(Fより) クリントン大統領は、1月20日の辞任する日までに中東和平がで きるか疑問符がついてきている。アラファト議長も、ハマスなどの 強硬派を説得できないと、イスラム圏で孤立することになり、ヨル ダン川西岸と東エルサレムを領土としたパレスチナ国家建設ができ なくなる。 このため、エジプトのムバラク大統領と協議しているのであるが、 イスラム穏健派と自国の原理主義者やハマスとの調整にアラファト 議長は苦労している。イスラエルのバラク首相も2月には辞任し、 選挙を迎えるが、その選挙で当選するがどうかは、わからない。 なんせ、支持43%、反対48%であり、シャロンが当選する可能 性もあるのですから。 このため、バラク首相は、2月までには和平を現実の物とする必要 がある。そうしないと、選挙ができないし、勝てない。 もし、シャロン氏が勝つと、当分中東和平はなく、イスラムとの 闘争が続き、イスラエル国内経済はぼろぼろになるでしょう。 経済発展にはどうしても平和が必要なので、平和がないと、技術者 や資金は海外に逃避してしまい、イスラエルは二重の苦しみを味わ うことになる。1つは経済破綻、もう1つがテロ。 アラファトも、バラクとは和平交渉ができ、有利な条件で和解でき るが、シャロンではイスラエルとの和解が出来ないため、強硬派が 国内で力を持ち、この強硬派に反対するエジプトの支持が得られな いことになる。 米国はサウジとの友好関係を維持する必要がある。この友好な関係 にイスラエルとパレスチナの闘争はいい結果を生まない。サウジは イスラム教の守護が役割の国ですから、イスラエル非難を言う必要 があり、米国がイスラエル支持であるため、米国批判もする必要に なるのです。これは米軍基地反対の国内世論を作りますので、これ を押さえる必要がでます。 もし、米軍基地がなくなると、イラクの侵略に対抗できる軍を持っ ていないため、サウジの王制が維持できない可能性もあるのです。 米国の中東政策全体の石油権益が守れるかどうかですから、石油権 益擁護のブッシュ次期政権は、イスラエルとの断交も行う可能性を 否定できません。イスラエル選挙でシャロンが首相になって、パレ スチナとの交渉を破棄したとき、どうでるかでしょうね。 さあ、この世界的な歴史的行為を見物しましょう。 ============================== イスラエル世論は譲歩支持43%、反対48% イスラエル最大紙イディオト・アハロノトは25日、米国が示し たとされるパレスチナ和平合意仲介案に関する世論調査結果を報じ た。エルサレムの帰属やヨルダン川西岸からの撤退問題での譲歩を 支持するか、という質問に対し、「支持」は43%、「反対」48 %だった。 個別の質問では、エルサレムのパレスチナ人居住地区をパレスチ ナ側に移管する、とされていることへは支持60%、反対39%だ った。将来「2国の首都」にすることに、多くの人が賛成している。 また、旧市街にあるイスラム教、ユダヤ教双方にとっての聖地をパ レスチナ側に渡すことは43%が支持、57%が反対だ。 パレスチナ人難民の一部(約5万人とも伝えられる)が、今はイ スラエル領になっている故郷に帰還するのを認めることには、反対 が72%と圧倒的に多く、支持は27%しかない。 西岸のユダヤ人入植地を統合し、約95%から撤退するのを支持 するか、との問いには51%が支持、反対は39%だった。 (12/2602:41朝日) ============================== 2000/12/29−00:19 時事 パレスチナ、米調停案への判断なお留保 【エルサレム28日時事】パレスチナ自治政府のアラファト議長は 28日、カイロでムバラク・エジプト大統領と会談し、クリントン 米大統領が提示した和平調停案を協議した。会談後、ガザに戻った アラファト議長は「パレスチナ解放機構(PLO)指導部レベルで 調停案の検討を続ける」と述べ、引き続き同案を受諾するかどうか の判断を留保した。 ============================== 2000/12/29−07:03 時事 1月20日までの合意は可能=米大統領、最良の機会と訴え ―中東和平交渉 【ワシントン28日時事】クリントン米大統領は28日、ホワイト ハウスで記者会見し、難航するイスラエルとパレスチナの和平交渉 について、自身が退任する来年1月20日までの合意は可能だとの 見方を示し、「今後3週間が合意を成立させる最良の機会だ」と述 べた。 ============================== テルアビブで爆発2件、1人死亡、14人負傷 イスラエルの地中海沿いの都市テルアビブで28日、運行中の路 線バス内で爆発があり、乗客11人が負傷した。警察によると2個 のパイプ爆弾が爆発した。軍などの情報によると、その数時間後、 パレスチナ自治区ガザ南部のイスラエルとの境界近くで、イスラエ ル兵らが道路わきの爆弾を処理中に爆発が起き、警官1人が死亡、 兵士3人が重軽傷を負った。エジプトでの首脳会談中止など和平交 渉の見通しが不鮮明になる中で、交渉妨害を狙った爆弾テロとみら れる。 バスへのテロではガザの通信社に、イスラエルとの和平交渉妨害 を狙うパレスチナ人のイスラム過激派組織ハマスの犯行声明があっ たという。だがバラク・イスラエル首相は、このテロ攻撃によって パレスチナ側との和平合意努力を中止することはない、と語った。 (12/2901:52朝日)