489−1.米国エネルギー政策



カリフォルニア州の電力危機から米国エネルギー政策は変化してい
る。この様子を検討しよう。  Fより

カリフォリニア州では電力料金が値上げされ、かつ計画的な停電も
現実的に行われている。新しい火力発電所を州政府が作ることにな
っている。州政府が自由化で電力料金の値下げを意図したが、結果
は、電力料金の大幅な値上げと、電力供給の不足ということになっ
てしまった。米国はガソリンにも税金がかかっていないため、エネ
ルギーが他の欧州や日本に比べ安い。この米国でさえ、エネルギー
が不足して、値段が急上昇したのですから、この対策を打たないと
政権も持たない。

ブッシュ政権は、石油企業をバックにしているため、火力発電所の
建設を促進するために、京都議定書を破棄したが、それでもエネル
ギー不足になると原子力も促進することになったようだ。
原子力発電は、フランスが積極的に導入しているが、ドイツを初め
各国は廃止の方向になっていた。日本も新しい原子力発電所は、立
たないような世論の動きであったが、米国が新発電所を作ると、
動向に変化が起こる可能性がある。

もう1つ、京都議定書破棄は、米国外交に大きな汚点を残すことに
なるでしょうね。米国は欧州と、NMD問題やコソボ等の問題で、
この頃ギクシャクした関係になっている。この状態は、両大国、地
域の関係を悪くする。その影響が心配ですね。また、CO2の1/4
が米国から排出されるのですから、この破棄は大きなインパクトを
与えることになる。議長国の日本はどう行動するかが問われている
のです。この問題では欧州と同歩調を取るしかないように思うが。

そして、米国は風力発電、太陽光発電などにも真剣に取り組んでい
るが、今は、まだ従来のエネルギーに頼るしかないと思っているよ
うである。欧州は、事情が違うようで、風力発電が主流になる可能
性がある。風力発電コストが1kwh=4円程度と安い。原子力は
住民対策費を含めると1kWH=10円程度と高くなる。水力は
1kwh=4円。火力が1kwh=6円で、これは日本だからで、
米国では原子力は6円以下になるようだ。
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      京都議定書と原発           YS
 「米を京都議定書の枠組みに」(日経新聞) 
「京都議定書 EUと組んで米国説得を」(毎日新聞) 
「認められない米国の離脱」(産経新聞) 
「我を通す米の説得を」(東京新聞) 
「京都議定書離脱/アメリカに再考求める」 (神戸新聞) 
「<射程> ”環境版冷戦”の始まり?」(熊本日日新聞社) 
「社説=温暖化対策 米国の離脱は許されぬ」(信濃毎日新聞) 
「京都議定書/米の離脱表明に翻意迫れ」(河北新報社) 
「京都議定書/10年の努力を無駄にするな」(北日本新聞) 

米京都議定書離脱問題で3月29日より一斉に社説が掲載された。
上はネット上で入手できる社説の一部である。 
欧州メディアが非常に厳しい論調をしているのに対して 
総じて説得路線を主張した内容となっている。 

この中で、比較的異色の論説がある。 
「認められない米国の離脱」(産経)であるが、タイトルと内容が
どうも一致しないものとなっておりなかなか楽しめるのである。 
少し引用させていただこう。 

『ブッシュ政権はエネルギー政策の見直しを進めているが、京都議
定書に代わる新たな地球温暖化防止策を示す責任がある。それに関
連してチェイニー副大統領がテレビ番組で「欠陥が多い京都議定書
より原発建設の方がよい解決策だ」と述べたことは、スリーマイル
島原発事故以来二十年以上も原発の新規着工を見送っている米国の
現状からすると評価できる。議定書の発効に黄信号がついたが、
地球温暖化防止が世界の緊急課題であることに変わりはない。この
発言は、化石燃料依存からの脱却には原子力エネルギーが有力な選
択肢であることを示している。乾いたタオルを絞るとまでいわれる
日本の省エネ努力を考えると事情は同じではないだろうか。』 

読売とともにこれまで原子力発電推進の立場をとってきた産経なら
では論説となっておりなかなか読み応えがある。昨年より読売の方
向転換姿勢が目立ってきているだけに、産経のこだわりが読みとれ
る内容となっている。 

このチェイニー副大統領は、諮問委員会「エネルギー政策開発グル
ープ」を設置しており、そのメンバーとして原子力業界と深いつな
がりを持つエネルギー省高官のジョー・ケリハーを中心に原子力ロ
ビイストが参加しており、彼らの努力と今回の加州電力危機のおか
げで、チェイニーの原発見直し発言につながっている。 

ブッシュ政権では気候変動政策の見直し作業を進めており、7月の
ドイツ・ボンで開催される京都議定書の発効に向けた気候変動枠組
み条約第6回締約国会議には新提案を行うことを発表しており、
加州電力危機が長期化する気配を見せている中で、原発推進政策が
盛り込まれることも予測される。 

原発を楯に日欧エスタブリッシュメントに結集を呼びかけることも
可能であろう。さてNGOはどう動く? 

これも長く続いてきた歴史の一部である。産業革命以後、歴史認識
の概念もより多面的かつ複雑化している。どこにスポットライトを
あてるかによって見方は当然変わってくる。すべてが正しく、そし
てすべてが誤りであるのかもしれない。 
(続き)
タイミングを図っていたようですね。 
エクセロンはComEd、PECO Energy Company,、Gencoなどの持ち株会
社。取締役会や株主構成を見るとARCOとの関係が深い。 
現在ARCOは、BP Amocoの傘下にある。 
BP Amocoは、ウランを実質支配するRio Tintoグループと非常に近い
関係にある。 
BP Amoco、Rio Tinto。結局ロスチャイルドか。。。 
エンロンも実はロスチャイルドグループとの連携を強めている。 

The Rt Hon Lord Wakehamは、ロスチャイルドとエンロンを結びつ
ける超大物です。 
日経の記事「原発建設、米で申請再開へ・電力大手が安全性高い炉
採用で」に『エクセロンは約750万ドルを投じて南アフリカ共和国で
同国国有電力会社や英核燃料会社と実験炉計画を進めており、並行
して米国での認可申請準備をする。 
米エネルギー省やNRCも新型炉を有望とみており、順調にいけば
2006年に運転開始が可能という。』 
とありますが、この南アフリカに注目です。下に行けば理由がわか
ると思いますよ。 
South Africa Foundation 
http://www.safoundation.org.za/fhome.html 

そうなるとあらかじめシナリオが用意されているな。 
キッシンジャーが中国を訪問していたのは前準備か。 
J.P. Morgan Chase & Co.の誕生の意味がここにある。 

長年調べてきたんですが、どうやらキッシンジャーさんはロックフ
ェラーグループとロスチャイルドグループの接点になっているのは
事実のようです。 

The Hon. Henry A. Kissinger 

Dr. Kissinger has served as Chairman of Kissinger Associates
 Inc., an international consulting firm, since 1982. 
Dr. Kissinger served as the 56th Secretary of State from 1973
 to 1977. He also served as Assistant to the President for 
National Security Affairs from 1969 to 1975 and as a member 
of the President's Foreign Intelligence Advisory Board from 
1984 to 1990. Dr. Kissinger served as a director of American 
Express Company from 1986 to 1996 and currently serves as 
Advisor to the Board of Directors of American Express Company,
 Counselor to the Chase Manhattan Bank and as a member of its
 International Advisory Committee, as Chairman of the 
International Advisory Board of American International Group,
 Inc., and as a Director of Continental Grain Company, 
Revlon Inc., Gulfstream Aerospace Corporation,. and 
Freeport-McMoRan Copper and Gold Inc., all of which are United
 States public reporting companies. Dr. Kissinger also serves 
as a Senior Advisor on the Company's International Advisory Board. 

Freeport-McMoRan Copper and Gold Incにまず注目しましょう。 
http://yahoo.marketguide.com/mgi/biograph.asp?rt=biograph&rn=3579N 
(上のYAHOOは結構使えますよ) 

Clifford, R. Leigh, 、 Groeneveld, Oscar Y.、の二人がRio Tinto
から参加しています。実際子会社みたいな存在になっているのですが
。。チェースはご存じのとうりロックフェラー銀行です。 
ここで見事に結合しているのです。 

「メディアも同じ。おそらくどこも書けないだろうな。」とした理由
は、Hollinger International Inc.にあります。 

1 http://www.hollinger.com/ 
2 ANNUAL REPORTを開く 
3 1999年版を戴く 
4 64ページから66ページに直行する 

ブレジンスキー、キャリントン、キッシンジャー、サッチャー、
アニェリ、フェルドスタイン、ギングリッチ、ロスチャイルド、
ストロウス、ボルカーのお名前が同じページで拝見できるはずです。 

先日のキッシンジャーの中国訪問は、実際にはAmerican 
International Groupのお仕事でしょうね。ただし今回の京都議定書
離脱問題に対する中国側の対応を見ると、どうもそれだけとは思えな
い。
米の原子力復帰は、ドイツ、北欧、日本そして台湾あたりも刺激する
でしょう。このあたりに彼らの戦略が見え隠れしているように思うの
です。 
おそらくキッシンジャーはその中心にいるはずです。

ところで雑誌WEDGE4月号の「電力自由化で直面する地方電力
3つの危機」にて、エンロンによる四国電力買収の記事があり簡単
に紹介します。 
別のルートから同じような噂は入っていたのですが、記事になった
のは初めてではないかと思います。 

以下要約 
エンロンが動いたのは1999年夏、米国流の合理化策の導入によ
る収益確保と買収コストが割安だったため勝算ありと判断したよう
だ。当時の通産省は慌てふためいたようだが、結局見送られること
になった。この理由が総発電量の3分の1を占める原子力発電所の
問題であった。 
原発は、米電力業界では事故の危険性、立地住民への対応、廃炉作
業まで含めるとハイリスク、ハイコスト電源との見方が強く、四国
電力買収により原発のリスクを抱え込むことを避けて買収計画を撤
回したとのことである。 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 
ちなみに上の記事は関係者の間で封印されたようですが、今回の米
京都議定書離脱問題で日本では考えられないような思い切った記事
が掲載されましたので興味のある方はご覧下さい。 

The President who bought power and sold the world 
http://www.observer.co.uk/international/story/0,6903,466615,00.html 

最新情報

2001年4月2日(月) 14時17分 
各界の著名人、米大統領に温室効果ガス排出削減対策求める(ロイ
ター)
[ニューヨーク 1日 ロイター] ゴルバチョフ旧ソ連大統領や米俳
優ハリソン・フォード氏ら著名人10人が、ブッシュ大統領に対する
公開書簡で、温室効果ガスの排出削減計画を推進するよう要請する。 
タイム誌が明らかにした。 
同書簡は、先にブッシュ政権が温室効果ガス削減を目指した京都議
定書からの事実上の離脱を示唆したことを受け、2日発売の同誌で
公開される。 
ブッシュ大統領は、実施にかかる費用が効果を上回るとの理由から
、クリントン前大統領が1998年に署名した同議定書に反対する
立場を表明し、世界中から非難を受けていた。 
同書簡は、同議定書の内容に論議の余地があると認めた上で、「事
態は緊急を要しており、意見を一つにし、行動を起こす必要がある
」と訴えた。

■この著名人の中にGeorge Sorosも含まれているですよ。
う〜〜ん。予測がつかなくなってきた。
http://dailynews.yahoo.com/h/nm/20010401/ts/bush_time_dc_1.html

2001年4月2日(月) 14時39分 
グリーンピース、スコットランド沖で石油掘削装置を占拠(ロイター)
[ロンドン 2日 ロイター] 環境団体グリーンピースのメンバ
ー21人が1日、地球温暖化への抗議を目的に、スコットランド・
インバネス沖30キロに位置する洋上石油掘削装置(リグ)を占拠
した。同団体が明らかにした。 
警察によると、メンバーのうち12人は既に逮捕されたが、残り9
人が依然リグに留まっている。 
このリグは米国の石油大手JET社の所有。 
事件の詳細は明らかにされていないが、警察の広報担当者は、リグ
に留まった9人やリグの従業員、警察官らの安全が最優先としてい
る。 
グリーンピースは、温室効果をもたらすガスの排出規制を決めた
京都議定書(1997年)についてブッシュ米大統領が不支持を表
明して以来、初の主要な抗議活動に乗り出している。 

■石油大手JET社はConocoの子会社です。
なぜConocoを狙ったんでしょうね。
昨日入れた↓にヒントがあります。
http://www.observer.co.uk/international/story/0,6903,466615,00.html
ところでConocoの取締役会にはWilliam K. Reillyがいるんですが、
この人パンダのマークで有名な世界最大の自然保護団体World Wildlife Fund International
(WWF)の理事さんでUS: World Wildlife Fundの会長さんなんですね。
http://www.worldwildlife.org/defaultsection.cfm?sectionid=15&newspaperid=15&contentid=680

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001/03/31−06:53  
 温暖化防止、新たな形で協力=京都議定書は非現実的―米国務次官 
  【ワシントン30日時事】ラーソン米国務次官は30日、地球
温暖化防止問題に関する申し入れに訪れた柳井俊二駐米大使に対し
、「京都議定書は不公平で非現実的なものだ」と指摘した上で、米
政府の今後の対応について「温暖化防止政策の見直しを終え次第、
国内対策に取り組むとともに、国際的に新たな形の協力をしていき
たい」と述べた。 
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米政府、原発推進へ転換・加州電力危機で見直し
 【ワシントン28日=安藤淳】米政府は4月にも発表する国家エネ
ルギー政策に、原子力発電の利用推進を盛り込む。米国では1979年
のスリーマイル島事故以来、新規の原発建設はないが、政府はカリ
フォルニア州のような電力危機の拡大を防ぐにはエネルギー源の多
様化が不可欠と判断。なかでも原発の役割を再評価し、従来の慎重
姿勢から前向きに利用増を検討する路線に転換する。 
 チェイニー副大統領は原発推進を求めるドメニチ上院議員(共和
党、ニューメキシコ州)ら有力議員に対し、国家エネルギー政策で
原発を重要なエネルギー源に位置付ける考えを伝えた。エーブラハ
ム・エネルギー長官も、石炭などと並ぶ有力エネルギー源として原
発をあげている。 

 米国では104基の原発が営業認可を受けており、電力需要の22%を
担っているが、昨年来、次々に40年の認可期限を迎えている。米原
子力規制委員会(NRC)は過去1年間で5基の20年間の期限延長
を認めたが、このままでは作業が間に合わなくなる可能性もあり、
政府は手続きの迅速化をめざす。
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原発建設、米で申請再開へ
 【ワシントン31日=安藤淳】米電力大手エクセロン(イリノイ州
)は、新型原子炉の米国での建設認可を来年にも原子力規制委員会
(NRC)に申請する。燃料棒の代わりに球状に加工した燃料を使
う低出力の炉を必要に応じて数基組み合わせて配置する方式を採用
し、安全性を高める。ブッシュ政権はエネルギー源多様化の一環と
して原発を重視しており、認可を得やすい環境が整いつつある。
建設が実現すれば、1979年のスリーマイル島事故以来初めての原発
の新規建設となる。 
 新型原子炉の燃料はテニスボール大の球状で、二酸化ウランを
カーボンやシリコン材料で何重にも覆い、核分裂による放射性物質
が外に出ないように加工してある。出力約100メガ(1メガは100万
)ワットの単一炉に約30万個の燃料を使う。燃料は1600度の高温で
も壊れず、炉心溶融は原理的に起きないという。 
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米、締約国会議には参加 温暖化防止で新提案も  
 ラーソン米国務次官は30日、国務省で柳井俊二駐米大使と会談
し、7月にドイツのボンで開かれる気候変動枠組み条約締約国会議
(COP6)の再開会合に米国が参加すると伝えた。また、不支持
を表明した地球温暖化防止のための京都議定書に代わる、新たな提
案をする可能性も示唆した。
 柳井大使は、京都議定書不支持の再考を求める森喜朗首相から
ブッシュ米大統領あて親書を渡したうえで、「米国は途上国を含め
た枠組みが必要と主張し、経済への負担を懸念しているが、途上国
に働きかけるためにも、日本、米国、欧州の先進国が指導的役割を
担っていくことが重要だ」と申し入れた。

 ラーソン次官は「京都議定書の枠組みは主な途上国が参加してお
らず、経済に悪影響を与える不公平で非現実的なものだ。温暖化対
策は経済的で持続可能なものにすべきだ」と述べた。そのうえで「
現在進めている気候変動政策の見直しを終え次第、国内対策に取り
組むとともに、国際的に新たな形の協力をしていきたい」とした。
(21:50) 
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THE WORLD CAN'T WAIT FOR ANOTHER CLIMATE TREATY
The Worldwatch Institute responds to the Washington Post's 
March 28, 2001 story: "U.S Aims to Pull Out of Kyoto Pact" 

The U.S. administration's decision to abandon America's 
commitment to the Kyoto Protocol has created the most serious
 international environmental policy crisis in years, says 
President of the Worldwatch Institute, Christopher Flavin. 
Today's development puts at risk a decade of efforts to craft
 an agreement to protect the world from climate change. 

"The world cannot afford to wait for another climate protocol
 to be drafted," said Flavin. "The Kyoto Protocol isn't 
perfect - largely because of loopholes insisted on by the 
previous U.S. administration - but it's all that's standing 
between us and a future of more severe storms and rising sea 
levels. It is time for Europe and Japan to call the U.S. bluff
 and adopt the Kyoto Protocol, perhaps abandoning some of the
 problematic elements insisted on by the United States" 

The U.S. is a key player in the climate problem, accounting 
for one-quarter of global carbon dioxide emissions and nearly 
half of the increase in emissions since 1990, according to the
 Institute's latest figures. However, the best way to bring 
the U.S. into the climate treaty process at this point is for 
other countries to proceed with Kyoto, with the U.S. joining 
later when political circumstances have changed. 

Although President Bush has argued that the Kyoto Protocol 
could damage the economy, not implementing the treaty would 
actually be more damaging. Outside the U.S., many countries 
are moving rapidly to pursue a new generation of 21st century 
energy technologies such as fuel cells, wind turbines, and 
solar electric generators. The attempt by the Bush 
administration to return to reliance on coal, a dirty fuel 
that is a relic of the 19th century, would be a costly economic
 mistake. In the end, those countries that address climate 
change earliest will dominate the massive new energy technology
 markets of the new century-and create millions of jobs in the
 process. 

END 

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