507.地域開発の考え方



いろいろな人から、地方の振興はどうすればいいのかと聞かれる。
このため、今、手がけている地域開発の考え方をここで検討したい。
                           Fより

ある地域の再開発を手がけているが、この考え方を整理する。
日本の工場がリニューアル時期に来ている。戦後高度成長期にでき
た工場が多いが、もうすでに40年以上が経っているのだ。
そして、今、この工場の移転か立て直しかを考えているようだが、
海外に工場を移転する動きも顕在化している。この海外移転の動き
をこのままにすると、日本全体の活力は落ちることになる。
一方、日本のベンチャーには力がない。特殊な技術がなく、ただア
イデアだけというものが多い。それに比べると、既存の工場・工芸
技術者や職人には高技術を持っている人たちが多い。

このため、日本はベンチャーが活性化するのではなく、このような
高技術を持っている既存の職人・技術者やその製品を活性化するこ
とが重要のようだ。この視点が今まではないように思う。

それでは、この既存の産業は何が問題なのであろうか??
まず、情報装備ができていないことと、どう作るかの技術はあるが
、この技術による新しい商品のアイデアと市場がわからないため、
宝の持ち腐れを起こしていることである。日本の特許は米国の2倍
もあるのであるが、有効に活用されていない。また、技術開発・研
究は人が重要な要因であり、優秀な技術開発者になるためには、能
力と経験が必要であり、大学卒業し立ての若者では無理がある。
しかし、この事業化計画の方は、理論と情報を集めれば、ある程度
の見通しが着く。こちらは、大学卒業程度の若者でもできる。

この工場のIT化とWHATの明確化が今後の日本の活性化に貢献
するのであろう。IT化によるベンチャーは、中国やインドでも米
国でも可能であるが、物理法則が絡む、高度な機械や高度材料の分
野は、今までの経験やクレーム、そして、部品産業の広いすそ野が
必要である。この裾野を日本は持っている。この力を活用するしか
ない。その上にITでの情報装備化すして、生産性を向上させる方
向であろう。

米国等のシリコン・バレーやシリコン・プレインに対し、日本はア
イアン・バレーやエレクトロ・バレーもしくはファクトリー・バレ
ーを作る方がいいようである。技術を既存企業が行い、、事業化や
IT化をコンサルタントや地方大学の産学協同で行うということが
日本に馴染むのではないがろうか??
そして、地方は昔からの伝統的な製品や工芸と持っている。このリ
ニューアルが新しい産業を起こす可能性が高いようだ。

情報化は、既存の工場にも大きな生産性向上をもたらすことになる
。IPv6により、その面が大きくクローズアップするはずである
が、日本や世界の技術者や研究者は家電に寄りすぎているように思
う。工場の生産や保守こそ、この大きな生産性の向上ができるとい
う影響があるのです。

そして、もう1つ、今までの1次産業、2次産業、3次産業という
産業区分を変更するほうがいいのではないかと、高橋さんが言って
いるが私もそう思う。物の自然物か人工物かが1軸、情報化の程度
が2軸、人間の感じ方を3軸の3次元に分けて考えることが必要で
あろう。こうすれは、伝統技術や既存産業のノウハウの活用する視
点が開けることになる。WHATやHOWを考えることのできる。
生産や保守の簡易化もアイデアとして持てることになる。

それと、世の中の動向、技術の方向に合わせた商品開発が望まれる。
これはエネルギー関係、ナノテク、ロボットや生命科学が新分野と
して確立しそうであるので、その技術と組み合わせて持っている技
術の可能性を探ることがその要点であろう。

どちらにしても、日本流シリコン・バレーを作り、地方の活性化を
図るべきだ。このためには、大学との産学協同や既存企業のIT化
、新視点の開発によるWHATが必要である。


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