401−2.中東和平の行方について



(Fより)
 1月20日のクリントン大統領任期満了まで、あまり時間がない。
1月3日にアラファト議長がクリントン大統領と会議したが、当初
難色を示していたが、イスラエルが大きく譲歩した案であるため、
ここで、それ以上の譲歩を迫ると決裂する可能性があり、条件付受
け入れにアラファト議長もしたようだ。

しかし、1月20日までに決着しないと、ブッシュ政権では和平交
渉の経緯もわからないためまとめることは不可能になる。そして、
イスラエル首相選挙に突入してしまうことになる。ここで、もし、
リクードのシェロンが勝つと、和平はありえないことになる。
ネタニエフ前首相もそう宣言している。

ここで、前回との相違点であるが、イスラエルの超保守派夫妻が、
ヨルダン川西岸地域で殺されている。ハマスの幹部も暗殺されてい
る。このように、両サイドの強硬派が、民衆から遊離して、暗殺さ
れる隙を見せている。強硬派の力も弱くなっている。

しかし、今回の和平案はあまりにイスラエルに大きな譲歩を強いて
いる、不利な条件が多い。これは、バラク首相が和平を焦っている
証拠なのでしょう。このままでは、首相選挙にも勝てないような気
がする。どうも、バラク首相は米国傀儡政権の臭いがする。このた
め、バラク任期中に和平を実現して、米国のサウジ石油利権を保護
したいのでしょう。米国の都合で動いているように思う。これは、
米国のユダヤ人とイスラエルのユダヤ人の利害が相反しているため
に、このようなことになるのでしょうが。さあ、見物ですね。
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アラファト議長、和平仲介案を条件付きで受け入れ  

 米ホワイトハウスは3日、アラファト・パレスチナ自治政府議長
が中東和平交渉をめぐるクリントン大統領の仲介案について「いく
つかの留保条件」をつけたうえで受け入れた、と発表した。米政府
のロス中東担当特使は、相次いで訪米することになったイスラエル
、パレスチナ双方の特使と個別に協議し、仲介案を踏まえた和平交
渉の本格再開を働きかける。和平合意の達成が難しい情勢に変わり
はないが、クリントン大統領は任期切れの20日まで調停努力を続
ける意向を示しており、和平問題は4日のアラブ連盟特別委員会の
協議と併せ、最後の山場を迎えつつある。
 アラファト氏は3日、ワシントンで記者団に対して、「和平プロ
セスを前進させることが重要だ」と語った。アラファト氏との計3
時間余に及ぶ会談を終えたクリントン大統領は3日、バラク・イス
ラエル首相に電話でパレスチナ側の回答を伝えた。

 ホワイトハウスは留保条件の中身を明らかにしていない。アラフ
ァト氏は、パレスチナ難民の「帰還する権利」をめぐる判断を「イ
スラエルの裁量」にゆだねている点や、エルサレムにある聖地の主
権の扱いなどについて、不満を表明したとみられる。アラファト氏
は4日にカイロで予定されているアラブ諸国外相との協議の場で、
米国案への対応を示す見通しだが、根幹部分にかかわる留保姿勢が
強硬な場合、交渉の行方は予断を許さない。

 シーワート米大統領報道官は3日、「留保つきとはいえ、イスラ
エルとパレスチナが仲介案を受諾したのは一歩前進だ。これから解
釈の違いについて調整をはかりたい」と語り、「留保条件」で歩み
寄りをめざす考えを示した。イスラエルの和平交渉担当者シェール
首相府長官は4日にもロス特使と会談する。米政府当局者は、パレ
スチナ側も2、3日以内に特使を派遣する予定だ、と述べた。

 一方で米国家安全保障会議のクローリー報道官は、大統領とバラ
ク首相、アラファト議長の3首脳会談開催の条件が依然として整っ
ていないことも認めている。
(1/415:18asahi) 
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アラファト議長、アラブ外相と協議 米仲介案に回答へ  

 アラファト・パレスチナ自治政府議長は4日、ワシントンからの
帰途、カイロを訪問し、ムバラク・エジプト大統領と会談。その後
、クリントン米大統領が提案している仲介案への対応をめぐり、ア
ラブ8カ国外相との緊急会談に入った。自治政府のシャース国際協
力相(外相に相当)は、米仲介案に対する対応について、「外相会
談後に最終的な立場を表明する」と述べた。
 外相会談では、アラファト議長がクリントン大統領に示した「留
保条件」のうち、パレスチナ側に断念するよう求めている難民の「
帰還の権利」に関する協議が焦点になるとみられる。自国内にパレ
スチナ難民を抱え、イスラエルとの交渉が中断しているシリア、レ
バノンなどは、「米、イスラエルの策略にだまされてはならない」
(シャラ・シリア外相)と、帰還権放棄に強く反発している。
(1/421:18asahi) 
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「リクード政権なら和平合意は破棄」 イスラエル前首相  

 イスラエルのネタニヤフ前首相は4日、パレスチナ側への譲歩に
反対するユダヤ人入植者の集会で、首相公選で野党リクードが政権
を取れば、バラク現政権が結ぶいかなる和平合意も破棄すると述べ
た。
 来月6日投票の首相公選には、再選を狙うバラク首相に対し、最
大野党リクードのシャロン党首が立候補している。リクードは、領
土の譲歩による和平には反対なうえ、国会で過半数の支持を得てい
ない現政権にはパレスチナとの和平交渉をまとめる権限はない、と
けん制を強めている。
(1/515:11asahi) 


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