392−3.インドなど南アジアについて



(Fより)
南アジアの情勢分析を、特にインド・パキスタンの情勢分析とその
動向を検討する。

パキスタンは、米国の兵器体系で、インドはロシア兵器体系であっ
たが、パキスタンはタリバンとの関係があり、米国から兵器を調達
できなくなっている。勿論死の商人がいるので、旧式兵器の補充が
可能であるが、ミサイルなど新兵器はほとんど中国から購入してい
る。北朝鮮製もあるかもしれない。このため、中国と軍事協約を
1999年に結んでいるようだ。

一方、インドは、ロシア製であるが、性能的に劣るレーダの購入を
イスラエル(米国兵器体系)からしようとしている。しかし、イン
ドの国力はパキスタンを大きく仰臥している。このため、パキスタ
ンは、インドに負けないため、インドが開発した原爆を中国から
技術導入して完成させた。そして、両国ともに原爆実験を行い、核
保有国になっている。

両国の問題はカシミール紛争で、パキスタンは、原理主義者を利用
している。原理主義者と組んでいるといった方がいいかもしれない
。このため、タリバンを切れない。このため、米国やロシアはパキ
スタンを疑いの目で見ている。パキスタンは公式的にはタリバンを
支援していないとしているが。パキスタンサイドはカシミールの紛
争では民兵が中心で、インドサイドは正規軍が対応する。カシミー
ル地域は全般的にイスラム教徒の方が多いためであるが、紛争を複
雑にしている。

インドは大軍備拡張を行っている。これは、もう1つの大国、中国
との国境紛争、インドのチベット支援で仮想敵国であるからで、
中国の軍事拡張を引き起こすことになる。インドが共通の敵である
パキスタンと中国は軍事協定を結ぶことになる。タリバンはロシア
と米国の共通の敵であり、タリバンを支えているのが実質パキスタ
ンであるので、ここではロシア・米国はパキスタンも敵になる。

そして、ロシア・インド・中国は組んで、米国に対抗している。
この状況の矛盾がここ南アジアに出ている。敵・味方の区別が判然
としない。いつでもそうであるが、戦争が起きる時は、敵と味方が
分からない状態で、お互いに相手の手が読めないとき、起こり易い。
この条件からいうと、ここ南アジアは不気味である。まあ、インド
とパキスタンの対話が開始されるので、問題は起こらないと思うが
タリバンに対し、米国かロシアが攻撃した時、中国が参戦すること
になると、東アジアも巻き込まれることになる可能性がある。
中国とタリバンには、秘密の軍事協定がある可能性を否定できない
ためであるが。
タリバンに対する締め付けが厳しくなってきている。さあ、米国は
どうするか???パンドラの箱かもしれないと思うが。
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インドとの融和政策は可能でしょうか? 
コスモスです。ぜひ教えていただきたい事があります。
『2000.12.20 日本の防衛力について』のF様の論文な
のですが、インドと友好関係を結ぶ事は難しいのですか? インド
がアメリカと敵対する理由は分かりますが、なんとか融和政策を取
る事は出来ないものでしょうか? カースト制度を考えると、建前
上、アメリカは突っ込んだ友好関係を結ぶ事は出来ないかもしれま
せんけど。
 いつも配信、楽しみにしております。これからもよろしくお願い
します。
コスモス
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(Fのコメント)
インドが非同盟諸国の旗頭であり、米国と今までは政治的に距離を
置いてきた。今も原子力問題では米国世界体制に反発している。
ご存知のように、日本は米国と軍事同盟を結んでいるので、インド
は、日本との同盟は望んでいない。友好関係は構築できるが、次の
レベルはできないと思う。中国包囲網形成は可能でしょうが、その
ようなことをすると、日本は中国との友好関係が構築できないこと
になる。アジアは、利害関係が複雑で1度紛争が起きると、どうな
るか予測できない。ここが問題の本質である。
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国連安保理、タリバーン制裁追加を決議  

 国連安全保障理事会は19日、アフガニスタンのイスラム原理主
義勢力タリバーンに対し、支配地をテロリストの保護や訓練に使う
のをやめ、国際テロの黒幕とされるオサマ・ビン・ラディン氏を引
き渡すよう決議した。応じない場合、武器禁輸や国外のタリバーン
事務所の閉鎖などの制裁を追加する。ニューヨークの国連本部が発
表した。これに対し、タリバーンのムタワキル外相は20日、「ビ
ン・ラディン氏は渡さぬ。今後は国連が仲介する和平交渉に加わら
ない」と反発した。
 決議は米国とロシアが共同提案。棄権した中国とマレーシアを除
く13カ国の賛成で成立した。

 ビン・ラディン氏と同氏の組織アルカイダの資産凍結や、資金源
のアヘン生産に利用できる化学物質の禁輸を決めた。支配地を離陸
した航空機の他国への着陸禁止なども決まった。1カ月後に発効す
る。

 軍事面では、兵器や軍事車両の禁輸のほか、タリバーンへの軍事
顧問らの引き揚げも求めており、同勢力を支援してきたパキスタン
の自制を暗に求めている。

 タリバーンのザイーフ駐パキスタン大使は、国連制裁について「
もし、我々のニューヨーク事務所が閉鎖されたら、カブールの国連
アフガニスタン特別ミッション(UNSMA)事務所を閉鎖する」
と20日の記者会見で話した。UNSMAはアフガニスタン内戦の
和平交渉を仲介している。

 米国はアヘンを、タリバーンやテロ組織の資金源と分析。ロシア
は、自国内で活動するイスラム過激組織がアフガニスタンで訓練し
ているとみている。

 1998年の米大使館同時爆破事件の首謀者とされるビン・ラデ
ィン氏の引き渡しを求めた昨年10月の安保理決議により、国連は
タリバーンの在外資産凍結や国有アリアナ航空機の飛来禁止を
同11月から続けている。同決議の後、カブールの国連事務所への
住民の示威行動や、イスラマバードの米大使館周辺へのロケット弾
攻撃がおきている。(12/2022:21asahi) 
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2000/12/20−09:22jiji
 対タリバン武器禁輸決議採択=ラディン氏引き渡し拒否に制裁−
                                                国連安保理 

【ニューヨーク19日時事】国連安保理は19日、国際テロの黒幕
とされるサウジアラビア出身の富豪オサマ・ビン・ラディン氏の身
柄引き渡しを拒んでいるアフガニスタンのイスラム原理主義勢力タ
リバンに対し、武器禁輸などの追加制裁措置を科す決議を賛成13
、反対ゼロ、棄権2(中国、マレーシア)で採択した。 
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イスラム過激派、陸軍兵舎を攻撃 インド  
 インドのデリー首都圏にあるデリー城(レッドフォート)の城内
で22日夜、陸軍兵舎にイスラム過激派「ラシュカレ・トイバ」(
純粋な軍隊)の武装民兵2人が侵入し、銃を乱射、インド軍兵士ら
3人が死亡した。民兵は襲撃後、脱出した。「カシミール解放」を
叫ぶイスラム団体が首都圏で攻勢をかけたのは初めてとされる。
インド、パキスタン両政府の対話再開への妨害とみられるが、イン
ドのフェルナンデス国防相は23日、「カシミールでの停戦に影響
はない」と述べた。
 デリー城は旧ムガール帝国の宮殿で、独立記念日に首相が演説す
る。観光名所でもあり、警察によると、同夜の「光と音のショー」
が終わった9時半ごろ民兵が侵入。物資補給所や兵舎など3カ所で
約20分の銃撃戦をした。負傷者も出た模様だ。城内には歩兵部隊
500人が駐屯し、軍情報部もある。

 同派は23日、本拠のあるパキスタンで犯行声明を出した。同派
は兵力数百人で、インド側で爆弾テロを続け、最も暴力的な団体と
される。

 カシミール紛争をめぐっては、バジパイ・インド首相が11月末
からイスラム教の断食月を理由に、民兵らへの攻撃を控える「一方
的停戦」を宣言。今月20日、「パキスタン政府との対話を再開で
きるように」と同方針の1カ月延長を決めた。パキスタン政府も同
日、停戦ライン地帯からの一部兵力撤退を発表し、昨年夏以来冷え
切っていた両国が相次いで、関係改善の意思を表明した。背景には
、核開発を進める両国への、米国などからの強い働きかけがある。

 (12/2322:22朝日) 


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