YS/2001.01.17 ==地域通貨的なもの== 「ソニー通貨」と“遺言”。日経さん、どうもありがとう。 ソニー通貨については、コラム準備中でした。昨年1月に特許申請と は驚きました。やはり情報が早いですね。 このソニー通貨を回収価格に使ってみてはどうでしょう。例えば次の 通りです。静脈が低リスクで構築できますよ。 ★新型バイオX ★希望小売価格 オープン価格(ソニーポイント10%まで使用可能) ★平均回収価格 30,000ソニーポイント(3年未満) ☆ソニーポイントのみで購入できるソニーポイントカタログ200X年 春号完成。詳しくはソニーリサイクルバンクにて!! 資源循環型移行への第一歩となるはずです。リスクも極力抑えること ができます。そうすればエンデもきっと喜ぶかもしれません。松下さん なんかも各地にショップがありますから、リサイクルバンクとして再活 用することもできますね。 ++++++++++++++++++++++++++++++++ 日経新聞1面企画「技術創世紀」 ★ネットが生み出す「新通貨」。ITが乱す統計。 いまをつかむ物差しが崩れる 東京都内の情報関連企業に勤務する新堀倫子さん(29)は昨年12月、 インターネット上に新しい「口座」を開いた。そこに振り込まれるのは 円でもドルでもない。目には見えない「ポイント」だ。 ■ポイント「入金」 指定されたいくつかの企業のホームページのサイトをのぞくと10ポイ ント、友人を紹介して100ポイント――。1単位が約1円に相当するポイ ントが次々と「入金」される。ポイント数に応じて小売店や旅行会社の 商品券などと交換することができる。 「おカネをかけずに旅行に行きたい」。新堀さんはパソコンに向かい ながら、期待を膨らませる。 「ポイント口座」を運営しているのは大日本印刷と米マイポインツ・ ドット・コム社の合弁会社。マイポインツ社は全米で同じ業務を展開、 1600万人の会員を擁している。 ネット上を行き交うポイントが果たす機能はおカネに近い。参加者が 増え、購入できる商品が広がれば、既存の通貨と同じ感覚で流通しても おかしくない。 同様のサービスを昨年6月から日本で展開しているビーンズ・ドット ・コム・ジャパンの坪田実マーケティング・ディレクターは「円やドル のようにポイントを流通させたい」と語る。同社の「ビーンズ」を使え ば、海外の商品をビーンズ建てで買うのも可能。為替相場を気にせずに 外国製品を手にすることができる。 通貨は国の信用力の裏付けがなければ流通しない。そんな常識を情報 技術(IT)が崩そうとしている。人や企業を瞬時に結ぶネットを武器 に、様々な「新通貨」が誕生する兆しが出始めた。 ■日銀幹部が関心 ソニーコンピュータサイエンス研究所の高安秀樹シニアリサーチャー (42)が打ち出したのは「ソニー通貨」の発行構想。昨年1月にこのアイ デアを特許申請した。ソニーのようなブランド力のある多国籍企業が為 替変動にほんろうされるのは理不尽と考えたのがきっかけだ。 ソニー通貨の価値はソニーが保有する金融資産の通貨構成比を基には じき出す。取引先などを中心にこの通貨を共有する企業連合を形成、ネ ット上での決済などに使う。 ソニー通貨にいち早く反応したのは「通貨の番人」である日本銀行だ。 ある日銀幹部は高安氏に面会を申し入れ、「為替リスクを除けるのは興 味深い」と感想を漏らした。日銀が関心を寄せるのは、企業通貨も可能 にするような電子決済技術の発達が、金融政策にどんな影響を及ぼすか を見極めようとしているからだ。 日銀は昨年11月にまとめた研究会の報告書の中で、電子商取引の普及 に伴い疑似通貨が登場したり、外貨決済が増加したりする可能性を踏ま えて、「技術革新が金融政策の有効性を低下させる可能性もある」と指 摘した。円を直接利用しない取引の比重が増せば、円金利の操作などを 通じて効果を発揮する金融政策の影響力が鈍りかねないという認識だ。 研究会のメンバーでもあった伊藤元重東大教授は「日銀には、これま での延長線上で金融政策を運営していくと、失敗しかねないという危機 感がある」と3年越しの議論を振り返る。 ■物価指数やり玉 技術革新が揺さぶるのは金融政策だけではない。 昨年9月。政府の統計審議会で、卸売物価指数がやり玉に挙がった。 ある委員が、目まぐるしいコンピューターの技術革新に統計が追いつ いていないのでは、と疑問を呈したのだ。今年度の経済白書も「日米の パソコン価格を比べると、米国の低下幅が統計上、かなり大きい」と指 摘、指数の改善を促した。 マクロ経済政策を運営する当局にとって、物価上昇率は極めて重要な 物差しになる。景気判断の際に注目される実質国内総生産(GDP)成 長率を測る上でも大きな役割を果たすからだ。実質GDPは名目のGD Pから物価変動分を除いてはじき出す。物価の下落が技術革新によるの かどうか、などを見極められなければ、政策判断を大きく誤る可能性も 出てくる。 戦後、14の経済計画を世に送り出した経済審議会。昨年末に半世紀の 歴史に幕を閉じ、その間の活動を総括した。この中で、バブル経済と並 んで率直に反省を加えたのがITの重要性に関する認識の遅れだった。 「最先端の科学技術の経済社会への影響を的確に把握することが肝要」。 経済審が21世紀の政策当局に自戒を込めて書き送った“遺言”である。