424−2.カリフォルニアの停電騒ぎ



 御無沙汰です。中国の勉強の為に、『史記』を読んでいたら面白
くて・・・・コスモス

 カリフォルニアの停電騒ぎで、電事連の大田宏次会長は「それみ
たことか」といわんばかりに自由化に文句をつけておられます。

 多くの新聞記事からデータを集めようとしたのですが、詳しい経
過と新規参入会社のデータが分からず、どうしても分析が『感想文
』になってしまいそうで静観しておりました。
 議論において、状況分析と感想をはきちがえるのは最も避けねば
ならない誤りです。私も時折犯す過ちです。

 そもそもカリフォルニアのような大都市で、あのような自由化の
実験を行う事自体、極めて無謀で失敗は火を見るより明らかです。
加州は火力発電所の大気汚染すら嫌って、メキシコから電力輸入を
検討していたほどの他力本願州ですから、新規参入の小売電力会社
が二の足を踏むのは当然です。というより発電事業を、これらの
小売会社が行おうとしていたのかさえデータを得られないので、私
の論拠も薄いのですが。

 もっと小規模都市からベンチャーの試みをすべきだったのでは?
 いや、すでに行われていて、加州の試みは実用段階のものだった
のでしょうか? もっとデータを集める手法を学ばないと、私も
分析ではなく、感想文を書いていることになってしまいますね。
 しかし、加州の停電は、どうも策略があったような気がして・・
・・鬼の首を取った様に自由化にケチをつけ始めた既存電力会社を
見ていると・・・・

 産経新聞で、『電線の無い街』という特集をやってました。被災
時の事を考えると、私個人としてはこの政策は反対です。しかし、
新規電力会社が、以前私が提出した論文、『安全な原発』でのコー
ジェネ住宅のような、小規模の理想住宅地を建設する気があるなら
、電線の無い美しい街並みも企業戦略として十分可能性があると思
うのです。

 新エネルギー源の導入は、焦ってはいけません。「全てのエネル
ギーをまかなえる」というコンセプトより、「この地域にはこの
発電方法が省エネになるし、効率が良い」という選択肢として導入
すべきなのです。

 新規参入する電力会社は、発電と電力保安を、規制の電力会社か
ら引き受ける、という単純な戦略より、もっと多角的な、電線によ
る高速ネット配信やコージェネ、美しい街作りといった多くのコン
セプトを打ち出し、異業種の企業から協賛を受けるよう戦略を立て
るべきだと、私は考えるのです。

 最後に余談として付け加えさせて下さい。
 ML配信される他の会員の方の論文が不服だからといって、なん
の反論も載せずに「この人のMLが気に食わないので止めます」と
いうMLを送るのは止めて下さい。
 罵詈雑言でもいい、とにかく反論を、私は頂きたいのです。反論
されて初めて、自分の非が分かる、そんな感謝の念さえ生まれるよ
うな誹謗をこそ、私は望んでいるのです。
 多少感情的になられても、私は出来るだけ押さえて、それに応じ
た論文をお送りしますから。あんまりひどい時は、「その人からの
MLは読まずにごみ箱へ」という手段もあります。私の論文がお気
に召さないときは、そうなさってください。私以外の方の、素晴ら
しい論文を同時に止めてしまうのは、私としてはそちらの方が辛く
思うのです。
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(Fのコメント)
米国や日本の発電機製造会社は特需景気を謳歌しているそうです。
各工場が発電機を争って買っているようで、分散電源の普及にはい
いのかもしてませんね。
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米加州電力危機、西部広域に波及も  日経
 【シリコンバレー25日=岡本文雄】米カリフォルニア州の電力危
機の影響が、西部の広い地域に広がる可能性が出てきた。米エネル
ギー省は危機に対応して隣接する州から余剰電力をカリフォルニア
州に回すよう繰り返し求めている。だが、隣接州でも電力供給余力
は乏しく、カリフォルニアの混乱が長期化すれば、他州でも地元向
け電力供給に支障が生じかねない。すでに西部広域で卸電力価格が
高騰、小売価格引き上げの動きも出始め、産業のコスト増への懸念
も強い。 
 カリフォルニアやワシントン、オレゴンなど西部10州は第2次大
戦後、豊富な水力資源を背景に電力を相互融通する体制を作りあげ
た。どこか1州で電力が余れば自動的に他州に回す仕組みだ。だが
今回の電力危機では、補完体制がうまく機能していない。 

 有力な電力供給源となるオレゴン、ワシントン両州の水力発電所
は天候要因もあってダムの水位が不足、余力はほとんどない。行政
命令に基づくカリフォルニア州向けの強制融通が長期化すれば、地
元向けの電力確保が難しくなる。 

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