594.「日本再生」『国家戦略』



各位       2001-7-11 21世紀研究会  永田通
 前回の日本再生、、「日本国の将来像―その6」、『構造革命』
に続きまして『国家戦略―外交、情報、技術、防衛、教育、金融』
を送信申し上げます。
 原文が、1行40文字、1頁40行、A4版2枚のところを、送信文に組
入れたため、改行等が少々乱れ、読みにくい箇所があるかと存じま
すが、何とぞご了承の程願い上げます。
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◯ 「日本再生」    『国家戦略』   (a14ksl1)
1、国家戦略とは―― 諸外国との関係を強く念頭に於いて、日本
の進路方向を、積極的に策定したダイナミックな将来像、とでも申
せましょう。外交戦略・情報戦略・技術戦略・防衛戦略・教育戦略
・金融戦略・エネルギー戦略・人口戦略・福祉戦略等々を、包含し
た総合的なものであります。
1-1、戦略は元来、戦いのための策略・計略に由来する言葉でしょう
が、ここでは、そのような意味はありません。「国のあり方・将来
像」は、静的な感じがしますが、「国家戦略」は、動的・前向き・
企画的な意味を有します。
1-2、バブル崩壊後10年以上経っても、抜本的対応策が取られず、赤
字財政だけが徒に増加して行く現況を見ていますと、「将来の日本
は、こんな国が良い」、と希望するだけでは、坂を転げ落ちようと
する「我が日本」を、救う事ができません。

2、外交戦略―― 国家としての外交戦略の確立と、情報の収集・管
理と秘密裡の連絡方法の確立が非常に重要であります。現外務省で
は、したたかな海外勢に太刀打ちできているとは言い難く、能吏型
でなく腹の据わった人物を、省の外部から多数登用する事、更に、
真の情報の収集能力を有する信頼できる人材を、大使館外に相当数
、配置する事が肝要であります。
2-1、大使等の出先幹部は、独自の判断で外交交渉を進める事は殆ど
なく、本省又は内閣官房等の指示のもとに行動しております。従っ
て、よく言えば国際協調、実状は外国のご機嫌取り、冠婚葬祭用の
仕事、本国からの要人の世話が中心となっております。
2-2、例え暗号を採用していても、通常の通信・連絡方法では、全て
の内容を海外勢に傍聴・傍受されていると思わなければなりません
。対米戦争では、情報筒抜けでひどい目に遭いました。
2-3、アジア諸国との友好は重要ですが、日本の事を、自国民に常に
悪しく宣伝しまた、自国内の権力者悪事を黙殺している国や、根幹
思想の共産・社会主義を手放さない国家には、絶対に気を許さず、
毅然と対応する必要があります。
2-4、歴史認識を含む日本の実状・考え方を、民間発信の電子メール
を含むあらゆる方法で、諸外国の一般国民に、直接知ってもらう必
要があります。

3、情報戦略・技術戦略―― Intelligent Technologyは、便宜性・
時間短縮を実現するものの、モノを生産しない技術体系ですので、
これを過大評価してはなりません。
日本は、あくまで優れたモノ作りの技術立国を、中核とすべきであ
ります。
3-1、第三者に知られては困る情報の送受信は、特別の対応策が不可
欠です。電話・電子メール・fax・CATV等々の通信手段は、多少の暗
号化を図っても、傍聴・傍受されている可能性が高いとし、コンピ
ュータ内の情報も、外部から盗まれる危険性が極めて高いとの認識
が不可欠であります。重要情報は、外部記憶に移して(外線と断切っ
て)、信頼できる幹部による「厳重保管」とすることが肝要となりま
す。
3-2、重要技術は、軽々しく海外に持出さず、中小企業が開発した特
許等の技術秘密を散逸しないよう守る必要があります。

4、防衛戦略―― 冷戦終結により、ソ連という巨大国の脅威は、大
きく減少しましたが、アジアの覇権を目指して軍拡を継続している
国家の存在、内乱・天災等による難民の大量襲来、石油輸送途上(ペ
ルシャ湾・インド洋・マラッカ海峡・台湾海峡)での紛争の発生等々
の危険は、むしろ増大しております。
4-1、以上の危険に、日本だけで備えるとすれば、防衛費を現在の5
倍に引上げても不足するのでは、と思われます。アジアの一部国に
、不満・異論があるにしても、米国との安全保障協定の堅持は不可
欠で、これに沿った国内法の整備も必要であります。
4-2、日本国民は国を失った事がなく、のんびりレジャーを満喫して
いますが、国家の存亡にかかわる際には、スイスに学び、市民も銃
を取る心構えが肝要であります。

5、教育戦略―― 戦勝国による民主・平等・人権・博愛教育は、
日本人の精神構造を骨抜きにする目的を持って導入されたものであ
ります。明治〜1945年の行き過ぎた教育を是正する良い点もあった
ものの、受験合格のための知識・偏差値中心となり、言葉使い・道
義・マナー・良識・創意工夫の知恵は失われ、殺伐とした若者の増
加を招いております。
5-1、占領政策に悪乗りした文部省と日教組、これをチェックできな
かった政治家・父兄両親・核家族・マスコミ・物欲に走った社会風
潮等の総合責任であります。早急に抜本的再建策を実行しないと、
30〜50年先の日本は、自律・自立の気構えを失い、海外勢の言いな
りで動かされる刹那的な家畜の群、と化している可能性が高いと言
えます。
5-2、公立学校の教育者は、小学校から大学まで全員一度辞職し、希
望者は再就職を求めてもらいます。国益・国家社会(地域社会)のた
めに役立つ若者を、どれだけ・どのように育成して来たか、また、
今後如何なる方法で、国益に貢献する若者を育成するか、が当該人
物再就職のカギとなります。有能だが国益に反する行動の方々は、
私立学校・塾に移行して頂きます。
5-3、再就職審査員の80%以上は、民間から国益を重視する健全な良
識人を、ボランティアとして公募します。再就職希望者の提出した
実績とレポート、更に面接、必要に応じ教育委員会の意見を加味し
て決定します。

6、金融戦略―― 旧態依然とした金融組織(都銀・地銀・・・・
信組・農協、郵貯・政府系)と間接金融システム(国民→預貯金→企
業・財投)は、既に制度疲労を起こし、機能不全状態に近く、資金の
流れが極めて悪くなり、景気の逼塞感を増幅しております。
6-1、バブル崩壊による国富の消滅1300兆円の内、金融機関融資及び
財政投融資と直接・間接に一切無関係の800〜900兆円を除く、「400
〜500兆円」は、何処かに歪みが来ている筈で、将来不良債権化する
可能性があります。公的法人等の隠れ借金・含み赤字を加味します
と、100兆円程度の債権償却では、全く不十分であります。
6-2、従来型金融組織と財政投融資制度を維持していたのでは、不良
債権は止めどなく次々に湧き出してきて、処理は終わりません。何
十年もかけている間に、国家財政・公的資金が、いよいよ枯渇しま
す。日本経済の過大評価を反省し、入り組んだ現存組織・制度の維
持を諦め、金融機能(余資運用、融資、決済)を、効率よく生かす仕
組みへの再構築に、方向転換する必要があります。
6-3、現在の金融機関・財政投融資システムは、全部解散解体して(
当然、従来からの不良債権は精算されます)、有能な人材と新たな資
金で、簡明な新規金融機関(余資運用=預金専業・投信ファンド、貸
付・投融資専業、送金・決済専門、総合証券銀行業等)を作って出直
す方が、中長期的見地から日本再生に貢献すると確信します。


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