのような戦力的活用にを条件として国に批准を求めたい。100年後
の石油が枯渇した環境において正常に稼動しているのは日本だけか
もしれない。
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皆様、こんにちは。初投稿の玉吉と申します。

先日、国際戦略コラムのメルマガに、「ふるさとの星」という雑文
を掲載していただきました。それの補足と、得丸さんのご意見を読
んで考えたことを書きます。

> 結局、環境問題とは、人口爆発の問題だったのではと思い至りま
>した。
>だとすると、いろいろと対策をたてたり、京都議定書の批准につい
>てどうこう議論しても意味がないのではないか。人口を適正水準に
>減らすことができるかが問われるべきなのかもしれない。

確かに発展途上国の人口爆発は脅威ですね。しかし欧米や日本など
先進諸国では、却って少子化による人口の減少が深刻な問題になっ
ています。

少子化傾向が強まっている日本の人口も、このまま推移すると2050
年には現在の70%程度に減少してしまうそうです。人口の減少は国
力の低下につながり、また社会の活気がなくなり、文化や産業面に
も深刻な影響が出ると思われます。

発展途上国の人口は、もちろん抑制する努力が必要です。しかし
これも、今のところ根本的な解決策は無いようです。途上国に対す
る支援を強化し、少しずつ教育レベルや生活レベルを向上させ、
子供を労働力と見なすような状況が改善されるのを待つほか無いで
しょう。

人口の「適正水準」を見極めるのは難しいと思いますが、個人的に
は(環境の悪化を防ぎつつ)人類全体の人口がわずかずつ緩やかに
増加してゆくのが理想的だと思っています。

ところで、人間が消費する酸素の量は、自動車や産業に比べれば
微々たるものです。人口が増えれば、たしかに窮屈で住みにくくは
なりますが、食料さえちゃんと確保されていれば、今の倍の人口に
なっても、地球には十分なスペースがあります。ですから環境問題
と人口問題は、やはりきっちり分けて考えるべきでしょう。

そこで、もし「ふるさとの星」に書いたように、アメリカが地球に
見切りをつけたのだとしたら、これは単なる逃避ではなくて、人類
全体の将来を見通した超長期計画かも知れない。アメリカとて、
国内産業の保護ばかり考えていては温室効果ガスによって地球が住
めなくなることぐらい、当然分かっているはずですから。

人口の増加分を他の惑星に吸収させるというアイデアは、それほど
無茶ではないと思います。その場合の選択肢は、火星以外にはあり
ません。

火星への「移住」というと、現在地球上に住んでいる人たちを移住
させるような響きがありますが、それは物理的に不可能です。
そうではなくて、国際プロジェクトを作って移住する代表者を決め
、ほんの数百人程度でスタートするのです。もちろんメンバーの人
選は、民族や人種も考慮して、全人類を代表していなければなりま
せん。

今までの地球での失敗を反省し、それを生かして一からスタートす
れば、火星を緑の惑星にし、国境のない理想郷にすることも可能で
しょう。

それでも、移住計画が実行されるまでに地球が住めなくなったので
は元も子もありませんから、やはり環境対策、特に温室効果ガスの
削減は重要ですね。

京都議定書ですが、最終的にはアメリカと途上国抜きで、日本と
EUだけで批准することになると思いますが、そこをスタート地点
としてアメリカに様々な圧力をかけて行けばよいと思います。一般
の乗用車に対する排気量規制を設けるよう強制するとか。

また一つのアイデアですが、F1とかル・マンのような大量にガソ
リンを食う国際レースを廃止して、代わりに電気自動車とか燃料電
池自動車のレースを盛り上げれば、自動車業界も乗ってくるのでは
ないでしょうか。

以上、勝手な意見(思いつき)で失礼しました。

玉吉のHP「玉吉抄」はこちら。
http://www06.u-page.so-net.ne.jp/sa2/yook/

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米、次回の温暖化防止会議に京都議定書の代替案   日経
 【ローマ19日=加藤秀央】主要国首脳会議(ジェノバ・サミット
)の外相会合に出席したパウエル米国務長官は19日、会見で地球温
暖化防止問題について「次回の温暖化防止会議に、米国として具体
的な提案を出せるよう検討している。これは京都議定書の代替案と
なる」と述べ、米国の温暖化ガス排出抑制計画を日欧に提示するの
は10月末にモロッコで開く締約国会合(COP7)になるとの見方
を明らかにした。 

 米政府は京都議定書からの一方的離脱を表明した後、独自の排出
抑制計画を模索するとの立場を示していたが、その時期はこれまで
明確ではなかった。温暖化問題はジェノバサミットの争点になる見
通しで、米国に対する各国の批判沈静化を狙ったとみられる。
長官は、温暖化防止は必要だとの立場を示す一方で「京都議定書は
米国の取る道ではない」と同議定書に復帰する考えのないことを改
めて表明。その上で、米国の代替案は「温暖化防止に効果があるよ
うに、世界各国を巻き込んで、かつ米国が調印できる内容にする」
となると説明した。 
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首相、「誤解生んだ」と釈明 COP6発言で  朝日

 小泉純一郎首相は19日夜(日本時間20日未明)、サミットに
出席するため、イタリアのジェノバに到着した。首相は政府専用機
内で記者団の取材に応じた。ドイツ・ボンでの気候変動枠組み条約
第6回締約国会議(COP6)再開会合について首相が「合意でき
ない」と発言した問題で「とりかたによって私の発言に誤解を生ん
でいる面がある」と釈明した。

 京都議定書については「02年発効に向け、全力をつくす。その
際、米国の参加は望ましいという姿勢は一貫して変わらない。そう
いう主張をサミットでも申し上げたい」との姿勢を強調した。

 21日に予定されるロシアのプーチン大統領との会談については
「あくまでも北方四島の日本への帰属の明確化に重点を置く。四島
の返還をどうするかは、その次の段階だ」と述べ、帰属問題は四島
一括で解決を図る考えを示しつつ、返還の手順については柔軟な
姿勢をみせた。(01:32) 
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■京都議定書:「離脱は米国のエゴだ」 石原都知事(毎日) 

 米国が京都議定書からの離脱を表明している問題で、東京都の
石原慎太郎知事は19日の定例会見で、「アメリカの言っているこ
とはエゴ。いかなる犠牲を払っても参加すべきだ」と語った。サミ
ットに参加する小泉純一郎首相には「今世紀に生きる政治家として
哲学を持ってもらいたい」と述べ、毅然とした対応を取るよう注文
を付けた。 

 先月、ガラパゴス諸島を視察した石原知事は「地球(の寿命)は
長くない、と痛感した。本気で乗り出さないと、温暖化はとんでも
ない現象を引き起こす」と危機感を表明。「行政はもっと長いスパ
ンで文明を考え、地球を考えないと。私はそういう意味では京都議
定書を非常に評価する」と語り、中国やインドも議定書に参加すべ
きだとの考えを強調した。 

 そして、小泉首相に対し「何年、政権がもつかということじゃな
く、人間が何年もつかを考えなければ。総理としての文明論、哲学
を披歴すれば、単なる純一郎旋風だけでなく、もっと実のあるもの
になる」と辛口のアドバイスをした。[毎日新聞7月19日]
 ( 2001-07-19-21:59 ) 


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