404−2.少年犯罪について



                                 まっちょん
   
 国際問題とは直接的関係がないのですが、昨今増加してきたと云
われる少年の犯罪について少々。 

 報道などでは、ゲームや映画、TVからの悪影響により仮想と現
実の区別がつかなくなったことが原因としてあげられ、批判される
ことが多いのですが、これに納得している青少年がいるとは思えな
いのです。 

 どの事件であったか忘れましたが、加害者の少年が「ゲームの影
響か?」と訊かれたことに対し、「マスコミが考えそうなことです
ね」と答えたそうです。つまり少年達は大人が考えているほど仮想
と現実の区別がついていないわけではなく、関連づけて騒いでいる
ことを冷めた視線で見ているのです。 
 もちろん、感受性の強い少年期に残酷なものを見て、まったく影
響を受けないはずはないのですが、罪を犯す原因として槍玉にあげ
られるほどのものではない。巷を騒がせている映画の「バトルロワ
イヤル」もそうですね。本当に感受性が強い人間は作品のテーマに
影響を受けるもので、見た目に流されるわけがないのです。 

 思うに彼らが犯罪を起こす・・・起こせるのは、罪の意識がない
からでしょう。自由の獲得をお題目として発展してきた世界、親が
子に対して自由であることを教えてきた社会に於いて、欲求を妨げ
る罪悪感が存在しなくなってきたことは必然なのかもしれません。
罪悪感のない人間は近所に買い物に行くのと同じ気分で、他人を傷
つけることができるのです。そこには動機すら必要ではないのです。
怒りや憎しみでなく、いらなくなったおもちゃを捨てるのと同様に
、犯罪を起こせるのです。 

 まあ、見たところこのようなまったく社会性のない犯罪者は少な
いようですが。神戸の事件と、その他2,3件といったところです
ね。他には衝動的に犯す場合がほとんどです。大人と違いがあるわ
けではありません。 

 また他の原因として、社会の閉塞性があげられるかもしれません。
情報によって世界が狭くなり、多様な生き方ができるといわれつつ
も、少年達にとっては現実的に道がひとつしかない社会です。勉強
ができるかできないか、それだけが彼らに教えられる価値観です。
情操教育よりもテストの点数が重視されているのは疑いようのない
事実ですから。 

 その世界に合わなかった人間は変化を欲する。大人の決めた社会
から飛び立つために、極端な行為に走る。それは彼らにカタルシス
をもたらす小さな革命なのでしょう。 
==============================
Re:世界の少年               ヒロ   
   
 ちょっと気になりますので書き足します。 
数ヶ月前の文芸春秋と思います。脳学者の養老孟氏が犯罪を起こす
少年の脳に異常が認められる、そのようなことを書いてました。 
環境問題や複雑なことがあるかもしれません、ゆっくり考えてみた
いです。


コラム目次に戻る
トップページに戻る