490−1.ドイツの東欧展開



EUが米国と違った道を歩み始めたので、その動向を検討する。F

EUが米国から離脱した最初の事件が、ユーゴからスロベニアと
クロアチアを独立させたことです。その後、NATO軍によるボス
ニアやコソボの支援。この裏にもドイツがいるのです。スロベニア
はドイツ語圏ですから、ユーゴからの独立をさせたかったのでしょ
う。ナチス時代もドイツ民族の大団結をするために、オーストリア
併合、チェコのスデーデン地方の分割と、ドイツ民族を取り込んで
、最後にはポーランドのドイツ民族を取り込むために宣戦布告して
、第2次世界大戦になってしまったのですが、それを、EUという
枠組みを使って、現在その実現を図っていると見ると、面白いこと
になります。その1つがスロベニアの独立だったわけです。

ドイツは、武力で実現できなかった大ドイツの実現を平和裡に実現
する可能性が高いのです。ナチスのヒットラーができなかったドイ
ツの実現。それは、EUにチェコ、スロバキア、ポーランド、リト
アニア、ラトビアやスロベニアが加盟すれば、EUと東欧展開にな
り、かつドイツ民族の大団結になるのです。

ドイツ民族は、中欧から東欧一帯に古い時代から広く分布している
ため、日本民族のような集中性がないのです。これはバルカン半島
と同様な状態で、その地域で一番多い民族がその国家を作っている
ので、大ドイツ実現というと、今までは戦争になったのです。
現在も、大アルバニアというと、周辺国家にいるアルバニア人が行
動して、紛争になるのです。

これを、ドイツは経済的な支援により、東欧の国家を助け、かつ
EUという民族的な共同体ではなく、地域共同体として、別の枠組
みにより実現しようとしているようなのです。昔の帝国と同様な地
域的を持つことになるようです。帝国の復活でしょうね。民族国家
を乗り越えることになるのです。

EU内部でのフランスとドイツの権力闘争は、東欧展開すると、
その比重がドイツに有利になるため、その面からも東欧展開で、ド
イツは1石2鳥の効果があるのです。

そして、ドイツを中心としたEUは次の時代を主張し始めたように
思うのです。それが地球環境問題などの持続的な開発をどうするの
か?民族自結ではなく、地球人類が長く生き残るためにはどうする
かを問うことをしている。

これに比べて、日本の現状はどうしようもないほど、戦略も指導原
理もない。ドイツの真似をする必要はないが、日本も長期戦略を立
てる必要性があるのでしょうね。


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