472−1.朝鮮半島の動向



朝鮮半島の情勢が揺れているので検討しよう。  Fより
GWRの解説で尽きているが、北朝鮮の金正日委員長が、どう対応
するかが大きな問題になっている。米国の立場は明らか。北朝鮮の
ロケット開発や原子力の開発の中止による援助はしない。北朝鮮の世
界からの支援経済を壊し、北朝鮮体制の変革を求めること。しかし
、金大中韓国大統領は違う。北に援助して、平和を作ろうとしてい
る。このため、米韓会談は、両者の意見が大きく違っていた。

今後、北朝鮮が援助を期待できるのは、韓国しかなく、その面では
北朝鮮は経済開放を韓国にして、援助を引き出すしかないのでしょ
うね。北朝鮮はいままで米国と騙すと、日本も騙せると知ったが、
米国を騙せなくなったので、日本も騙せないことになった。韓国は
騙し続けるのでしょうか?それを承知で乗っている可能性はあるが。

韓国しか、援助をしてくれる国がなくなる可能性もある。ドイツも
1時積極的であったが、内情を新聞に出て、その後消極的になって
いる。北朝鮮の世界を騙す手法は盟主米国に見破られて、機能しな
くなってしまった。さあ、次の1手をどうするか?金正日さんの次
の1手は見物ですね。
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金正日の役職は「委員長」ではなく「総書記」だったと思いますが。
がんばってください。
                  神楽坂紅梅
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(Fのコメント)
金正日は、国防委員会委員長を正式な肩書きとしているので、総書
記はおかしい。また、そのような国家ポストもないのですから、日
本の新聞、報道はおかしいのです。さすがに韓国の新聞日本語版は
すべて、金正日のポストは国家国防委員会委員長になっている。
これが正しい。
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今後の朝鮮半島情勢          ふる@鶴川 
北朝鮮は、13日午後からソウルで開催される予定だった第5回南北閣
僚級会談が、突然の「不参加」通知で無期限延期となりました。 
 北朝鮮は、南北首脳会談以後、敵対的な放送・声明を控えていま
したが、韓米首脳会談後の今月11日から対韓国プロパガンダ放送で
ある「韓国民族民主戦線(民民戦)放送」を通して、「韓国は米国
の完全な植民地」という題名の「連続座談」を放送したそうです。 
  
 ボチボチ、ムード先行だった南北和解が瓦解してきたようです。
Fさん、金総書記のソウル訪問は怪しくなってきましたね。金総書
記の決断が、今後の朝鮮半島の運命を決めるような気がしてきまし
た。 

 金大中大統領としては、任期があと僅かですから「希望的観測式
太陽政策」を継続して北朝鮮の変化を願って南北統一への足掛かり
がほしいでしょうが、ブッシュ政権の断固かつ強硬な対応戦略で手
詰まりですから、北朝鮮の実質的な変化の証として、せめて金総書
記の訪韓と、願わくば北朝鮮の軍事力の削減を求めたいところでし
ょう。 
 一方、金総書記としては、体制の緊張感を緩めることは政権が瓦
解する恐れがあるので、安易に妥協したり自ら歩み寄ったりするこ
とはできない。 
 かと言って、北朝鮮が再び「瀬戸際政策」を取れば、米国との距
離は再び離れてしまうし、北朝鮮に対する韓国世論も冷え切ってし
まうため、最悪な国内状態ではどうしても援助が必要です。金総書
記はどう決断をするのでしょうか? 
 考えようによっては、「瀬戸際政策」を再びとって、日韓に緊張
感を与えて、ブッシュ政権の強硬姿勢を変化させる手も考えられま
すが・・・ 
  
 個人的見解ですが、どうころんでも北朝鮮の体制を維持しつつ
段階的に朝鮮半島を統一することは不可能に思えます。 
 韓国からすれば、東西ドイツの統一のように、突然、北朝鮮の体
制が崩壊して統一化することは、現状の経済状態では共倒れが目に
見えていますので、援助をして社会的基盤が確立して、緩やかな
民主体制に変化してからの統一が希望でしょうが、体制の緊張感が
あるからこそ北朝鮮が存在しているのですから、民主体制などへの
変化など、金政権にとって致命傷になる恐れがあることをするはず
がありません。ルーマニアのチャウシェスクの末路を見ていますか
らね。 
 先月、BS放送で統一ドイツまでの道程を、当時の関係者のイン
タビューを交えて、ドキュメンタリー風にして放送していたのを見
ていましたが、私には、体制側が強権を発動できない程、明らかに
東ドイツ国民全体が統一への道筋を作っていたように思えました。 
 今の北朝鮮国民には、そのパワーがないでしょうね。どうも飢餓
状態では、生きるのが必死ですので国民の力が涌かないそうです。
考えられるのは、クーデターか突然の国民の難民化でしょうか・・
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(1)米韓サミット:ブッシュ、北朝鮮を警戒  GWRより
 7日に開催された米韓首脳会談は、アメリカの新聞でも大きく取
り扱われた。8日付けの1面からこれを報道したのは、首都圏の2
紙(ワシントン・ポスト、ワシントン・タイムズ)と国際派のニュ
ーヨーク・タイムズのみであったが、他の新聞も国際面のトップニ
ュースとして報じていた。
 日本の新聞で報じられている通り、会談の主題は対北朝鮮政策で
あった。アメリカによる「太陽政策」支持を求めた金大中大統領に
対して、ブッシュ大統領は「北朝鮮の指導者には懐疑心を持ってい
る」とあからさまに北朝鮮への不信感を表明し、両国間の相違が浮
き彫りになった。この展開について、ニューヨーク・タイムズ(同
日付け)は、「韓国との同盟を強調する言い方ではあったものの、
ブッシュ大統領のコメントは明らかに金大統領に対する拒絶であっ
た」と評価、ワシントン・ポスト(同日付け)は、「ブッシュ・金
会談は、ブッシュ政権が、アメリカの国益および北東アジアにおけ
る地域安全保障において重要だと位置付ける米韓関係のぎこちない
スタートとなった」と伝える。そして両紙とも、「今回の最大の成
果は、朝鮮半島情勢に関する率直な意見交換ができたことで、相互
理解を深めた」という金大統領の会談評価に「双方の見解の相違を
隠す時に使う外交辞令」と説明を付けていた。
 9日付けに分析記事を掲載し、アメリカの対北朝鮮政策を予測す
るのはロサンジェルス・タイムズだ。同紙は、政権による対北朝鮮
政策の見直しに関し、「最終的にはクリントン前政権の方針とあま
り変わらない方向で落ち着くかもしれない」と前置きした上で、政
府高官のコメントを拾い、逆方向に向かう可能性を示唆している。
それによると、政権には、北朝鮮問題の先送りだけでなく、クリン
トン前政権の「北朝鮮のミサイル開発を削減させねばならない」と
いった「前提」をも考え直す意向もあるという。また南北朝鮮和解
への期待を持つ同紙は、「米朝交渉は、アメリカよりも飢餓など問
題を抱えている北朝鮮の方が率先して進めようとするべき」との見
方も政権内にあり、両国間交渉における力学そのものを変えてしま
うかもしれないと、やや警戒感を込めて分析している。
 リベラル派の新聞は、「現時点では、米朝交渉はすぐには再開し
ない」というブッシュ政権の方針を「前政権からの変化・修正」と
比較的客観的に位置付けているが、シカゴ・トリビューン(8日付
け)やワシントン・タイムズ(同日付け)などの保守派新聞は、タ
カ派読者を意識した書き方で本件を伝えている。前者は、「ブッシ
ュ大統領は対北朝鮮政策について強硬路線への劇的な方向転換を示
唆した」と冒頭で書き、後者は、「ブッシュ、北朝鮮に合意の検証
を要求」と米朝関係への厳しい姿勢を強調する見出しを付けていた。
 会談翌日にリベラル・保守の代表紙が掲載した北朝鮮関連記事も
対照的であった。ワシントン・ポストは金大統領と単独インタビュ
ーを敢行し、「今ある絶好の機会を見逃さないでほしい」と交渉続
行を求める大統領の声を伝えている。対するワシントン・タイムズ
は、米諜報機関筋の情報として、「北朝鮮がミサイル部品を今にも
輸出しようとしている」と1面から報道し、タカ派の警戒心を煽っ
ている。北朝鮮問題は、ブッシュ政権が推進する国家ミサイル防衛
(NMD)計画にも直結するため、北朝鮮関連記事でも両派の論調の
分裂は明らかになっていたようだ。
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金剛山と開城「観光特区」へ 南北が基本合意  

 訪朝していた韓国のキム・ハンギル文化観光相は14日夜帰国し
、金浦空港で開いた記者会見で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)
が金剛山地区と開城地区を「観光自由特区」に指定し、観光開発を
進めていくことで南北が合意したと発表した。
 キム文化観光相は「金剛山については近いうちに、開城は早けれ
ば9月ごろに観光自由特区に指定することで合意した。北は観光特
区指定の法制化を進める」と述べた。ただ、特区に指定された場合
、どんな開発が可能になるのかなどの具体的な内容は示さなかった。

 金剛山観光は韓国の財閥、現代グループが独占的に展開している
が、最近は観光客の減少に加え、北朝鮮への毎月の支払い金が負担
になり赤字が大きく膨らんでいる。また、ソウルから約70キロし
か離れていない開城も、現代グループが工業団地を建設し、北朝鮮
は周辺一帯を経済特区に指定することで合意している。

 一方、キム文化観光相は、日韓共催のサッカーの2002年ワー
ルドカップ(W杯)を南北朝鮮で分散開催する問題について「北は
今までの立場を変えず、時期的に難しいとのことだった」と述べた。
また、北朝鮮側が突然延期を要請してきた第5回閣僚級会談に関す
る協議はしなかったと述べ、最高指導者の金正日総書記や、訪朝を
招請した金容淳・アジア太平洋平和委員会委員長らとも面会しなか
ったことを明らかにした。(3/1623:29朝日) 
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南北朝鮮会談延期、金剛山事業が影響か  
 13日から予定されていた第5回南北朝鮮閣僚級会談が朝鮮民主
主義人民共和国(北朝鮮)の要請で直前に延期された背景に、資金
難で苦しい運営が続く現代グループの金剛山観光事業の影響がある
との見方が韓国政府関係者の間で出ている。韓国のキム・ハンギル
文化観光相は10日から訪朝し、金剛山観光問題も協議中だが、難
航している模様だ。
 会談は13日から4日間、ソウル市内で開催されることになって
いたが、韓国政府によると同日朝になって北朝鮮側は「行くことが
できない」と伝えてきた。韓国統一省は「延期が南北関係全般に悪
い影響を与えるとは考えにくい」との見解を発表し、板門店を通じ
て北朝鮮に早期再開を呼びかける電報を送った。

 韓国政府関係者によると、キム文化観光相は現代グループの金剛
山観光について北朝鮮側と踏み込んだ協議をしている。

 現代は開発の代価として毎月1200万ドル(約14億円)を北
朝鮮に支払わなければならないが、このままでは事業を続けること
が困難なため、減額を要請。北朝鮮側は「検討の時間が必要」と回
答しており、この問題で北朝鮮が結論を出すまでは閣僚級会談が再
開されない可能性が高いという。

 一方、韓国メディアは、7日にあった米韓首脳会談で、ブッシュ
米大統領らが米朝対話の早期再開に慎重姿勢を示すなど強硬論を展
開したため、北朝鮮が南北関係を再調整しているとの見方を伝えて
いる。(3/1403:10asahi) 


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