489−2.米国外交の変容



50人ものロシアの外交官を国外追放した米国はどうするのか?
さらに、中国の技術者の逮捕で中国とも問題が起きている。Fより

米国のカタ的な外交姿勢が出てきている。いままでのクリントン政
権は共産主義国に甘かったのですが、タカ的対応と違いが大きいた
め中国とロシアが面食らっているように見える。この結果は中国と
ロシアの同盟確立し、新冷戦になる可能性が高まっていくように思
う。そして、ロシアは、欧州連合に擦り寄る可能性があり、欧米の
関係がギクシャクしてくる可能性が高い。EUは東方拡大をしてい
るため、ロシアと今問題を起こしたくない。拡大EUができると、
米国についで第2位の経済大国になり、アジア外交でもEUは出て
くる可能性がある。米国の進出が遅れた中国のように北朝鮮に工場
を建てるのではないか??

もう1つ、米中機の事故で、中国と米国が溝を深める可能性がある。
中国海岸線に米国艦艇を多数、出動させたようなのですが、この動
向も、日本に近いだけあり、関心を持って推移を見守る必要があり
そうです。

それと、韓国との外交政策が不一致であるため、日米韓の3者協議
で韓国がどうですかが興味ある所となる。もし、米国の政策と違っ
て、太陽政策を実行すると、分裂が顕著化することになる。この時
欧州に韓国が助けを求めると、欧米の関係がここでも、おかしくな
る。日本は基本的に米国との同盟をキープする姿勢を堅持する必要
がある。米国の世界に対する指導力が、欧州連合の方向と違うため
、問題を起こすことになりそうである。

米国的な自由競争、市場絶対主義も全体的に綻び始めている。IT
革命やニューエコノミーとの掛け声も、疑問符が着き始めている。
特に、ニュージーランドは公共事業の過度な民営化から、逆戻りし
始めている。現在、民営化した鉄道の国有化を進めている。最低限
の国民サービスは、国営化するしかないとの結論になったようだ。
この過度な競争の結果は、米国でも航空業界の寡占化になって、
航空運賃の値上げが頻発している。このような状況にあるため、
米国が世界と指導していた原理が崩れているのが、指導力を弱めて
いるもう1つの原因になっているのであるが。
これは、米国も分かっているために、新指導原理として、再度イデ
オロギーを持ってくることになる。人権とか自由とか。しかし、
その根本は、米国の世界指導原理の確立であることを知るべきであ
ろう。

もう1つ、米国のブッシュ政権の中に、意見の相違があるように思
う。ライス教授の論文と現状のブッシュ政権での行動とは、違う。
どうも、パウエル国務長官とライス補佐官のグループとチェイニー
副大統領のグループでは意見が違うようだ。チェイニーは、タカ派
軍人強硬派の代弁者になっているように思う。

欧州は、米国に変わって、世界的に指導力の確保を図るようである
が、どうも欧州の世界指導原理は環境問題のようですね。米国がエ
ネルギー政策のために京都議定書をボイコットした影響が拡散して
いるようです。YSさんからの情報。
==============================
(1)マスコミ、タカ派なブッシュ外交に反応  GWRより
■関与から強硬へ:ブッシュ政権は21日、駐米ロシア外交官6人に
即刻国外追放令、40人余に国外退去命令を発令した。この動きは、
2月に発覚した、連邦捜査局(FBI)元捜査官が15年間もロシアのた
めにスパイ活動をしていたという一件への対応とされている。規模
としては、1986年のレーガン大統領によるソ連外交官国外退去令に
次ぐものだ。この大規模さも手伝って、本件は全米各紙の1面トッ
プを飾った。
 また本件を境に、新聞・雑誌には見出しに「tough(強硬な)」
「hawkish(タカ派的な)」「flintier(より冷酷無情な)」といっ
た形容詞を使ってブッシュ外交を分析する記事が増え始めた。これ
らの記事は全て、・対ロシア政策:クリントン前政権の関与政策か
ら強硬政策に変更・対中国政策:位置付けを「戦略的パートナー」
から「戦略的競争相手」に変更・対北朝鮮政策:韓国の「太陽政策
」支持から北朝鮮不信態度への変更などを論拠に、新政権は旧・現
共産主義国への態度を硬化しつつあると警告調に論じている
(23日付けワシントン・ポスト、クリスチャン・サイエンス・モニ
ター、25日付けアトランタ・ジャーナル、4月2日号タイム、USニ
ュース&ワールド・レポート)。
 このような前政権からの明らかな方針変更の背後にあるのは、
「現実主義」とワシントン・ポスト(23日付け)は伝える。同記事
によると、ホワイトハウスのフライシャー報道官は外交政策に関す
る記者会見で、「政府は、対外関係への対処は新たな『現実主義
(realism)』を採用している」と述べ、「現実(real)」という言
葉のバリエーションを合計12回使ったという。ロシア専門家はこれ
を、「新政権は強硬路線をとるつもりで、それを明確にしたいとの
意向の現れ」と受け止めている。
■外部で不安高まる:外交専門家の中には、「ブッシュ大統領は、
クリントン前大統領と距離を離したいだけ」と受け流している者も
いるという(同日付け同紙)が、リベラル派のロサンジェルス・タ
イムズ(27日付け)は、このようなブッシュ政権の強硬路線に不安
を感じる外交政策アナリストのコメントを集めた記事を1面から掲
載した。同紙は、彼らが最近、北朝鮮への外交イニシアチブを再開
するようブッシュ大統領に文書で要請した件にも言及し、「ポスト
冷戦時代を形成してきた重要な国際問題のイニシアチブをめちゃく
ちゃにするのではないか」と懸念を示す。
 米政府の路線急転回に懸念を示すのは国内のアナリストだけでは
ない。首脳会談を行なっていた欧州連合(EU)は24日、北朝鮮に特
使を派遣すると発表した。ヨーロッパの首脳たちは、ブッシュ政権
が対北朝鮮政策の見直しに時間をかけると同時に、和平プロセスか
ら当面は撤退する方針であることを受け、「朝鮮半島問題への対応
遅延を埋め合わせるような新しい大胆なイニシアチブが必要である
」との見解で全員が一致したという(24日付けワシントン・ポスト)
。これまでは、アメリカの手前、アジアの問題にはなるべく口を出
さないようにしてきたヨーロッパが具体的行動に入ることで、欧米
関係の勢力バランスおよびアジアにおける欧米の勢力図が変わりそ
うな気配だ。ニューヨーク・タイムズ(26日付け)も「ヨーロッパ
とブッシュ:注意すべき暗雲の始まり」と題した分析記事で、両者
の関係が新しい段階に入りそうな予感を醸し出している。
 ブッシュ政権が強硬路線をとることはある程度予想されていたこ
とで、上記のようなマスコミ報道は、リベラル派の過剰反応という
印象がある。
クリントン前政権時代にもタカ派共和党の動きを受けて一時騒がれ
た、「孤立化」「保護主義」という言葉が使われていないだけ、ま
だ反応は穏やかと言えるが。だが今後、ヨーロッパやロシア、中国
など各国とアメリカの間での摩擦・衝突がより顕著になり始めると
、リベラル派メディアを中心にブッシュ外交を疑問視する声が一気
に高まりそうだ。
==============================
イージス艦売却は米中関係を傷つける 江主席、米に警告  
 中国の江沢民国家主席は24日付ワシントン・ポスト紙に掲載さ
れたインタビューで、「米国が台湾にイージス艦のような先進兵器
を売却すれば、中米関係を大きく傷つけるだろう」と警告した。江
主席は「(台湾に)武器を売れば売るほど、我々は国防に備える」
とし、兵器売却には軍備拡大で応じる考えを示した。
 ただし江主席は、「最大の発展途上国」である中国と「最も進ん
でいる資本主義国」の米国は、協調すべきだと主張。銭副首相の訪
米でブッシュ政権と米中対話を始めたのも、「相互理解のために我
々が発案したこと」とし、「違いを乗り越えて共通の基盤を模索す
べきだ」と良好な関係を築くよう訴えた。

 江主席はブッシュ米大統領が所属する共和党の方に民主党よりも
「友人」が多い、と指摘。ニクソン元大統領、キッシンジャー元国
務長官らの名を挙げ、中国と関係が深かったブッシュ元大統領につ
いては「(息子の)ブッシュ現大統領に米中関係を新たな段階に進
めるよう働きかけるだろう」と期待感を示した。(3/2501:16asahi) 
==============================
政治・経済(日経) 
京都議定書、米抜きの発効検討・EU環境相理が開幕 
 【キルナ(スウェーデン北部)31日=品田卓】地球温暖化防止条
約に基づく京都議定書から米政府が事実上離脱する方針を表明した
ことを受け、欧州連合(EU)の環境相理事会が30日夜(日本時間
31日未明)、スウェーデンのキルナで開幕した。議長国スウェーデ
ンのラーション環境相は日本経済新聞記者に「米国抜きの京都議定
書の発効は現実的な選択肢だ」と述べ、環境相理で検討する考えを
明らかにした。米政府の離脱の意志が固いとみられるためで、環境
対策を重視するEUは大きな決断を迫られそうだ。 

 環境相理は4月1日まで。温暖化防止会議の議長国オランダのプ
ロンク環境相もワシントンでの米政権との会談を終え、30日夕、キ
ルナに到着した。30日は夕食会だけで、31日から実質討議が始まる
。ラーション環境相は30日、米政府の離脱表明について「我々は非
常に憂慮している。世界中がそう思っているだろう」と述べ、米側
を批判した。開幕のレセプションに参加した15カ国の環境相や政府
高官の間では米政府への失望感、批判や今後のシナリオに対する懸
念の声が相次いだ。 
==============================
乗員との面会要求を中国が拒否 米中機接触事故
 南シナ海上空で米海軍の電子偵察機EP3と中国軍のF8戦闘機
が接触した事故で、在北京米国大使館の駐在武官らは2日、中国南
部の海南島入りして、緊急着陸した米軍機と乗員の引き渡しを中国
当局に求めたが、乗員との面会を拒否された。米国側は中国側の対
応を批判しているが、中国側は公式の反応を控えている。

 駐在武官らは2日午後、海南省の三亜市に到着。乗員24人との
面会を求めたが、断られたという。プリアー米大使は「受け入れが
たい」と批判した。
 中国外務省によると、海に墜落した中国軍機の乗員捜索は2日、
船舶11隻で続いているという。
(01:00) 

コラム目次に戻る
トップページに戻る