457−2.日本型社会の矛盾



日経新聞に同名の記事があり、面白いので取り上げる。勿論、Fの
見解を挟み込むが。Fより

小島弦氏の「イノベーションの論理と課題」で、技術革新を活性化
する因子と阻害する因子を抽出している。
それによると、活性化因子は、変化や冒険を好む姿勢、自由、競争
個人、自律、少数決断、オンリーワン指向、一点集中、非平衡系
などを挙げている。
阻止する因子は形式を重んじる姿勢、安定や安全を好む姿勢、保護
集団、ナンバーワン指向、全方位指向、前例主義、現実主義、閉鎖
系などだそうだ。

政府をはじめ日本社会を挙げてITだ、生命科学だと沸き立ってい
る。なぜ、そうなったのか??ITでは欧米の技術に負けたためで
あるし、生命科学もゲノム解析で日本が遅れをとったからである。
後れをとった分野や、遅れそうな分野に力をいれてナンバーワンに
近づく。これは、まさに、技術革新を阻害する姿勢である。日本を
挙げて技術革新を阻害していることになっていないといいのですが
ね。

研究開発の重点分野を決めるのに当たって日本は審議会で、多数の
利害関係者が集まって議論をする。これも技術革新の阻害要因にな
る。利害の調整が行われれば、結果は必ず全方位指向になり、これ
も阻害要因になる。このいい例が、BAC−NETであろう。
官僚が前例主義であることは論をまたない。阻害要因だらけである。

日本はチャレンジを許さない。ちょっとした事故でも大騒ぎする。
こう見てくると、科学技術に投資しても、あまり阻害要因が多すぎ
る。いい研究結果が出ても、技術革新に結びつかない。この研究結
果だけの山を日本は作っている。それは特許数では世界最大である
ことでわかるが、社会に応用しないために埋もれているものが
たくさんある。

日本に比べて、米国は技術革新を促進する要因が多い。我々が新し
い物を公的な研究所に持ち込んむと、すぐに受け付けてくれて、
テストし始める。成績がいいと、製造メーカや販売会社まで、面倒
を見てくれるし、ベンチャー・キャピタルまで紹介してくれるとい
うである。あまりにも日本の環境とは違い過ぎる。社会全体で新し
い技術を探していることがひしひしと分かる。

本当に、このような米国型社会を見ると、日本型ではダメだと感じ
ますね。米国型の社会に日本を作り変える必要を感じますね。


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