391−3.父親の悩み



Re: Re:父親の悩み BABEL 
 どばしさん、ありがとうございました。 
> そもそも法とは、書かれてあることが実行されてはじめて意味 
> があるように思うのですが。。。 
そのとおりですね。書かれていることが正しく実行されてこそ、
ですね。 

>デンマーク社会は、他の多くの社会と同じように、 
>「。。。の権利の拡張」という方向でシステムが出来上がって 
>いったように思います。女性にしても、障害者にしても、子ども 
>にしても、高齢者、ホモ・セクシャルな人たちにしてもそうです。

オカミからのお仕着せや体面維持の方策ではなく、市民の側からの
動き、ということですか。うらやましい。 

>考えてみれば、日本も表面上は似たような処置というか、体裁 
>はとってきていると思います。違いは、立法とかシステムができる
>理念的なものがなかなか一般まで浸透しているようには見えない、
>ということでしょうか。 

内実を変えずに外見の体裁だけ整えるのは、日本の得意技ですね。
問題を直視することを是としない風土は、行政・司法に限らないよ
うな気がします。 
特に海外から日本を見る時、日本人であることが恥ずかしくなるこ
とがあります。(もちろん、良いところもたくさんあるのですが) 

>デンマークも、そう遠くない昔には障害者を隔離していたような
>時代もあったし、労働者の権利も女性の権利も今からは想像
>できないくらい制限されていたころもあったようなのですが、
>その名残りを人々が頭の中にほとんど残していない、というのは
>結構おどろくべきことかもなあと思います。 

これはすごいですね。 
でも、逆に、伝承・継承の威力がいかに大きいかといえるかもしれ
ませんね。 

> 確かに、いくら法によって保障されているとはいっても、 
> 個人の中にはさまざまな差別的感覚や偏見はあるようなのです。 
> ただ、それらが「一般」化しないであくまで「偏見」のまま 
> とどまっている感じがあります。 

このへんは、ちがいますねえ。 
デンマークの人を尊敬しちゃうな。 

> 力が強者から弱者に向かうような事件も、日本ほどではないに 
> しても、まったくないわけではありません。学校でもいろいろ 
> 事件があったせいか、現在では学校で教師が生徒に体罰を与える 
> ことは全面禁止になっているし、これは近年ですが、事件が 
> あったようで、生徒のナイフ(あの片手で刃が出せるようなの) 
> の携帯も禁止になりました。 
> 
> > それにしても、大学まで教育費が無料というのは、大きいですね。 
> 
> ここは、所得税が50%以上・消費税に当たる税が20%以上と 
> 高税率なので、公共サービスや教育一般はお金があまりかからない 
> システムになっています。 

私は、この「50%」という数字に驚いて、後ろにひっくり返りまし
た。50%ということは、私の収入の半分を国とシェアするんですよ
ね。配偶者とは、国とのシェア分のさらに半分しかシェアできない、。
べらぼうなシチュエーションですねえ。 

デンマークの人たちは、よほど国の行政システムに信頼を置いてい
るのですか?また、税の使い道についても、情報開示が進んでいて
、透明度が高いということですか? 
デンマークの人たちは、自分の国の税金が高すぎる、という不満や
少子化が進む中、税率が上昇の一途をたどったらどうしようという
不安はないのでしょうか? 

> 一番危ないところとか、頼まれたところ 
> だけ手をかせば、なんとかなるのに。 

本当にそのとおりです。 

>あと、ときどきバスの中で会う人は、精神障害みたいなんですが、 
>その路線のバス停と、乗り継ぎを全部記憶していて、一番前の 
>席に座って運転手を差し置いて大声でアナウンスのマネをしています。 
>それが、非常に上手なのでみんな笑っていますが。。。 

大阪の電車内で似た風景にでくわしたことがあります。 
互いに笑ってしまうと、それまでその人を無視しようとしていた雰
囲気ががらっと変わって、和やかになりました。 
笑うという行為には、人の心をプラスに動かす思わぬ力があるのか
もしれません。 

> 一人暮しのさびしいお年寄りも多いみたいで、スーパーにいくと 
> よく話しかけられます。「値段の札を読んで」「レモンとオレンジ 
> が見分けられない」「広告にあった品物はどれ?」などですが。。。 

さびしいですね。 

> デンマークでも、例えば幼児虐待などは結構あるようなのですが、 
> 発見が十分に早くない場合が多く、問題になっています。 

どこでも同じなんでしょうか、、、。 

> たとえば、どんなことをはじめようとお考えですか。 

個人レベルでは、一日一善でしょうか。(書くと変ですね) 
複数人レベルでは、パートナーと模索中です。 
どばしさん、これからもデンマークのことなどいろいろお教えくだ
さい。よろしくお願いいたします。 
==============================
デンマークなどいろいろ どばしようこ   
 BABELさん、こんにちは。 

なんだかわたしの書いてることがデンマークについての一面的 
なイメージを作り上げてはいけないと、ちょっとびくびくして 
いるのですが。 

個人がどんな人間関係をもってきたかとか、どんな経験を 
したかによっても国についての見方は変わると思うので、 
あくまでこれはわたしの個人的な見方として見てくださいね。 

>>デンマーク社会は、他の多くの社会と同じように、 
>>「。。。の権利の拡張」という方向でシステムが出来上がって 
>>いったように思います。女性にしても、障害者にしても、子ども 
>>にしても、高齢者、ホモ・セクシャルな人たちにしてもそうです。 
> 
>オカミからのお仕着せや体面維持の方策ではなく、市民の側から
>の動き、ということですか。うらやましい。 

労働争議・女性解放運動・教育の改善(学生運動)などは、60 
‐70年代などにすごい派手だったようです。現在は、相変わらず 
国民のいろいろなグループがデモしあり各閣僚に抗議や嘆願を出すこ 
ともありますが、落ち着いています。むしろ社会の風潮は 
保守化してきているところもあるようです。 

もちろん、「オカミからのおしきせ」と映るような法改正や政策も 
見られます。 

>>考えてみれば、日本も表面上は似たような処置というか、体裁 
>>はとってきていると思います。違いは、立法とかシステムができる 
>>理念的なものがなかなか一般まで浸透しているようには見えない、 
>>ということでしょうか。 
>
>内実を変えずに外見の体裁だけ整えるのは、日本の得意技ですね。 
>問題を直視することを是としない風土は、行政・司法に限らないよ
>うな気がします。 
>特に海外から日本を見る時、日本人であることが恥ずかしくなるこ
>とがあります。(もちろん、良いところもたくさんあるのですが) 

これも表現が難しいのですが。 
多くの面で、日本という国や日本人という国民がよその国や国民 
と比べて劣っている、などという根拠はどこにもないように 
思います。だから優れている、とかいう話ではなくて、「違う」 
というだけなのです。 

わたしは、8年以上もデンマークに住んでいるので、その間 
日本では「不在」だったので、実際の空気がよく読めない 
でもどかしいところもあるのですが、ときに「なにかおかしい」 
ということは感じることはあります。 

多くの人が日本の現状を嘆いている、という感じがします。 
それは、見とおしのきかなくなっている政治体制のせいでしょうか。 
ほかにも原因があるのでしょうか。 

>>デンマークも、そう遠くない昔には障害者を隔離していたような 
>>時代もあったし、労働者の権利も女性の権利も今からは想像 
>>できないくらい制限されていたころもあったようなのですが、 
>>その名残りを人々が頭の中にほとんど残していない、というのは 
>>結構おどろくべきことかもなあと思います。 
>
>これはすごいですね。 
>でも、逆に、伝承・継承の威力がいかに大きいかといえるかもし
>れませんね。 

「伝統」が残っている部分も、実際は大きいのです。 
今クリスマス前ですが、もう、クリスマスというと、キリスト教 
文化の出身でないわたしは、もう「これは義務なんじゃないか」 
と思うくらいたいへんです(笑)。 

日本にいたときは、クリスマスでもバイトとかして一人で 
楽に過ごしたりしていたのですが、こっちではクリスマスは 
「家族」と過ごさなければ「ならない」のです。何がどんな 
ことがあっても、です。 

ああ、話がそれました。 

>>確かに、いくら法によって保障されているとはいっても、 
>>個人の中にはさまざまな差別的感覚や偏見はあるようなのです。 
>>ただ、それらが「一般」化しないであくまで「偏見」のまま 
>>とどまっている感じがあります。 
>
>このへんは、ちがいますねえ。 
>デンマークの人を尊敬しちゃうな。 

デンマークは、ヨーロッパの小国で、常に大国の脅威にさらされな
がらも独自の文化を捻出・保持してきたことも関係しているのかも
しれません。 

彼らと接していて気がつくことは、多くは「適応がものすごく 
速い・違うものに対して寛容」ということです。 

>>>それにしても、大学まで教育費が無料というのは、大きいですね。 
>>
>>ここは、所得税が50%以上・消費税に当たる税が20%以上と 
>>高税率なので、公共サービスや教育一般はお金があまりかからない 
>>システムになっています。 
>
>私は、この「50%」という数字に驚いて、後ろにひっくり返りました。 
>50%ということは、私の収入の半分を国とシェアするんですよね。 
>配偶者とは、国とのシェア分のさらに半分しかシェアできない、。 
>べらぼうなシチュエーションですねえ。 

うーんと、パーセンテージだけ見ると、すごいんですけど、 
結局月の手取りは日本と同じくらいの額になると思います。 
(ボーナスとかはないんですけど。。) 
今、日本って大卒初任給でいくらくらいですか? 

あと、これも誤解を招きそうでこわいんですけど、 
結婚/異性との同居を境に経済ががらっと変わってしまう、 
というような意識も希薄です。 

女性の場合だけについて言及すると、まずなんかの高等教育 
があるとします、すると組合に加入できます。出産の場合などは 
組合から失業保険金を受け取ることができます(これも、そんな 
すごい額ではないですが)。 

学生の場合は、高等教育(日本でいう大学・専門学校など)を 
受ける場合は、国家から奨学金が全員に配当されます。 
月に6−8万円くらいのものですが。 
学生で同居して、これで生き延びているカップルも多いです。 
就職してから子ども作るとたいへんなので、学生のうちに 
つくってしまう人も多いのです。 

あ、もちろん、日本みたいな専業主婦もいることはいますよ。 
でも実情は、両方働かないとやっていけない感じです。 

>デンマークの人たちは、よほど国の行政システムに信頼を置いて
>いるのですか? 
>また、税の使い道についても、情報開示が進んでいて、透明度が
>高いということですか? 
>デンマークの人たちは、自分の国の税金が高すぎる、という不満や 
>少子化が進む中、税率が上昇の一途をたどったらどうしようとい
>う不安はないのでしょうか? 

どうなんでしょう。。。 
政治家に対する不信感は、結構大きいのではないかと思います。 
行政システムについては。。。この状態にあまりにも慣れ過ぎて 
いて、これ以下のものは想像もしてない感じが強いです。 

税率については、いろいろな議論がなされています。 
できるだけ上げない方向で行きたいみたいです。 

少子化についてもいろいろ新聞などに出ていますが、とにかく 
教育の質を下げない方向に行きたい感じです。 

>>あと、ときどきバスの中で会う人は、精神障害みたいなんですが、 
>>その路線のバス停と、乗り継ぎを全部記憶していて、一番前の 
>>席に座って運転手を差し置いて大声でアナウンスのマネをしています。 
>>それが、非常に上手なのでみんな笑っていますが。。。 
>
>大阪の電車内で似た風景にでくわしたことがあります。 
>互いに笑ってしまうと、それまでその人を無視しようとしていた
>雰囲気ががらっと変わって、和やかになりました。 
>笑うという行為には、人の心をプラスに動かす思わぬ力があるの
>かもしれません。 

笑いはいいですよね。 

>>デンマークでも、例えば幼児虐待などは結構あるようなのですが、 
>>発見が十分に早くない場合が多く、問題になっています。 
>
>どこでも同じなんでしょうか、、、。 

幼児虐待って、いちばん悲しいです。 
子どもには、幸せになってほしいです。 

>>たとえば、どんなことをはじめようとお考えですか。 
>
>個人レベルでは、一日一善でしょうか。(書くと変ですね) 
>複数人レベルでは、パートナーと模索中です。 

一日一善、は、いいですね。 
わたしも、まいにちはできないかもだけど、なんかできそう 
なことあったらしたいですね。スーパーの孤独なおばあちゃんの 
相手とかでもいいな。 

>どばしさん、これからもデンマークのことなどいろいろお教えく
>ださい。よろしくお願いいたします。 

はい、わたしも、考えるきっかけになるので、いろいろ聞いて 
くださいね。BABELさんも日本のこといろいろ教えて 
くださいね。 
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てて無し子  :raotu

私の生年はS30年です。
そして、父を小学生4年生ときに病死で無くしました。
家は自営しておりましたので、母がそのまま経営し、専念しました。
しかし、貧困で、母は気持ちは別として、私への、所謂「教育」時
間は殆んど持てませんでした。
当時、私はワンパク、イタズラの見本でした。
だから、近所のおじさん、おばさんに叱られたことを覚えています。
当然、母にも良く叱られました。
叱られても余りメゲナイないので、私は「屁の河童」とあだ名をつ
けられました。又、ワンパクグループでもありました。「皆」は皆
からよく叱られました。そこで、ワンパク達がシュンとする叱る言
葉がありました、「先生にゆうぞ」でした。母にも近所のおばちゃ
ん、おっちゃんにも、これを言われると効き目がありました。
近所に大変怖い、おちゃんが居ました。有名人です。
その、おちゃんが歩いていると緊張したものです。
思いました、このおちゃんは野蛮人だと。
でも、ときおり、母と会話しているのを目撃すると、普通の人でし
た。その、おちゃんは言いました、「弱いもんいじめしたらあかん
ぞ」と。私もいじめられた事はあります。おちゃんの家が近かった
ので、逃げ込んだこともあります。
おちゃんは、両者ならべて説教をしました。
近所のおばーちゃんに焼き芋や煮かぼちゃを、おやつに貰いに行き
、その一人暮らしのおばーちゃんの家で食べました。近所の飼い犬
をよく散歩に連れて行ったものです。
ワンパクグループの構成は、1年生位から6年生位迄でした。男の
子も女の子もいました。皆で行動するとき一番年少が落ちこぼれな
いか、無意識に気にしたものです。
年少の子が迷子になると、兄ちゃん格に怒られたものです。そして
、皆で探すのです。
グループの中でもよく喧嘩して泣かされました。仕返しもしました
し、されました。それが私の心にキズが付いたと言う記憶はありま
せん。今では隔世の感です。 
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教育と文化   とら丸
戦後、日本は廃虚の中からたち直り、見事に経済復興を成し得まし
た。
しかしこの陰では企業戦士たちは、家庭を犠牲にしてまでも、企業
に尽くしたケースも少なくなかったと思います。サラリーマン家庭
では、父親不在で、核家族の閉鎖的な家庭環境と母親の過干渉との
もとで育った子供たちは今思春期を向かえ、また幼い子どもをもつ
親になっています。

平均的にみて、現在の子どもは、学級崩壊やいじめで特徴づけられ
る自己中心的な行動が目立ちます。これらの症状が顕在化したのが
、17歳前後の青少年のわれわれに理解できにくい反社会的な行動
です。

このような異常な行動は個人の問題として捕らえるかぎり解決は難
しく、家庭のあり方や、社会のありかたに問題があると考えられま
す。

人間の記憶はおよそ3歳以後のものしか無いように思えます。生ま
れてからほぼ3歳までの間に大脳細胞のネットワークが形成される
と聞きます。この間に人は人間になるのでしょう。それまでオオカ
ミに育てられるとオオカミになり、サルに育てられるとサルになる
のではないでしょうか。

人間の場合、この3歳までの間に、言葉や文化的な刺激をうけて人
類のレベルや民族レベルでの独自性が作られると思います。

すなわち民族レベルでみると、この間に民族を保持していく上での
基本的な形質が継承させると考えられ、文化的な規範が人間形成の
うえで重要な役目をになうと考えられます。

このようにみると文化とは、人類及び民族の存続のためのシステム
であり、戦略であるといえるでしょう。
昨今の教育の問題は、3歳までに与えるべき文化にゆらぎを生じて
いる結果であると考えられます。

人間には極めて保守的なところがあり、これは固有の文化を継承し
ていく、といった面にも現れます。この性質は、人類及び民族の存
続に関わる問題であるからです。これを本能的に守ろうとしている
のでしょう。

日本人の家族観や生活文化の基本的な部分は、数十万年前から変わ
っていないと思います。石器が包丁になり、土偶が仏像になっただ
けです。特に家族の役割と子どもの教育は、文化の核ともなる極め
て重要生存保障システムで、科学という不完全なシステムよりはる
かに洗練された戦略です。いまこの生存保障システムとしての家族
が変化しようとしています。

今の青少年の問題は生活文化の中心にある家や社会の教育機能が失
われつつあることを示しており、過去の知恵と誇りを受け継ぐこと
ができない民族としての危険な問題をはらんでいる。

このような文化の変質を自国民が誤った民主主義のもとにこれを行
おうとしているのであれば、愚かな行為であり、またこれが故意に
他国からの干渉で発生したのであれば、これは極めて悪質な行為で
す。
とら丸


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