431−2.読者の声



NO.426−2読者の声に対して、
久保教授への質問です。

以前私は、「皇室」と「天皇家」の違いを質問しました。その回答
は、わが国では「皇室」という言葉が伝統的に使われています。
「天皇家」という言葉は左翼の使い出した言葉です。とくに朝日新
聞などが好んで使っています。その理由は皇室を日本の古い家系・
家族の単なる一つにしてしまおうという彼らのもくろみがあるので
はないかと思われます。
というものでした。全くもって理解できますが、ここで重大なる
疑義があります。それは、「天皇家」ということばを保守派も用い
ていることです。
つまり、左翼が使う時の意図は十二分に理解できますが、保守が使
う時の意図、意義が理解できません。保守が使っているということ
は、その用語自体が誤りではないということになるのではないでし
ょうか。しかし、私は、保守が使っていようと、誤りだと思います
 。
ということは、使っている保守は、知らず知らずの内に左翼に手を
貸していたことになるのですか。

では以下、保守の「天皇家」使用事例を紹介する。
■加地伸行 産経新聞「正論」最下段 平成十二年十一月二十七日付
■西尾幹二 『国民の歴史』 二七四頁九行目
■加瀬英明 『天皇家の戦い』一九八五年新潮社 絶版
■産経新聞社説 「年頭の主張」 平成十三年一月一日 四段目
久保教授に是非、回答願いたい。

図越
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 図越さんの再質問にご返答させていただきます。 久保

>重大なる疑義があります。それは、「天皇家」ということばを保
>守派も用いていることです。

>しかし、私は、保守が使っていようと、誤りだと思います。

そうですね。私も図越さんに同感です。これはやはり見識の問題です。
「冷泉家」など京都の古い家柄と皇室とを同列には論じられませんね。

>ということは、使っている保守は、知らず知らずの内に左翼に手
>を貸していたことになるのですか。

それは難しいところです。用語の定着度の問題もいずれ出てくるかも
しれません。このような嫌な用語は是非とも定着させないようにしま
しょう。
 ところで、「天皇制」という用語も、もともと左翼用語なのです。
「制る(タチキる)」は中国革命思想から出た言葉らしいのですが、
敢えて私はこの言葉を使っています。私も「左翼に手を貸して」いる
ことになるのかもしれません。しかし「天皇制」の場合、残念ながら、
目下、これに代わりうる適当な用語を他に見つけられないのです。
==============================
件名:カリフォルニアの電気について  
この件について、新聞等で見たのはカリフォルニアはメキシコに発
電所を作る予定です。
自由化で一番利益をあげたのが、ブッシュの友人エクソン社の社長
です。あの会社が値をつりあげたのです。
カリフォルニアの州知事が、自由化に上限を設定したい旨、国に
交渉したところ却下されました。
エクソン社の社長は、カリフォルニアがどうなろうと構わない。
うちは、今までにない利益をあげている、と声明を出した。
どう思いますか?
日本でもこの様な事になるんでしょうか?
T.S.
==============================
加州電力危機について      おくやま 
この記事は、「アメリカ政治情報メモ」の転載です。
やっとくわしい原因がわかりました。ポイントフォームで列記しま
す。
@96年の規制撤廃による電力自由化 
Aしかしこれは完全な規制撤廃ではなく、電力会社の電力供給に関
する自由化のみで消費者に対する一定料金以上の料金上乗せを許さ
なかった。おまけに電力会社は供給会社側とは長期契約を結べずに
、スポット市場で燃料・電力を取り引きしていたので供給価格を安
定させられなかった。 
B結果として州の2大電力会社の Pacific Gas & Electric Corp. 
Southern California Edison が巨額の負債を抱えるようになった。 
Cしかし供給会社側も支払いの滞りを心配してなかなか電力供給に
合意しない 
Dよって電力不足が起こる。 

と、こういうことらしいです。カナダの全国紙の社説では「カリフ
ォルニアの規制撤廃は「ひどく規制された規制撤廃だった」
a highly regulated deregulation と言っています。 

これについてCATO研究所の研究員、ジェリ−・テイラー Jerry 
Taylor 氏が興味深い記事を寄せています。 
(1/19 National Post と Globe & Mail) 
==============================
 コスモスです。当フォーラムを利用されている方のほとんどが購
読されておられると思いますが、1/29日発行の、『田中宇の国
際ニュース解説』を御覧になられたでしょうか? 「カルフォルニ
ア電力危機を考える」という表題で、私が今までに得たこの事件の
、もっとも詳細な記事がまとめられていました。田中氏のMMをは
じめてお知りになられた方は、ぜひ購読をお勧めします。

(アドレスはこちら 田中宇の国際ニュース解説 
                  http://tanakanews.com/)

 結果、田中氏の詳細な記事のおかげで、私の不明な点が次々に解
明されていきました。その訂正も含めて、今回はもう一度この問題
を私なりに分析してみたいのです。

>そもそもカリフォルニアのような大都市で、あのような自由化の
>実験を行う事自体、極めて無謀で失敗は火を見るより明らかです。
>加州は火力発電所の大気汚染すら嫌って、メキシコから電力輸入
>を検討していたほどの他力本願州ですから、新規参入の小売電力
>会社が二の足を踏むのは当然です。というより発電事業を、これ
>らの小売会社が行おうとしていたのかさえデータを得られないの
>で、私の論拠も薄いのですが。

 経済の自由化というのは、統制型経済から見れば全て実験なので
すね。私の記事では『小売電力会社』とありますが、その大方は
既存大手電力会社から自由化の折、発電所を購入した『発電会社』
だったようです。これは私の誤りです。訂正してお詫びします。
 田中氏の記事からは、この10年間発電所が作られなかった、と
あります。エコロジー観点から発電所の規制が厳しかったために、
新規参入会社が新たな発電所を建設するのに二の足を踏むのは当然
と書いた私の分析は正しかったようです。

 もっと大きな私の誤りは、下記のものでしょう。

>もっと小規模都市からベンチャーの試みをすべきだったのでは?
>いや、すでに行われていて、加州の試みは実用段階のものだった
>のでしょうか

この二点。このデータさえあれば・・・・田中氏の記事を読みなが
ら恥ずかしく思いました。
では、「このデータさえあれば」どのような分析が可能だったので
しょう? 反省を早々と切り上げて(!?)分析を開始したいと思
います。

○電力自由化と米の自由化
自由化に移行する際、新規参入会社には様々な特典が与えられるの
が常です。独力で、大手と行政にケンカを売りながらのし上がる
新規企業はともかく、行政主導で行われる自由化は、その利益を早期
に得るために「ゴホウビ」を与えるわけです。

カリフォルニアでの発電所建設が高リスクになるのは、環境規制が
厳しかったためです。この点、私が今まで投稿した『安全な・・・
』における民間企業参入シュミレーションと照らし合わせると、私
も新たにこの阻害要因を加えなければならないと思います。脱硫装
置とコジェネシステムで、地元の理解を得られるかどうか・・・・
 自由化に移行しても、規制がそのまま残ったために既存企業の経
営が圧迫される例は他にもあります。ここでは『焼酎』を取り上げ
てみましょう。

 数年前、焼酎の酒税がウイスキー並みになるように引き上げられ
、それに伴って価格が上昇した事を憶えていらっしゃる酒好きの
読者もおられるでしょう。当時のTVニュースで、こんな情報を取
り上げていました。

 「焼酎をもっと安く作ろうと思えば、出来ない事は無い。外国の
安い米を使えばいい。しかし焼酎醸造には規制があって、国内産の
ものを使うよう定められていて、このままではウイスキーやウオッ
カと競争が激化する」

 もちろんこれは、国内産米の消費を少しでも上げたいとする行政
の意図があるのでしょう。この是非は、ここでは取り上げません。
当フォーラム編集長のF様が取り上げておられた、1/27日付の
『国際戦略コラムMM・・・「農村改革について」』に詳しいとお
り、「農業従事者の制限を撤廃すること」は、将来の日本農政のた
めに絶対必要と私も考えます。

 カリフォルニアでは、環境規制による発電所建設が阻害されてい
ました。現在の停電騒動は、「加州住民の、環境リスクと送電危機
を天秤にかけた結果の、彼らが覚悟の上で選び取った必然的な事故
」だったと私は思うのです。

 私達は国内産の米を守るために、多少高い焼酎を飲む事を望むで
しょうか? 焼酎工場がばたばたと倒産してようやく、自分たちが
あっさりと焼酎離れをした事に気づくのかもしれません。これは
停電騒動とは比較にならない問題でしょうけれど・・・・

 この問題について、加州住民はこれからどのような方向に進むの
でしょう? メキシコに火力発電を作る、あるいは環境規制を緩和
する、そもそもの自由化を止める・・・・
 自由化をいまさら止める事など不可能でしょう。環境規制を緩和
したところで、今度は住民と建設に関する説明会を開き、日本の
原発反対同様、何年も紛糾すると思われます。やはり他力本願でし
ょうか?

 カリフォルニアが取り続けてきた、原発とエコエネルギーの優遇
政策は間違っていなかったと思うのです。そのおかげでエコエネル
ギー発電機の製造会社は様々なノウハウを学ぶ事が出来、その成長
をカリフォルニア住民は高い電気料金を支払う事で投資してきた、
とも言えるのですから。それは世界に誇ってもいい美点でしょう。
それだけは。
 おそらく、これからは地方自治体の全てが、自前の発電設備を整
えるようになるでしょう。それは電力会社への不信ではなく、当然
のセーフガードなのです。そしてその過程で、コジェネ整備が進む
事を、私は願っているのですが。

 最後に、私自身の反省。これからは国際情勢を扱うMMを片っ端
から購読するつもりですが、それだけで本当に足りるのやら・・・
==============================
kazunoo
Re: 国際戦略コラムno.426-3日本のインテリゲンチャへ 白鳥さん
に初めて質問します。よく解せないのでお答えください。

1.これの著者がだれであれ、この著書の意図、真意を知りたい。
煽り、皮肉、嫉妬、啓蒙。 
どれかに当てはまる或はコンビネーション、或はどれも検討違いで
しょうか。

2.以下の引用文において
>知者とは誰であるか。賢者とは誰であるか。
>知者も賢者もいない。
これは現在形或は現在完了形ですかそれとも過去形ですか。
(そんな人は今までに存在しなかったということですか?)また、
この著者の言われる賢者や知者の定義は何ですか。

3.以下の引用文において
>「先生、先生」呼んでもらえることは心地が良い。彼らは、他の同
>業者より一歩優れたいと思っている。何のために? 何のためだか
>わからない。とにかく仰ぎ見られるようになりたいのだ。

もし彼らが、 
>「先生、先生」呼んでもらえることは心地が良い
>とおもっているのであれば、何のために? 何のためだかわから
 ない。とにかく仰ぎ見られるようになりたいのだ。

ではなく、この著者の言うとおり、まさしく心地が良いとおもって
いるからではないですか?

4.以下の引用文において
>真理を愛し、真理を究めよ、それがあなた方の努めである。
重複しますが、これは誰が誰に対して命令、或は提言しているので
すか。
また、ここでいう「真理」とは何なのか教えてもらえますか?ここ
でいう「あなた」とは特に日本人全般をさしていますか?
少なくとも、この発言者は、「真理」の定義を心得ていると思われ
ますので。
よろしくお願いします。
kazunoo

コラム目次に戻る
トップページに戻る