469−2.日本官僚の意識



kishizukaです。
447-2実現可能な行財政改革案に対する感想です。

Fさんの言うとおり、引退した役人に飯を食わせる為だけの外郭団
体や天下りの受け皿などもちろん廃止すべきです。

こういった妙な行政(?)をおこなってしまう日本官僚の意識の原
因を例によって行政改革から話がずれますが自分なりに論じてみま
す。

こういった欧米にはないような官僚の腐敗の一つ原因は日本の資本
主義が一面として、所有と占有の区別がつかない前近代的な一面を
もっている事ではないでしょうか。

つまり民間で言えば会社は誰のものかといえば、欧米の近代資本主
義からいえば、明らかに株主のものです。株主が会社のオーナーつ
まり所有者です。

ところが日本の場合、近代資本主義が意識の上で未発達で会社は誰
のものかといえば、法律上はオーナーである株主のものですが、
慣習やもっとも重要な意識の上では、会社は役員社員のものという
意識が強いのでしょう。
(もちろんこれは短所だけではなく、高度成長を可能にした長時間
労働とか、高い忠誠心をもって、技術の集積がしやすいなどの長所
がありますが}
創業株主は別として、株主は日本人の意識から言えば「単に会社に
お金を貸している人」程度のものでしょう。
しかし、資本主義の観点から言えばこれは明らかにおかしいことで
す。役員社員は会社の財産を所有しているのではなくて、占有して
いるだけです。

これと同じことが公務員にも当てはまるのではないでしょうか。
公務員の場合では、役所の財産は役人のものではなくて、抽象的で
すが国や地方、国民の所有のはずです。
反面国民も税金を払って行政を役人に代行させているという参加意
識が少ない。つまり、「お上」のままで納税を殆ど昔の年貢米と同
じ程度にしか関心をもっていない。

こういう資本主義の発達が意識の上で十分でないことが日本の高度
成長を支え、又、その反面とんでもない国や地方の金や財産をあた
かも自分の物であるかの用に扱い、引退後の天下りの受け皿を作っ
てみたり勝手に必要もない仕事をゼネコンに仕事を与えたりする、
一つの意識の上での原因になっているように思います。

もう一つの官僚腐敗の原因に東大法学部の入学試験や国家公務員
一種試験が昔の中国の科挙の試験のように特権的身分に変わる為の
試験であるというの一面があると言うことではないでしょうか。

日本の社会の特徴として、中産階級のならず者が頭が良くて、がん
ばって東京大学に合格しさえすれば一夜にして、エリートになるこ
とができるという他の国に無い社会的階級の変動の大きいモビリテ
ィーのある社会であるということもいえます。
日本はどんな貧乏人のセガレでも頭さえ良くて勤勉ならば一夜にし
て自分の身分を代えることが出来る他の国に無い国であるといえる
と思います。
一方ヨーロッパやアメリカなど殆どの国では頭が良いだけでは自分
の身分を代えることが殆ど出来ないのではないかと思います。

このことが皇室を除いて、生まれながらの腐敗した貴族のいない
流動性が高く、勤勉な社会を形作る一因になっていると思いますが、
反面特に旧帝国大学の試験や国家公務員1級の試験が昔の中国の
科挙の試験のように少なくとも意識上は身分の試験なってしまって
、この話題になるようなエリートの特権といういびつな意識をつく
る原因になっていることも事実でしょう。
==============================
(Fのコメント)
kishizukaさんのご意見に賛成です。官僚が日本国の主人と思って
いる可能性は高い。それをチェックするべき政治家がきちんとしな
いと、亡国する可能性が高いように思いますね。

日本はやはり、米国化する方がいいのではないですか?官僚たちの
仕事の透明性を増す必要があると思います。そして、国民がチュッ
クすることです。その仕組みがないのがいけなかったのではないで
しょうか??


コラム目次に戻る
トップページに戻る