396−1.21世紀を展望する



2001年は、21世紀の始まりです。今日は、T君とFの対談を
お送りします。
F、T:明けましておめでとうございます。今年もよろしく。

F:T君は、コンピュータ技術者なので、まずインターネットの発
展をどう思いますか??を述べてほしいですね。

T:今は、コンピュータ技術者というのは、あまり尊敬される職業
ではなくなったと思います。(笑)Fさんの時代は高級技術者だっ
たかもしれませんが。大型計算機は数百億円もしていましたから。
現在、コンピュータ技術者以外の人がIT革命を議論しています。
そして、どちらかというと、コンピュータ技術者の方がおくれてし
まったような感じがします。それは、インターネットの利用がどこ
までいくのかは、コンピュータの問題ではなく、利用技術の問題だ
からです。

 このため、コンピュータ技術者は、セキュリティなどのインフラ
の動向は分かりますし、IPv6などの技術的な動向は言えますが
社会にどう影響するかは、分からないのです。
私は、インターネットのHPがワン・ウエーであるため物足りなく
感じ、このHP(コラム)を双方向の手段の実験として立ち上げま
したが、これだけの反響があるとは思いませんでしたね。
それも、Fさんの意見や思想に共鳴する人が多かったためと考えて
います。それと、最初から双方向の手段と考えたHPにしたことで
しょうね。Fさんはどう思いますか?

F:Tさんご苦労様です。ほとんどHPのメンテはお願いしていま
すし、私は勝手なことばかり言っているだけですから。
IT基本法ができて、インフラの整備はできると思いますが、イン
ターネットの特徴を生かしたコンテンツがあまり無いように思う。
今までの延長線上にしかなかった。このコラムは双方向性を生かし
たHPで、構想を聞いたとき、面白いと感じて参加したが、やはり
と思う。T君の発想の勝利ですね。このコラムの双方向性をMSJ
や朝日新聞HPがマネし始めている。いいことです。特に、朝日
HP上の外国人参政権の議論は非常に面白かった。やっと、日本で
も、このようなことが大新聞社でできるようになった。

それと、その議論がきっかけとなり、外国人参政権問題が変質した
。自民党、公明党の方達もある程度は影響されたのでしょうね。そ
の後、民主党がインターネットで政策を公募したり、自由党が討論
会を開いたりと、定着する方向になって、都会の会社員が自由人と
なって、政治に参加できる基盤が出来始めている。もちろん、一番
得をしたのが海外にいる日本人で、距離に関係がないため、海外か
ら見た日本の問題点を指摘し、かつ在外日本人のことも考えろと、
外国人参政権問題で発言していた。日本は会社人が政治に参加でき
ないという異常な状態にあったが、この海外日本人が突破口を開い
たようだ。

増田俊男さんのメルマガで面白いことを言っているのでご紹介しま
す。
(引用開始)
 インターネットを中心とした情報革命が「革命」とされる理由は
情報のベクトル(方向)が逆転したからである。人類が最も効果的
として経験上作り上げた情報処理、運営、管理システムがピラミッ
ド型制度である。国家組織、会社組織、総てピラミッドである。

 ここでは情報が「縦」(上下)に移動し、情報を動かす力は「権
力」(命令系統)である。今や情報はインターネットに乗って「水
平」に走りまくり、そして情報発信、受信のエネルギーは「自由な
個人」の意思に代わった。だから革命なのである。人間社会は総て
情報を基盤として成り立っているのだから情報のベクトルが逆転す
れば社会組織が逆転するのは当然のことである。20世紀まで人類が
築いてきた総ての社会システムは今音を立てて崩壊しようとしてい
るのである。

 今まで人類は「資本の意思」に支配されながら覇権を求めてきた。
そのため自然の物理的法則を最大限利用し、自然破壊を犠牲にしな
がら物質文明を築き上げてきたのである。そのために最も効果的だ
ったシステムが資本主義制度であり、資本主義社会だった。

この社会は総て代議制で成り立っている。政治では議員代議制であ
り、会社では株主代理制である。主権者、株主、消費者の権利を代
理行使する制度である。主権者である個人は常に「国民の為、株主
の為、消費者の為」と言われながら何時もふと気がついてみると、
いや、ほとんどの場合は気が付かぬうちに、法や制度の名のもと搾
取され続けてきたのである。「自由な個人」が既存組織の権力シス
テムの中から脱出し、会社にも、国にも、何処にも属さぬ自由な個
人として自らを発見する時、初めて人類は人類本来の歴史を始める
のである。そしてそこで人類が求めるのは「人間の外側」ではなく
「人間の内側」なのである。人は何故誰一人として同じ顔をしてい
ないのか、人は何故一定の空間を独占しているのか、その意味する
ところが発揮される新しい時代が始まろうとしている。私はこの時
代を「ダイレクトイズム時代」と名付ける。
(引用終了)

私も、この意見に賛成ですし、どうも、YSさんも、得丸さんも、
この線上の議論をしていると思うのです。今後は、会社や国家を離
れた自由人の意見が大きな影響を世の中に与えることになると思う。
特に、日本では海外にいる日本人の方が比較の対象を持っているた
め、自分を客観視できるので、有利である。日本人と感じるのは、
日本ではなく、海外に居る時ですからね。21世紀は、20世紀の
代表民主主義&資本主義ではなく、個人民主主義&世界市場主義に
なるでしょうね。
T君、技術的な問題ベースに21世紀を、見通してください。??

T:セキュリティ問題は今後も大きいと思います。サイバー自体が
、社会的インフラとなると、そのガードがしっかりしないと犯罪の
温床になり、多くの方の不利益になりますから。それと、犯罪を犯
した場合の罰則をハッキリしていくことと、国際的な条約を世界的
に結ぶ必要があります。日本は子供のヌードについては問題にあま
りしないが、米国は禁止ですし、逆に大人のヌードは日本では禁止
ですが、米国はOKです。制度の差があると、HPサイドを両国に
置いて、全ヌードOKのHPを作ることができるためで、この仕組
みが必要になるのです。

これを1歩進めると、国際連合政府が、インターネット関連の法律
を作り、各国が国内法を整備する。もし、この法律を批准しないと
、インターネットを接続しないとする。
これは、とりもなおさず米国流グローバル化の完成の姿になる。し
かし、そうなる可能性は多いにあると思う。インターネットに関し
ては、国境がないためで、最初からグローバルであるためだ。

もう1つ、大きいのがIPv6で、ほとんどの機器はインターネッ
トに接続されるためで、この影響は大きいと思う。特に機器の監視
が簡単になるため、グローバルな機器販売の大きな道具ができて、
機器の世界支配は、簡単になるはずです。この時、大きく得をする
のは日本の可能性が高いと思います。拡大日本というのは、このよ
うな道具があるためです。

3つ目には、日本の技術が世界に出ているが、製品のメーカは日本
メーカとなっている。一時、韓国の大宇や現代などの電子機器が、
世界を風靡したこともあったが、現在、中国製日本電子機器が値段
と品質により、圧倒している。台湾製電子機器もほとんど中国本土
で製造しているので、日本と台湾が世界機器のメーカとなっている。

製造工程の細かい欠陥を修正できるのは、日本人の感性しかないよ
うだ。中国で製造している会社の幹部に聞くと、ラインの長が日本
人である場合は細かい修正により生産性・品質を上げる。中国人の
ライン長は、大きな改善を狙い、細かい修正は不得手であると。
日本人は細かい修正が得意であるが大きな構想を描くことが不得手
である。この人種間の差を利用した会社が世界企業になるのでしょ
うね。日本企業を買収したフォードやルノーがどうなるかが21世
紀の見物ですね。もう1つ、日本メーカは適地適作が可能なのです。
人的資源がある国で製造すればいいのです。日本人の工場長や品質
管理者だけ送るのです。

4つ目がエネルギーの問題。省資源や省エネ、そして自然エネルギ
ー、循環型社会はすべて、エネルギーの問題です。この解決がない
と21世紀の中葉で社会が大きくダウンする可能性がある。
この問題は現実的な対応を急ぐ必要があり、急務の課題となるはず。
そして、いつもそうであるが、世界は危機意識だけを持つが、その
解決をするのが日本となる予感がする。米国のマスキー法で、日本
のホンダ車しか、期限内にクリアできなかった。そして、フォード
は日本に輸出できないから、日本の廃ガス規制は参入障壁とまで言
ったのです。このことが再度起こる可能性がある。ヨーロッパは、
社会の仕組みや負担で、この循環社会を作るとしているが、どうし
ても技術が必要なのですが、その方面にはあまり関心がない。

クリーン・エネルギーの効率化や電気の効率的な運用などの技術が
必要であるが、この分野はアナログ分野であり、今までのオーディ
オ回路や電気回路などの技術がベースになるのです。この分野は、
日本が押さえている分野ですから、日本からアイデアが出る可能性
が高いと思うのです。
このように、技術的な分野は日本が強いのですが、そのベースであ
る教育がおかしいのは、気になりますね。ここら辺はどうですか?
Fさん。

F:この問題も大変ですが、いろいろと議論しましたが、有効な解
決策がないようです。日本人も皆がある程度金持ちになり、あせくせ
しなくなったのでしょうね。ガンバルという言葉がその内無くなる
可能性がある。21世紀はまた、人口減少の時代ですから、経済も
停滞することになるでしょう。日本は外国人を国内に入れずに、
工場を出してきた歴史があります。今度、当分はこの延長上にある
のでしょうね。フジモリさんの国籍でさえ問題にするのですから、
日系人でない外国人の受け入れはまだまだでしょう。恐らく。

フジモリさんで思い出しましたが、今後、独立国家になっているが、
白人支配を続けている国家群がアフリカや中南米にありますが、
その国家群で、白人から現地人への支配権シフトが起こるでしょう
ね。ペルーでも、フジモリ氏を悪く言っているのは、スペイン系の
白人たちで、インディオたちは今でも、フジモリさんを支持してい
る。いかに、白人支配が終焉したかが明確。しかし、暫定政権で白
人たちに再度権力が移行した。選挙をすると負けることが分かって
いるため、選挙自体を延期しようとしている。

この白人支配は中南米諸国は同じ構造であり、アフリカも白人が、
要職を占めた黒人政権であったが、ジンバブエで白人が政権から追
い出されて、農園主たちが殺されることになった。この状況が南ア
共和国に飛び火している。コートジボアールでは、選挙阻止したゲ
イ大統領の反乱直後、3000人のフランス軍が動こうとしたが、
ゲイの軍との衝突が必至であったため、フランスは腰砕けになって
しまった。この国も、要職はほとんどフランス系白人であったが、
今後、白人は要職から辞任させられるでしょう。

21世紀前半は、まだまだナショナリズムがイスラム・中南米・ア
フリカでは、大きくなるでしょうね。これらは、白人支配政権の奪
還という動きと関係あると思う。しかし、欧米日などの先進諸国群
は、国家意識より国際的な自由貿易圏や二重国籍などの問題を通じ
て一体的な政治になるのでしょう。このため毎年サミットも行って
いるし、日米韓で東アジアの政治をする仕組みができている。

T、F:今年もどうかこのコラムを御贔屓ください。それと、皆様
の意見で成り立っているサイトですので、ご意見もお送りください。

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