394−2.金正日外交に痛手



(Fより)
クリントン大統領の北朝鮮訪問断念との声明が出ましたので、分析
したいと思います。この声明は、当たり前で、米国外交の優先順位
は、中東和平の方が北朝鮮問題より上であるからで、この中東問題
の解決するための時間も迫っているので優先するのです。

 北朝鮮としては、クリントン民間人大統領の方が騙しやすいので
クリントンと交渉して米国との関係を改善する必要があった。
今後のブッシュ次期大統領は、軍部からの情報を加味して、判断す
るし、北朝鮮が軍備増強をしていることを問題にするでしょうから
、交渉が厄介になる。

 そして、米国との関係を正常化させないと、日本は、安心して
日朝交渉を中断のままにする口実を拉致以外に与えることになる。
これでは、日本から多額の賠償を取れない。取れないと、今の韓国
は自国経済もおかしいため、北朝鮮の経済支援は、ほとんどムリで
あろうことは、北朝鮮も理解できるはずで、北朝鮮経済復興資金が
どこからも出てこないことになる。日本をもう一度、交渉の場に出
す有効な脅しがない状態では、交渉促進としては拉致問題のカード
しかないことになる。

 しかし、このカードは切ると、国家犯罪を認めることになるため
、その後の反響が大きくなる可能性がある。それも当時、この部門
の責任者は金正日氏であったのであるから、他人に責任を転嫁する
ことも難しい。このため、このカードの切り方が問題である。

 しかし、他国で発見されたとしても、日本に帰ったら警察や報道
機関が経緯を聞くからその内、北朝鮮の拉致であることが判明する。
もし、拉致カードを引くなら北朝鮮政府内に責任者を作り、その責
任者の独断で拉致したことにして、その責任者を死刑にすることが
重要である。日本で北朝鮮の拉致が判明すれば、日本の有識者が国
際裁判所に訴えるでしょうから、そこで審議することになると何が
起こるか分からないためです。

今、冷静に考えて、この方法しか資金を得る方法がないでしょうか
ら、日朝交渉を再開し、北朝鮮から提案するしかないと考えられる。
もしくは、当分孤立の状態を維持して、次のチャンスを狙うか、
さあ、金正日委員長、どうします。
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Dec.29.2000韓国中央日報
クリントン米大統領、「訪朝しない」 
by ワシントン=キム・ジン特派員 

クリントン米大統領は28日(現地時間)、朝鮮民主主義人民共和国
(北朝鮮)への訪問を断念するとの声明を発表した。  
クリントン大統領は「韓半島の安定と和平を促進する方向に新たな
機会が開かれているが、(ミサイル問題に関し)北朝鮮と新しい協
定を準備する時間が任期中には十分でないとの結論を下した」と明
らかにした。 

また「今年10月、金正日(キム・ジョンイル)国防委員長が私の北
朝鮮訪問招待に続き、オルブライト国務長官が平壌(ピョンヤン)
を訪問した時、金委員長はミサイル計画に関する真剣な提案を出し
た」と公開し、「それ以来、われわれは北朝鮮と交渉を繰り広げて
きた」と説明した。  

クリントン大統領は「金大中(キム・デジュン)大統領の太陽(包
容)政策と指導力および韓・米・日の協力体制に支えられ、朝・米
関係に顕著な進展があった」とし、「北朝鮮への包容政策は展望が
良いだけに、米政府はこれまで成し遂げたことをもとにさらに進展
させていくべき」と強調した。  

声明発表とは別に、クリントン大統領は記者らと会った席で、「先
日ブッシュ次期大統領に会った時、私が進めようとしているものを
説明したが、彼は反対はしなかった」と話した。 
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2000/12/29−15:26時事
 クリントン米大統領の訪朝断念は金正日外交に痛手 

【ソウル29日時事】クリントン米大統領が28日、朝鮮民主主義
人民共和国(北朝鮮)訪問断念を発表したことで、訪朝実現により
対米関係の大幅進展を図ろうとしていた北朝鮮のもくろみは外れ、
英国などとの国交樹立で波に乗っていた金正日労働党総書記の外交
政策は痛手を受けた格好だ。 

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