532.革新社会構築について



環境やエネルギーの発展などの革新的な技術社会を作るためには、
どうすればいいかを検討しよう。Tより

技術には、大きく分けて電気的な技術と機械的な技術、医学的技術
、化学的技術などの理系の技術と文系的な分野である社会的な技術
がある。

20世紀に発展したのは、理系の技術であり、その発達により世界
が狭くなってきたのです。20世紀前半は機械技術で、20世紀後
半は電気技術で、20世紀から21世紀に掛けての時期は、インタ
ーネットやコンピュータなどによる情報技術が発展した。しかし、
一方では日本経済の低迷でも有効な対処案が出てこないというよう
に社会的な技術は停滞している。

しかし、その停滞した社会的技術でも、金融工学のようにこの10
年で飛躍的にその有効性を増した分野もあるのですが、一部の社会
的な分野、特に投資分野に限られている。この分野は損得に関係が
あり、論理や統計的処理をする価値があると、思われたためでしょ
うね。一般的な社会的領域には、このような価値を見いださないた
め現時点でも遅れている。

しかし、複雑系の理論、知識創造の手法や知的構造の明確化により
多くの知を生み出す方法が出てきているが、まだ一部の人たちが、
QCというような分野で活用しているだけである。これからは、こ
のような知識工学や金融工学などと共に、要素技術の異分野への活
用とか、要素技術の組み合せなどと、需要の有りかを明確化して、
進むしかないようだ。この新分野への開拓がなく、コスト競争に陥
り、デフレが蔓延しているのと、日本の工場を閉鎖して中国の工場
にドンドンシフトしているようです。

それと、今までの技術の単なる組み合わせであると、直ぐに真似さ
れてしまい、長くは価格を維持できない。このことも日本国内の競
争性と中国という安いコスト国を近傍に抱えている日本の問題点で
しょうね。

IPV6やエネルギーの応用分野は多くあると思うが、この要素技
術の研究も重要ですが最先端の要素技術の組み合わせも重要である
し、その応用分野の裾野を広げる必要もあるのでしょうね。このよ
うな広汎な技術を知りえるのは、本当は国家の研究機関なのでしょ
うが、現実はそうなっていない。民間の研究機関が新製品として、
最先端の要素技術を開発することが多いように思う。これは、日本
の特徴のようです。

中国は国立大学の教授が自分の会社を作り、そこで研究結果の製品
を商売している。中には、いいものもあり、中国は共産国家とは違
う仕組みにあると思うことが多い。
日本の方が、共産国家のような形態で、自由に会社を作ることがで
きない。中国は米国の真似をした結果、そのようになっているので
しょうね。日本の制度より中国の方が自由度が高いようです。

それと、日本の大企業の片隅でいい研究が多いのですが、これが日の
目を見ない。研究者の質もいいが恵まれていない。そして、この革
新的な要素技術が評価されていない。どうすれば、このような革新
的技術が日の目を見させられるかが、日本の最大の問題でしょうね。

大企業の構造改革も必要なように思うし、技術的ベンチャーを日本
も育成するために、大学の開放が必要でしょうね。しかし、技術は
短期間にできるものではないので、要素技術はこれからも、大会社
の片隅で行われることになるのでしょうね。しかし、要素技術だけ
では、市場が見えないため、その要素技術を市場化することが必要
になるのです。この部分は、広い視野を持っているコンサルタント
が必要で、要素技術開発者はそのようなスキルはない。この組み合
わせを必要としているのでしょうね。

異業種の技術者や営業が一同に集まり、議論する必要があるのでし
ょうね。この中に、社会系の先生やスキル者がいると面白い。
そして、なるべく閉ざされた人たちでやる必要があるようだ。真似
されると、価格が直ぐに下降してしまうために。


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