404−3.米国経済の動向



(Fより)
米国の景気が失速している。株安による逆資産効果で消費者の12
月クリスマス商戦は伸び悩み、その後のクリアランス・セールも
あまりパッとしない展開となっていた。

 この状況で、FRBもとうとう、金利引下げを行いことになった。
しかし、1日株価が上がったが、その後はやはり株安になっている。
それはそうだ。米国企業の収支見込がほとんどの企業でマイナスに
なっているからで、株が上がる状況ではない。

FRBとしては、金利差4%を日本の金利との間に差を置きたいた
め、日本の金利が0%としても、年6%金利から2%弱の金利差し
かない。この金利差であると、0.5%の引き下げで4回しかでき
ないことになる。ドルの全面安にしないため、現時点では円安は、
米国も歓迎であるが、4%の金利差以下になった時、日本のドルが
円に戻る心配をする必要があり、ドル信認の問題が浮上するように
思う。ユーロがドルに対し、上昇しているのはいいことであり、
日本の弱さが一段と際立つ展開になっている。

 しかし、日本の今後を見ると、構造改革推進の体制が今一明確で
ないため、このままの円安の状態で当分いる可能性もあるようだ。
米国への株投資をして損した人は、円安の間にドル売りして、撤退
することをお勧めする。円が安い分だけ、損が小さく見えるためで
す。米国の景気はドンドン落ちる方向にあり、その内、銀行などの
信用不安が起きる可能性を否定できない。インターネット関連企業
に貸している資金はほとんどが戻らないためで、米国のバブル崩壊
も日本以上の状態になっている。

 このため、FRBのグリーンスパンは、1998年から2003
年までの日本財務当局のへまな対応をシュミレーションしていると
いうが、どの程度米国はうまくできるか見物ですね。
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(1/3日経)FRB緊急利下げ、FF金利6.0%に・景気失速回避狙う

 【ワシントン3日=吉次弘志】米連邦準備理事会(FRB)は3日
、短期金利の指標であるフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導
目標を現行の年6.5%から0.5%引き下げ、年6.0%にすることを決め
、即日実施した。今回の利下げ決定は、金融政策の運営方針を決め
る定例の米連邦公開市場委員会(FOMC)とは別の緊急措置で、
ヘッジファンド危機で金融市場が混乱した98年10月以来。FRBは
米景気の減速が一段と鮮明になってきたと判断、緊急利下げにより
景気の失速回避と株式市場の安定に向け強い姿勢を示した。 

 次回の定例FOMCは2001年1月31日―2月1日の予定。FRBは3
日、定例会合を待たずに緊急でFOMCを召集し、誘導目標FF金
利の引き下げを決めた。さらにFRBはその後の理事会で、民間銀
行に資金を供与する際に適用する公定歩合も現行の年6.0%から
年5.75%に引き下げることを決定した。 

 FRBが異例の緊急利下げに動いたのは米景気の減速が目立って
きたのが原因。企業業績の下方修正が相次ぎ、設備投資などが減退
する気配が出ているほか、雇用・所得環境の悪化により消費マイン
ドも冷え込みつつある。また、金融市場が企業の信用状態に過敏に
反応しており、一部では銀行の貸し渋りも懸念され始めた。 

 FRBはこの状況を放置すれば米景気が冷え込みかねないと判断
。緊急利下げを実施して「景気テコ入れ」へ向けた強い姿勢を示し
、市場心理を好転させることを狙った。FRBは12月19日のFOM
Cで政策運営方針をそれまでの「インフレ警戒型」から「中立型」
を飛び越して一気に「景気配慮型」に変更することを決めたばかり。
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米国株大幅安・金融、ハイテク下げ主導  日経
 【NQNニューヨーク=向江睦】5日の米国株式相場は大幅続落。
ダウ工業株30種平均は前日比250ドル40セント安の1万662ドル01セ
ントで取引を終えた。ニューヨーク証券取引所の売買高は、午後4時
までの通常取引で14億973万株。ハイテク株の比率が高いナスダッ
ク総合指数は急落。同159.18ポイント安の2407.65で終了した。 
 企業の業績予想の下方修正が相次ぎ、翌週から本格化する2000年
10-12月期決算発表を控えて、収益懸念が一段と強まっている。朝方
からバンク・オブ・アメリカに不良債権増加やデリバティブ取引な
どの巨額損失のうわさが広がり、金融株主導で下げて始まった。
いったん下げ渋ったものの、午後にはハイテク株の下げがきつくな
り、ナスダックは一時、2400を割り込むなど相場は再び下げ足を速
めた。 
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米個人消費、急ブレーキ     日経
 【ニューヨーク5日=山室純】米主要小売業の売上高の低迷が顕
著になってきた。大手各社が4日発表した2000年12月の売上高伸び率
は、前年同月比0.7%増にとどまった。2000年の通年では前年比4.0%
増を確保したが、5年ぶりに前年の伸び率を下回った。米株式相場下
落で「逆資産効果」が生じ、消費が伸び悩んだうえ、一部地域が豪
雪に見舞われたことが低迷の要因になった。4日には小売業大手のウ
ォルマート・ストアーズが業績予測を引き下げ、シアーズ・ローバ
ックはリストラ策を発表した。米連邦準備理事会(FRB)は3日に
緊急利下げを実施したが、「消費者心理が一気に改善することは難
しい」(米エコノミスト)との見方が根強い。 


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