407−1.重国籍問題の視点



あけましておめでとうございます。イタリア在住のMIMIです。
ずいぶん前に、2重国籍について投稿し、その後の数々の意見、外国
人への選挙権の是非、そしてフジモリ氏の国籍問題など、興味深く
は意見してきました。一般的に、日本在住の方は2重国籍に否定的
、海外にいる方は肯定的なのは、やはり、自国にいて他国から移り
住んでいる人をよそ者として感じている人と、他国に移り住み、
よそ者として生活している人との感覚の差でしょうか。

私は今のところ、日本国籍のままです。なぜなら、私という人間を
形成してきたベースが日本にあるにもかかわらず、その国から外国
人扱いをされると言うことに耐えられそうもないから。
これはイコール、イタリアの市民権の必要を感じていないからでは
ありません。正確に言えば、日本に定住していないので、外国にい
る間は日本の市民権(シチズン)は必要と感じていませんが、日本人
であるという意識はありますから、国籍(ナショナリティー)は取り
上げられたくないし、逆にイタリアに定住し、私を除く家族はイタ
リア国籍を持ち、ヨーロッパの市民権を持たないために社会保険料
は彼らより高割合を納めなければならないとなると、市民権は必要
と感じますが、国籍はさほど感じません。

つまり、2重国籍が日本の法律で不可なら、(イタリアは可)せめて、
国籍と市民権を分けて考えてもらえれば、と思うのですが。

フジモリ内閣の初夢のコラムがありましたが、実現したらおもしろ
いですね。単一アイデンティティー国民のみの政治家が揃うと、み
んな同じ様な考えしか生まれてきません。自分たち方の国で生活し
てきた人の目から見ると馬鹿みたいな事をしでかしていると言うこ
とを自覚できないのです。外国にいてつくづく思います。
例を一つ。
イタリアでは特に冬場、都市での空気汚染(Pb、煤塵etc.)が著しく
、まず第一の原因と考えられたのが自動車。ここまでは一般的。
ここで打ち出された対策が、交通量を半減させるため、汚染値が高
くなるとナンバープレートの奇数偶数に分けて隔日ごとの交通規制。
この規制は雨があると汚染値が下がるために中止。ちなみに、この
頃はほとんどの車が有鉛ガソリンを使用。(1990頃)
その後日曜日に全面規制、平日9時から17までの全面規制(そのため
に仕事に大影響)等、多少のバリエーションはあっても規制のない時
には、人々は子供達を車で送り迎えをし、(実際、幼稚園と小学校の
2カ所に同じ様な時間に送り迎えをしなければならないとなると、
バスなどを待っていては間に合わない。)通勤をし、規制の話がでる
と雨乞いをし、重油を使っての暖房システムは公団住宅を中心に改
善なし。

日本では昭和40年代に排ガス規制をすでにしていましたし、小学生
になれば子供達だけで外出することが可能です。又、都市交通が
発達しているために、車で通勤するより、電車の方が決まった時間
に到着できるため、ほとんどの人は通勤のためには車を使おうとも
思わないはずです。
一時的に車を減らす方法しか思いつかない政治家達。なぜイタリア
ではこんなにも車が必要なのか、外国人の意見も採り入れれば、
もっと有効な解決策がでてくると思いますが、外国人には発言権が
ないのです。

最後にマザー・テレサは3重国籍だったのをご存じですか。出生国
のアルバニア、生涯を捧げたインド、聖職者ですからバチカン市国
の3つのパスポートを持ってイタリアに着たとき、当時の大統領に
「パスポート集めが私の趣味なのです。イタリアのも頂だけますか
。」と本気か、ジョークかは知りませんが尋ねたとか。
その結果4つ目のパスポートを手にしたかどうかまでは知りません
が誰もかの書の多国籍を問題にしなかったはずです。

MIMI
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(Fのコメント)
MIMIさん、惜しさ渋りですね。本当に異文化を知っていると、いろ
いろなアイデアがでてきますよね。それと、フジモリさんを今後も
このコラムではウオッチしていきたいと考えています。


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