502−2.ロシアの動向



3月25日に開始した日ロ首脳会議は、ロシアからの2島返還明記
とした1956年日ソ共同宣言を有効との確認を得た。
今まで、日米新安保条約に反発したソ連が60年代に2島引渡し
拒否から以降、だれも言わなかったことであるのですから、有意義
だと思います。

しかし、なぜロシアは、対日政策を変更したのであろうか??
私は米国の対応が厳しいことによりロシアの外交は、その対応をし
ているように感じる。対象はEUと日本。
ブッシュ政権は、冷戦構造に逆戻りしたようだとロシアの首脳が感
じるのは事実、50人の外交官の国外退去により、その観を強めた
ようだ。そして、ロシアはシベリアの天然ガス開発という日本が組
みたくなるような案件がある。

日本はロシアとの会談においても、米国のNMDに対し、米ロの話
し合いと曖昧にした。この対応は米ロの等距離外交になる可能性を
ロシアに感じさせた可能性がある。EUは下記記事に出ているが、
ロシアは大きな期待をしているようだ。
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ロシアのプーチン大統領、西欧世論にいらだち

 ロシアのプーチン大統領は9日、サンクトペテルブルクでシュレ
ーダー独首相とともに出席した公開討論で、2国間の国民感情につ
いて「西欧の多くの人の意識にはまだ冷戦が生きている。不確かな
情報が時折否定的な結果をもたらす」と語った。

 プーチン大統領は先月下旬の欧州連合(EU)首脳会議に続き、
今回の独ロ首脳会談でも欧州重視の外交を内外に印象づけようとし
ている。親欧姿勢を強調し、対ロ強硬姿勢をとる米国ブッシュ政権
をけん制する狙いだ。欧州各国の政府にとっても、EU拡大を進め
る上でロシアとの良好な関係は欠かせない。

 西欧にはチェチェン攻撃などでプーチン大統領への警戒心が根強
い。最近ではロシア政府系企業が民間の「独立テレビ」の株主総会
を強行し経営を乗っ取った問題で「言論弾圧」批判が起きた。大統
領はこうした西欧世論にいら立ちを隠せなかったようだ。


 同じ討論でシュレーダー首相は「強いロシア」を支持する一方、
ドイツの国内世論を意識しつつ「そのためには市民社会の建設と、
権力をチェックするマスメディアが必要だ」。プーチン大統領はこ
れを受け、あくまで「独立テレビ問題は株主の問題」だとの姿勢を
強調し、「私には(仲裁のため)介入する権利はない」と話した。
(16:09) 
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ロシア外相、米国との溝の深さ強調
 ロシアのイワノフ外相は13日の下院外交委員会で、今後の対米
関係について「両国の立場に深刻な違いがあり、対話は単純ではな
い」と語った。前日のパウエル米国務長官とのパリ会談で決まった
同外相の訪米に対する楽観的な見方を否定したものだ。

 イワノフ外相は、5月中旬とみられる訪米に関連し、「討議が複
雑になることは十分承知している」と発言。米本土ミサイル防衛(
NMD)構想や戦略兵器削減交渉をめぐる米ロの溝の深さを指摘し
た。

 クレバノフ副首相は13日、モスクワで開かれていた宇宙の平和
利用に関する国際会議の閉幕会見で、「米国がNMDを配備すれば
ロシアは安価で効率のよい対抗措置をとる」と述べた。

 この会議はプーチン大統領が昨年9月の国連ミレニアム・サミッ
トで開催を呼びかけたもので、100カ国以上の団体が参加したが
、米国は公式代表団の派遣を見送った。

 ロシア外務省幹部は米国の不参加について「米政府は会議を反
NMD運動のひとつとみている」と不満を表明した。(01:34) 


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