1月6日に発生したインドネシアの味の素事件の方向が見えてき ましたので、評論します。このコラムは相当な方たちがみているの で、事件解決に悪影響を及ぼすと思い、論評を差し控えていました が、ワヒド大統領からも、「味の素」は大丈夫との言明をいただき 、このコラムで論評します。(Fより) イスラム教は、日本の宗教と違い、日常の法律が戒律になってい る。このためのこの戒律違反のための宗教裁判所を持ち、行政機関 とは別に機能している。法律の立法と裁判が分権している社会とは 違う。このイスラム法の食事規定等の解釈をハラル委員会で行って いる。宗教界はしかし、行政権はないので警察に告発して、行政権 の行使はしてもらうことになる。 警察は、宗教裁判所の支持に従うことになる。このため、ワヒド大 統領がYESといっても、宗教界の反対があれば、無効になるが、 ワヒド氏自身が宗教界の出であり、かつハラル委員会の委員をして いたので、その面からワヒド大統領の発言は有効的に働くのです。 ここで、日本の動きですが、味の素はさすが早い対応であったと 思う。1月6日にHP上で事件の詳細を解説し、対応策を取ってい る。日本政府は、1月9日に高村法務大臣がワヒド大統領と会い、 釈明をしている。この釈明が有効であったから9日のハラルとして 問題ないとのワヒド大統領の言明があるのです。 どうして、もう少し前に、外務省の河野外相がインドネシアに行か ないのか疑問である。そうすれば、より早い解決ができたような気 がする。外務省は、国民や日本企業のためにあるのであるから、 日本の企業の不始末についても、責任を感じ、対応することが必要 ではないのですか。外務省の幹部が公金横領をするなど、国民のた めの外務省になっていないと批判されることになるのです。日本の ため、日本国民、企業のための外務省を目指してほしい。その点、 元外務大臣の高村さんは、すばらしい。高村さんのような外務大臣 が日本には必要なのです。高村さん、今後も外務大臣の分までお願 いします。 ============================== 日本人ら全員を釈放 インドネシア味の素事件で インドネシアで「味の素」の現地法人が化学調味料の製造過程で 豚の酵素を使ったとして消費者保護法違反(虚偽表示)に問われて いる事件で、同国警察当局は11日夜、荒川満夫社長と小山洋介・ 技術担当取締役、インドネシア人幹部5人の7人全員を釈放した。 またインドネシアのビマントロ国家警察長官は同日、今回の事件 捜査を国家警察に格上げして続行する方針を明らかにした。製造過 程について独自の再調査を行うという。 (1/1223:47asahi) ============================== <味の素問題>豚肉成分は一切含まれず インドネシア政府が発表 (毎日新聞) インドネシア政府は10日、「味の素製品には豚肉成分は一切含 まれていない。製造過程の検査でも、問題になる成分は検出されな かった」との調査結果を発表した。ワヒド大統領は9日、同社製品 を「イスラム教で許されているハラルだ」と言明していた。大統領 は事態収拾を図る方針だが、国民に戸惑いも広がっている。 [毎日新聞 1月10日] ============================== 日本人技術者ら6人逮捕=味の素調味料の豚使用問題−インドネシア (時事通信) 【ジャカルタ6日時事】インドネシア国家警察は6日、味の素の インドネシア現地法人「インドネシア味の素」が調味料の製造過程 で豚の成分を利用していた問題で、日本人社員1人を含む同社幹部 6人を消費者保護法違反の容疑で逮捕したことを明らかにした。 警察は5日夜、日本人の技術担当者ら東ジャワ州モジョクルトの同 社工場幹部4人を逮捕するとともに、同工場を封鎖。6日にはジャ カルタ近辺で同社のインドネシア人幹部2人を逮捕した。 [時事通信社 2001年 1月 6日 20:01 ] ============================== 2001年1月6日 インドネシアにおけるハラール問題について 味の素株式会社 インドネシア味の素鰍ナ製造している"AJI-NO-MOTO"につき、ハ ラール不適合との指摘があり、当局より製品の市場からの回収の指 示がありました。 尚、この件で当社社員が現地警察に身柄を拘束されているという 状況が起こっています。 この件についての弊社の見解は、以下の通りです。 @ 2000年9月インドネシアで、ハラールの認証更新時のハラール 委員会の査察においてグルタミン酸ソーダ生産のための菌の保 存用培地に、豚由来の酵素を触媒として作られた大豆蛋白分解 物質が一部使用されていることが指摘されました。 インドネシア味の素鰍ナは、グルタミン酸ソーダを生産する上 において、主原料及び副原料については、ハラールの重要性を 十分に認識し、ハラール違反になる物質は一切使用しておりま せん。 グルタミン酸ソーダは、発酵により生産されますが、発酵に発 酵菌を使用しています。 今回指摘されたのは、発酵菌の保存用の培地の一部の栄養源と して使用している外部より購入した大豆蛋白分解物質が、その 製造過程において触媒として豚由来の分解酵素を使っていたと いうことです。 尚、最終製品としての"AJI-NO-MOTO"には全く含まれておりませ ん。 A インドネシア食品医薬局としても、最終製品には豚由来の物質 は含まれていないとの声明を発表していますが、ハラール委員会 が当該大豆蛋白分解物質使用は、ハラール上適切でないと判断し たため、同局から回収の指示が出され、これに従う事に致しまし た。 B 同社はすでに2000年11月に豆濃培地への切り替えを行っており 、食品医薬局及びハラール委員会からは、ハラール上何ら問題な いとの見解をいただいています。 C 何れにしましても、このような状況になりましたことはまこと に遺憾でありますが、当社としましては現地当局に協力し、いち 早くお客様に安心してお使いいただけるよう努めて参ります。 以上