452−1.事故と日米関係について



米国兵士の犯罪続発、えひめ丸事件に関連して日米関係悪化、日米
の報道姿勢の差を指摘する声が多い。
米国兵士の問題は早急に米軍に対して抗議し、対策をとる必要がる
。えひめ丸事件にかんしてもその原因追求、責任の所在を明確にし
、犠牲者に対する対応を明確にすることは米国も認識している。
但し、このことと日米関係について言及することは、なにかちぐは
ぐな感じがする。
日米関係とは、日本の国益を考えた上で、どのような関係を米国と
結んでいくかを日本国民(国民によって選ばれた政府)が決定する
ものであり、米国も同じように、米国の国益になるような日米関係
を追及している。従って、米国の兵士が犯罪を繰り返すことを、
容認できないと言うことは、法治国家であれば当然のことであるが
、それだから米国との政治的、軍事的関係にまで波及させることは
別の問題と思います。もっとも日本の国民が、米国の対応に対して
、日本の国益に反すると判断するなら別であるが。また、えひめ丸
事件を事故として処理する米国を非難するのは勝手だが、では事故
として扱わうなと言うのなら、どう言うことととして扱えば良いの
か。
米国では、これを今事故ではなく、事件として取り扱うか否かが
議論されている。事件とは、法律、規定違反が、過失であれ意図的
であれ存在したかどうかによって異なる。従ってその判断が決定さ
れるまでは事故なのである。
日本とって現状あるいは近い将来まで、米国と良好な関係を保つこ
とが国益にあっていると考えるのは、米国に住む日本人の偏った
見方であろうか。米国の不始末については、対等な立場でものを言
うことは、あたりまえのこと。だからといって何かおこるとすぐ
日米関係に言及し、しかも悪化することを期待しているような、
しかも感情的な報道は、慎むべきかと思うが、いかがでしょうか。
米国政府が今回のことで日米関係が悪化するとは思わないと発言す
ることは、当たり前のことで、それが米国の国益に合致しているか
らである。もし、日米関係を良好に維持することが、日本の国益に
合致するなら、一連の悲劇を薬として良好に維持する方向に意見を
持っていくべきではなかろうか。

圧倒的な軍事力と経済力の影響を受けてしまうことで、米国に対し
て面白くないと思う気持ちが沸くのは当然だが、もしその影響力を
うけないで、日本独自路線を進むのであれば、一連の米兵不祥事、
えひめ丸事件とは関係なく検討すべき重要な政策であり、米軍撤退
後の日本をどうやって防衛するのか、または防衛する必要があるの
か、同盟国として対等な関係を持ちたいとかんがえている米国に対
して日本は対等な立場になれるのか、なりたいと思っているのか 
 等々答えを出さねばならない。
独自路線を進むという明確な政策が確立していない現在、今回の件
でいたずらに感情論を振りまわし、日米関係まで言及するのは日本
の国益にならないと考える。
米兵の犯罪被害者、えひめ丸事件の犠牲者の立場を無視しているわ
けではなく、責任の追求は忍耐強く、解決されるまで問い続ける
必要はある。ただ、そのことと、日米関係とを同じ土俵で論じるこ
とには無理があるように考える。
在ミシガン水田 幸直
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2001/02/23−17:52時事
 日本の「軍事的独立」加速も=えひめ丸沈没事故で−米紙 
  【ニューヨーク23日時事】23日付の米紙ニューヨーク・タイ
ムズは、愛媛県立宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」と米原子力
潜水艦の衝突事故が、安全保障面における日本の米国への信頼を弱
めており、日本が軍事的により独立した方向へ進むのを加速させる
可能性があるとの分析記事を掲載した。 
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(Fのコメント)
そのとおりですね。日本政府が言い出した地位協定の見直しが、
米国で、軍事的独立と報じられているのですが、この地位協定見直
しは、必要だと思います。しかし、その言い出す時期がまずい。
えひめ丸との関係でいい始めたと米国に受け取られたようですね。

しかし、それは誤解ですから、米国との交渉で理解してもらうしか
ないと思います。沖縄の米軍人の犯罪に対して、日本への引渡しを
拒むのは日米関係に影響するのはしかたがないでしょうね。その面
からの議論は必要です。日本の駐留米国軍を削減しない理由も、
アジアの危機というより、米国軍管理費削減からの理由ですからね。

それなら、日本にいられることを感謝されなければなりません。
その気持ちがないのであるなら、6000億円の在日米国軍維持費
を日本が出すのは、なんの意味があるのであろうか???
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日米地位協定、改定問題が再燃
 沖縄県で米兵による不祥事が相次いだことをきっかけに、日米地
位協定の改定問題が日米間の新たな懸案に浮上してきた。容疑者の
身柄を起訴前でも日本側に引き渡せるよう地位協定の抜本改定を求
める声が沖縄で広がっているためで、河野洋平外相は改定も視野に
入れる考えを表明し、事態の沈静化に躍起となっている。ただ、米
側は改定に消極的で、政府も改定には踏み込まず、運用改善で事態
を収拾したいのが本音。外相は25日に沖縄を訪問するが、県側の不
満は強まっており、対応を誤れば日米安保体制の基盤にかかわる問
題に発展する可能性もある。 
 沖縄では1月に起きた米兵による連続放火事件をきっかけに地位
協定の改定問題が再燃。県側は「凶悪事件」として容疑者の起訴前
の身柄引き渡しを迫ったが、米軍側が地位協定を盾に突っぱねたこ
とから、改定要求に一気に火が付いた。名護市議会は23日、沖縄市
議会に続いて日米両国政府に地位協定の速やかな改正を求める決議
を全会一致で可決。稲嶺恵一知事も22日の県議会で、近く訪米し、
米政府に改定を直談判する考えを示した。 


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