392−1.アジア経済展望



アジア経済は、中国製日本商品に価格・品質で負け、どう復活する
かを模索している。この有効な手が、東アジア自由貿易圏とアジア
通貨連合である。これにより、統一通貨圏になり、相対的な通貨の
基準ができる。当面は、中国の元に東南アジア諸国の通貨が競争で
きるレベルに引き下げる必要がある。もう1つ、問題なのが、米国
経済が下降線を辿ると、その影響をまともに受けることになる。
今後、米国依存体質からの脱却を早急に進める必要がある。
それと、韓国経済は、IMF資金で1度は復活したが、また金融シ
ステムが不安定になっている。

 韓国には違う重石がある。それは、北朝鮮の援助と難民をどうす
るかで、この問題の対応いかんでは、自国経済の復活ができない
可能性がある。援助金額が膨大になると、問題だ。しかし、北朝鮮
に工場ができ、安価な労働力が確保できれば、復活の可能性もある。

日本は、中国に多額のODAをしてきたが、ここで減額するようだ
が、中国の西部開発は、日本の民間企業が中心に投資するはずで、
中国サイドには問題はないようである。日本政府は、ODAから民
間の中国投資保護に役割を変更する必要があるであろう。当分、日
本の民間投資は続くように思う。日本企業は間違っても、中国で販
売活動はしないほうがいい。工場での物作りに徹し、全量日本で売
ることを考えるべきであろう。中国ビジネスは、中国人に任す。
日本人はしてはダメ。やっても儲けを毟り取る仕組みができている。
為替管理があり、外貨を持ち出せない。持ち出そうとすると、また
ワイロが必要になる。金の払いも悪い。ほとんど払わない。このた
め、代金回収もたいへんで、いろいろな難を言う。最初に契約書を
確実に取り交わす必要がある。

シンガポール、香港、フィリピンには、いろいろなレベルがあるが
、英語でビジネスができるし、経済法律体系の整備がされている。
ベトナムなどの地域は、安価で優秀な労働力があるが、法の整備が
まだである。法整備がまだのところでは、タイトのODAでできる
ものしかやってはだめだ。工場を作り、全量日本に持ち帰るように
する必要がある。もし、工場の製品を現地で売るにしても、現地人
に任すことである。
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アジア共同通貨を視野に研究 ASEM蔵相会議で表明へ  
 日中韓3国、東南アジア諸国連合(ASEAN)と欧州連合(E
U)が、ユーロ型のアジア共同通貨を視野に入れた「東アジア経済
圏」実現に向け、合同研究チームを来年中に発足させることが21
日、明らかになった。1月に神戸市で開かれるアジア欧州会議(A
SEM)蔵相会議で正式表明される。欧米で進む経済分野での地域
統合をアジアでも進めるのが狙いで、貿易だけでなく、各国の金融
・資本市場制度を共通化し、将来は共同通貨を持つEUのような経
済圏の実現を念頭に置く。対米関係を最重視してきた、従来の日本
の経済・通貨外交のあり方が、アジアにも軸足を置くことになりそ
うだ。
 1997年のアジア通貨危機を教訓に、日中韓3国とASEAN
は、新たな危機に備えて、今年5月にドル資金を融通しあう「通貨
スワップ協定」を結ぶなど、通貨価値維持に向けた協力関係を強化
しつつある。研究チームはこの流れに沿って、当面は為替相場や資
本規制、金融システムなどでの共通化を目指し、EUの協力も得て
、ユーロ導入の前段としてユーロ圏が採用したECU(エキュ)の
ような、通貨当局間の決済に使い、各国通貨の為替相場の指標とな
る基準通貨の導入も検討する。

 同チームには、各国政府の金融・通貨当局や、経済学者、シンク
タンクが参加し、月1回のペースで会合を開く。費用はASEM参
加の各国で分担する。これらの内容は、今回の蔵相会議の議長国で
ある日本が、「神戸リサーチプロジェクト」として表明する。

 アジア地域での経済協力をめぐっては、今年11月の日中韓とA
SEANの首脳会議で、関税障壁の撤廃などを目指す「東アジア貿
易圏」構想が浮上した。研究チームの発足は、日本が提案したもの
で、首脳会議で貿易圏構想に前向きの姿勢を示した中国も賛同した。

 研究チームでは、EUの「経験」を参考にしながら、モノやサー
ビスの市場だけでなく金融・通貨面での統合に向けて必要になる作
業を検討する。EU側も、米国による一極支配をけん制する観点か
ら、アジアの経済統合の動きを積極的に支援する構えだ。ただ、こ
の動きに対しては、米国が神経質な反応を示す可能性もある。また
ASEM蔵相会議に向けた事前折衝で、アジアの一部からも、共通
通貨については慎重論が出ていることがあり、研究チームでもかな
りの議論が予想される。北村歳治早大大学院教授は「開かれた地域
協力を前提とした長期的な取り組みとなるだろう」と話している。
(12/2203:07asahi) 
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韓国の金融監督委、経営不振6行に7千億円の公的資金  

 韓国政府の金融監督委員会は18日、「第2次金融構造調整」の
第1弾として、経営不振のハンビット、ソウル、平和、光州、済州
、慶南の6銀行に公的資金を投入する、と発表した。6行の株式を
100%減資した上で、年末から2回以上に分けて約7兆ウオン(
約7000億円)の公的資金を投入し、自己資本比率を10%台に
引き上げる。6行は事実上の国有銀行となる。
 100%減資によって6行の株式は無価値となるが、韓国政府は
、小口株主については、国に対する株式買い取り請求権を与える。

 公的資金投入後、ハンビット、平和、光州、慶南銀行は政府主導
で設立する金融持ち株会社に統合する。済州銀行は、新韓銀行に吸
収合併される見通しだ。ソウル銀行も来年上半期中に外国資本への
売却が実現しない場合には、金融持ち株会社に編入する。

 6行の人員削減や組織の合理化などが不十分な場合は、公的資金
の投入を見直す。
(12/1823:21asahi) 
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北朝鮮からの亡命者、初めて300人超す 韓国統一省  
 
 韓国統一省は21日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を脱出
し、今年韓国に入った亡命者が過去最高の303人(21日現在)
に達していることを明らかにした。昨年は148人で初めて100
人を超えたが、今年はその倍以上が亡命している。統一省当局者は
急増の原因について「家族単位での亡命や、第三国内での脱出者同
士の情報交換が増えたためではないか」とみている。
 北朝鮮からの亡命者は、11月末時点でまとめた統計表では
273人だったため、最近の3週間で30人も韓国入りしたことに
なる。統計表によると、273人の職業別内訳は「一般労働者・農
民など」が136人と最も多く、「学生・無職・その他」が100
人と続いた。海外に居住していた外交官や商社員などは21人、軍
関係は3人だった。(12/2121:00asahi) 
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対中ODA「軍事力強化に注意を」 懇談会が外相に提言  
 中国に対する政府の途上国援助(ODA)のあり方について、外
務省の私的懇談会(座長・宮崎勇元経済企画庁長官)は18日、提
言をまとめて河野洋平外相に提出した。2001年度以降の
対中ODAについて「我が国の厳しい財政事情を勘案し、個別具体
的に審査し実施する」とし、事実上のODA減額の方向性を打ち出
したほか、「軍事力強化に結びつかないよう注意を払う必要がある
」としている。
 対中ODAでは、自民党も「量的規模は日本の経済財政状況を勘
案して検討されるべきだ」とする提言をまとめている。政府はこれ
らの提言を踏まえて中国側と協議を始めるが、来年度以降の
対中ODAが抑制されるのは確実だ。

 提言では、対中ODAについて、(1)援助の一部が軍事力強化
に結びついている(2)中国は一種の既得権益ととらえている
(3)日本の援助が中国国内で知られていない――などの批判が日
本国内で出ていることを指摘した。

 今後は「従来の支援額を所与のものとせず、新たな支援需要に適
切に対応する」として、「案件積み上げ方式」の採用を提案。社会
基盤(インフラ)整備から、環境保全や内陸部の民生向上、人材育
成、技術移転などに比重を移すべきだとしている。

(12/1822:03asahi) 


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