443−2.日本の地政学について



日本にも、地政学があっていいではないか??Fより
おくやまさんのHPで述べられている米国での地政学講義を見ると
、当然ですが、米国から見た地政学になっている。
おくやまさんのHP:
http://www.h3.dion.ne.jp/~dashi/newcontent/index_001.htm

日本から見た地政学があっってもいいと思い、論を展開してみる。

地政学は、地理政治学といもいうが、日本の位置が国際戦略を考え
る際の、キー・ファクターになる。どうして、地理が政治に絡むの
かと質問が出ると思う??それは、交通の手段が制約されるからで、
特に軍隊を動かす時には、即応性と物量の両方が必要になるためで
す。このため、交通手段は、陸地をトラックか敵がいる時は、戦車
で進むことになる。この時の進行速度60km/時程度、海では、
船で進むが、速度30km/時、飛行機は速度1000km/時と
速度が違うのです。

この速度差と運搬量差により、その国の国際戦略は当然、制約を受
けることになる。特に、日本は島国であり、どうしても、船や飛行
機により、外の世界に出るしかないのです。飛行機は物量を運べな
いため、物量を運ぶためには、船が必要になる。船は、海上交通で
この海上での運搬には、日数と制約が出るのです。まず、パナマ運
河とスエズ運河が、閉鎖もしくは敵陣営にあるときは、そこは使え
ない。それと、地峡があるインドネシアも大きな制約になっている。

日本の海外行動には、大きな制約が存在するのです。欧州を攻める
ことは、ほとんど不可能でしゅうし、米国の東海岸も無理なのです。
日本は太平洋上しか、軍行動はできないと見たほうがいいのでしょ
う。日本は強大なランド・パワーを持てる国ではないので、世界島
を制覇することもできない。この面でも、日本が世界を軍事行動で
制覇することは大きな制約があるのです。このため、日本は世界を
平和な状況にして、経済的な行動をするしかないのです。

もう1つ軍事的な側面とすると、日本の石油を運ぶルートは、日本
の生命線になっている。タンカが運行できないと、石油が無くなり
、日本の産業は成り立たない。このため、日本はシー・パワー中心
の軍編成になる。海軍陸戦隊が重要になる。米国の海兵隊。また、
戦略はマハンの海軍戦略と同等な戦略が有効になる。しかし、ここ
で米国という存在がある。
この米国もシー・パワー国家であるため、日本のシーパワー強大化
を望まない。だから、米国の同盟国として、行動した方が軋轢がな
くいいのである。しかし、日本の艦艇数は55隻と米国の太平洋艦
隊の艦艇57隻に匹敵している。
勿論、米国は、空母などの機動力と太平洋上、インド洋上に基地を
持っているため、総合力は断然上ではある。
日本の艦艇は補給上の問題があるため、訓練以外には、日本の周辺
海域でしか作戦行動ができない。やはり、広い範囲での行動には、
日本から離れた海上に基地を持ち、補給をしっかりする必要がある
のですが、現在の状態ではムリでしょうね。シンガポールに日本の
補給を依頼するぐらいでしょうか。

日本の生命線を日本と米国が守るとすると、インドネシアの地峡と
インド洋をどう防衛するかになるのです。このため、インドネシア
とインドとの友好関係は重要になるのです。海賊対応にも協力して
いく必要があるでしょう。インドネシアの独立闘争にも関心を向け
る必要があるのです。東チモール独立はその意味で大きなインパク
トがあったのです。このために、オーストラリア軍が全面に出てき
たのでした。

これも、日本がPKFに出られないためです。日本の安定がオース
トラリアにも必要だからです。日本に石炭、食料などの輸出をする
ことにより豪は生きているためです。
日本の軍事拡大を米国が望んでいないため、日本にPKF出動を依
頼してもいいのですが、オーストラリアに依頼したのです。

時速100kmの日本の高速貨物船は、大きなインパクトがあるが
、この実用化はいつなのでしょうかね。まず、海上自衛隊が使えば
いいように思うが???速度は大きなファクターであるから、戦略
上のインパクトは大きい。とくに、日本は補給が弱いし、意識する
必要があるのです。それと、インドやアラブ諸国との友好関係を維
持して、日本近傍のガス田の開発をする必要があるのです。

エネルギーの自給率向上を目指す必要もここから出てくるのです。
分散電源を確立することは、日本の安全保障上にも大きな課題にな
っているのです。農産物の輸入先は中国や豪や米国であるため、
太平洋を確保すればいいので、米国と日本で対応可能でしょう。

日本の今後の人的資源確保場所は、日本の大型船がいける所である
ため、アフリカの西海岸や中南米のチリやペルー、メキシコなどで
しょうね。この地域の安定化や民主化を日本がサポートするのが、
いいのではないかと思う。


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