457−1.世界恐慌への道



米国、日本の不況が、世界に伝播する可能性があると考える人がい
るのでここで考えることにする。 Fより

このコラムでは米国の不景気は確実であるが、日本の景気は現時点
では米国のハイテク不況に影響を受けて落ち込んでいるが、基本的
な状況は、消費者の需要が回復して景気は上向きになっていると主
張している。

しかし、日本の全産業が景気回復したとは思わない。これは、構造
不況業種があるためです。建築業と金融業ですね。これは早く整理
する必要があるのです。それと、お役人がやっている企業(第3セ
クタ)の赤字企業も同様。

このコラム以前の同人誌からの読者は、知っていると思うが、日本
の10年不況は、不動産取引を禁止したような融資ストップにより
起こったと論評した。株と土地の2つの下落が引き金であったが、
株を取引していた個人が10%ぐらいで、株下落だけでは日本は沈
まなかったはずなのです。しかし、現在、米国国民の60%以上も
、株取引しているし、その個人が金融機関から多額の借金をしてい
るのですから、株価の大幅下落は個人の財政に大きな打撃になって
いるのです。

そして、今回の米国の不況入りに対して、大恐慌になるのではない
かという質問をする人がいるが、そうはならないでしょうね。その
理由を述べたいと思う。それは米国が世界に資金を補給していない
ためで、その役割は日本が果たしているためです。日本は、不景気
の10年も、世界に投資しているのです。どうしてか?日本の公的
負担が、小さいことによるのです。ここも評論家は言わないのです
が。

米国の軍事費は6000億ドル。日本の軍事費500億ドルと10
倍も違う。空母を中心とした機動部隊1コ分。日本のDOAは
100億ドル程度。日本の国家予算が8000億ドル程度。日本は
財政的な規模が米国の10分の1と国民の負担が小さいのです。

米国の一般民衆の税金は、日本に比べて高いと思う。消費税は、
15%程度で、かつ直接税の額は同じか多い。特に低所得者層にも
課税されている。しかし、その額に国民保険制度がない。貧乏人は
医者にいけない。
このような違いがある。日本国民は豊かであり、国は消費ぐせがあ
り、借金で暮らしている。それと、米国に日本は多くの品物を買っ
てもらっている。その米国が急におかしくなったため1時的に日本
は生産が落ちたように見えるのです。特にハイテク分野ですから、
株価が高い。日経平均はハイテク分野に寄っているので、益々その
影響がでている。今まで、リストラの話題が多かったために、消費
者が萎縮していたのと、需要を喚起する物がなかったために、買わ
ないことになっている。

今後、太陽光発電やゴミ処理機、液晶やPDPの薄型テレビ等や、
ユニクロタイプの量販店など消費者の購買心に訴える物や事がでて
くる可能性が高い。そう言えば、大阪でユニバーサル・スタジオが
できるが、これも購買欲を喚起する事ですね。

米国が沈むと、日本と欧州が揚るような気がする。どうしてか?
米国に行っていたお金が日本に戻ってきて、投資先を探すためです。
この時、需要を喚起する産業に投資されると、日本の消費者が、燃
える。すると、日本の景気は上がる。アジアの産業も米国に向いて
いた輸出先を日本にする。すると、そこに半導体等の電子部品の輸
出が復活する。日本の電子部品業界の落ち込みがなくなる。

まあ、この通りにはならないかもしれないが、可能性はある。
このような状態にするためには、魅力ある投資先を多くすることや
外国人の投資が重要であり、エネルギーの自由化や多くの分野での
規制緩和、都市交通の充実、東京の空港の整備、銀行の不良債権の
早期解消(このためには、立ち直りが期待できない企業を早めに倒
産させることです。)、行政の効率化(省庁の統廃合をしたが、業
務の効率化や国民主体の行政になっているのであろうか?、政府関
連の財団の統廃合、情報公開)、農村改革(開発行政から自立化へ
、農業の自由化)が必要。

構造改革を政治家はすぐに言うが、その意味が分かっているのであ
ろうか??疑問である。世界恐慌を防ぐためには、日本の改革が
必要なのです。


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