434−3.世界はすべて心の上に



 ●得丸久文(247) 
心のBBSの設置理由について、少し書いておこう。国際社会と対峙
する上で、心の問題はとても大切なのだ。

ー1ー 世界はすべて心の上に:心を直くせよ
あなたの認識する世界はすべてあなたの心の上に存立する。
あなたが思う世界、あなたが国際戦略の対象とみる国際社会は、あ
なたが考える以上、すべてあなたの意識というスクリーンの上に写
った幻燈のようなものである。
あなたの心がまっすぐだと、世界はそのままに写る。あなたの心が
歪んでいると、世界は歪んで写る。
世界認識が誤っていたら、国際戦略も誤らざるをえない。世界認識
が歪んでいたら、正しい判断を下すことはできない。
だから心を真直ぐにしなければならない。世界をそのまま受け入れ
ると愛が生まれる。

ー2ー 心を概念の呪縛から解き放て:民族は存在しない
あるがままの世界を心に写し取るようになると、概念に囚われなく
なる。
民族なんて概念でしかない。日本民族なんて実在しない。日本民族
という言葉を、具体的な実存として定義することはできない。民族
は実存なき概念である。実存なき概念にとらわれてはいけない。
日本国籍をもつ人は実在する。その中には、日本で生まれ育った人
もいるけど、フィリピン生まれの人も、ハワイ生まれの人も、韓国
生まれの人もいる。
日本語を話す人は実在する。その中には、先祖代々日本語を話す人
もいれば、最近日本語を学び始めた人もいる。
芭蕉や一茶の俳句、北斎や広重の浮世絵、茶の湯を愛する人がいる。
その中には日本国籍の人もいれば、アメリカ国籍の人もいる。日本
国籍をもる人間の中で、俳句にも浮世絵にも茶の湯にも興味のない
人が、過半数かもしれない。
(概念とは、「言葉とそれに対応する意味・定義のセット」、実存
とは「そこに存在するもの。言葉が存在しようとしまいと存在する
もの」と定義する。)

ー3ー 心を清くし、心の上の現実を世界へと投影せよ
人間は、心が現実感覚を得るときに、それを現実だと思う。ここで
現実だと思うことの中には、実在する現実と、実在しない仮想現実
がある。仮想現実に惑わされてはならない。

そのためには、心をつねに清らかにしておくことだ。心の上に浮か
んだことをそのまま現実世界に投影できるほどに心を清らかにすれ
ば、そのまま世界は平和になり、人々が幸福になる。

ー4ー 心を開け:知のパラドックスを乗り越える
「人間は自分がすでに知っていることしか、新たに知ることはでき
ない」という知のパラドックスが私たちを呪縛する。だから知識を
広げる必要がある。でもどうやって。
心を開く必要がある。自分が何を知っていて何を知らないかを、常
に気にしておくこと。自分が知らないものに対して謙虚であること。
礼の心が大切だ。
開いた心を防衛する必要がある。外から来る刺激(たとえば新興宗
教の勧誘)に、無防備になって騙されたり、マインドコントロール
されてはいけない。


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