449−3.北朝鮮の動向と日本



kishizukaです。
国際戦略コラム    NO.394−2  2000.12.30 
          金正日外交に痛手
についてのコメントです。

北朝鮮とアメリカの外交と日本の外交国益を考えるときに
数年前にあった北朝鮮ミサイル危機のことを例として
日本の今後の外交について、書きたいと思います。

例のノドン、テポドンのミサイル騒ぎのように北朝鮮の末期的な状態
とアメリカの国益保護から2国間で戦争にならない程度に危機感を
盛り上げて、日米ガイドラインを通過させ、米軍の長期駐留も安泰、
TMZ(でしたっけ?例の大気圏外でミサイルを迎撃するシステム)の
金も出てくる。最後には
米朝は手を結んで、日本は蚊帳の外というシナリオでまたしても、
日本は外交でやられっぱなしになったのはつい最近のことです。

やはり日本の長所は組織作り、物作り、教育、道徳レベルの高さで
あって、日本が島国であるとか歴史的な勝ち負けを繰り返してきてい
ないという事情もあるのでしょうが、
外交能力はヨーロッパ、アメリカはおろか
北朝鮮にもおよばず、世界のレベルからは程遠いということは
今後日本の外交政策を決める際に意識して置くべきでしょう。
日本の長所をいかし、短所をカバーする為に、やはり大国
アメリカとの同盟関係を重視し、将来起こるであろうアジアでの
中国の覇権主義との衝突に準備しておくべきでしょう。

やはり歴史は繰り返し、歴史はその国の将来の行動の為の性格分析
です。
日英同盟があったときはロシアとの戦争に勝ち、それが消滅すると
日本の外交はまさに漂流して、世界中と戦争をしてしまうといった
経緯、その後、日米安保ができるや瞬く間に経済の超大国になった
というのは今後も考慮していかなければならない日本の本質的な性
格ではないでしょうか。

このような日本の近代史を考えると、
日本はせいぜい2カ国間の外交はこなすが、マルチ外交は全く処理
できない赤ん坊のようであるということはわが国の性格として今後
も意識すべきでしょう。
戦争中の日独伊3国同盟(松岡外総がロシアを入れ4国同盟には失敗)
のように多国間で複雑な外交になってしまうといわばヒステリーの
ようになってしまって、冷徹な打算で国益を考え行動することは出
来ないと考えて良いのではないでしょうか。

最後に話が外れますが、
今回の省庁の再編で外交判断の為の情報収集の省庁を
設立しなかったのは
果たして日本の性格的な短所を補うことになったのでしょうか?
これもやはりマスコミ等が歴史を考え日本の理性を代表するもの
ではなく官僚を叩けばいいという単に流行を代表するものとして
大衆迎合してしまった結果でないかと考えています。
不要となった省庁を統廃合するだけでは国家の機関

今後の国益にマイナスになったのではないかと考えます。
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2001/02/17−22:27時事
 「国を守り抜けば経済難は解決」=軍事優先の正当性強調−
金正日総書記 
  【RP=時事】「経済状況が困難であることは分かっているが
、国を守り抜けば、それは解決できる」−。朝鮮民主主義人民共和
国(北朝鮮)の朝鮮中央放送は17日、「軍事優先政治」の正当性
を強調する金正日労働党総書記の言葉を紹介した。  
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2001/02/17−19:13 時事
 火力発電所代替案は非現実的=米朝核合意の修正を拒否−韓国高官 
  【ソウル17日時事】韓国政府高官は17日、朝鮮民主主義人民
共和国(北朝鮮)が核開発を凍結する見返りとして軽水炉の供与を
定めた1994年の米朝核合意に関して、米国のクリントン前政権
が軽水炉を火力発電所に切り替える案を非公式に打診したことを確
認した上で、「工期や費用面で現実的ではない」と述べ、合意の修
正を拒否する立場を明らかにした。  
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元山からシベリア鉄道へ連結 北朝鮮の構想 
 【ソウル12日共同】ロシア鉄道省のツェリコ第1次官は12日
、ソウル市内で開いたシベリア鉄道と朝鮮半島の鉄道網との連結事
業に関する説明会で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の構想は
、東部の港湾都市、元山から北上しシベリア鉄道に連結する鉄道網
整備だと指摘した。昨年10月、北朝鮮の金容三・鉄道相と会談し
た際に伝えられたという。次官はまた、韓国側にも既に北朝鮮の意
向を説明、原則的同意を得たとした上で、「ロシアは同区間の近代
化事業に投資する用意がある」と表明した。次官は、こうした朝鮮
半島の鉄道網整備とシベリア鉄道連結のため、2月末のプーチン
大統領の訪韓後、南北とロシアの鉄道担当閣僚による3者会談が行
われるとあらためて確認した。 
                         (了) 
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北、独に狂牛病感染可能性のある牛の支援を要請

ドイツ政府が、狂牛病感染可能性のある牛20万頭を処分し朝鮮民主
主義人民共和国(北朝鮮)に援助する案を慎重に検討していることが
、13日分かった。

政府当局者はこの日、「北朝鮮が、ドイツ政府が狂牛病感染の可能
性があるとして処分を決めた牛肉の人道的支援を、ベルリンにある
北朝鮮利益代表部を通して伝えたと聞いている」とし、「ドイツ政
府は北朝鮮の要請を受け入れるかどうかについて慎重に検討してい
るようだ」と述べた。

この当局者は「ドイツ政府は狂牛病感染可能性のある牛を支援した
と批判されるのではないか心配して決断できずにいると聞いている
」と述べた。

また北朝鮮がドイツとの国交樹立交渉の条件としてこの問題を提起
することはないだろうと述べたが、こうした可能性がまったくない
とも言えないという見解もある。

これに関連して、ドイツARDテレビは北朝鮮がドイツから牛20万頭
分の牛肉の援助を希望していることが分かったと、12日伝えた。
李河遠(イ・ハウォン)記者、朝鮮日報2月13日付け


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