387−1.フジモリ氏の2重国籍



 チッペルレゆり 
辻本さんへ 
現行法が制定され、国籍選択制度ができたのは、つい15年前の
1985年のことです。それまでは成人の2重国籍も容認されてい
ました。 

辻本さんのご指摘の国籍法第14条の国籍選択制度については、
付則の第3条の「国籍の選択に関する経過措置)で規定されており
まして、 

この法律の施行の際現に外国の国籍を有する日本国民は、第1条の
規定による改正後の国籍法(以下「新国籍法)という。)第14条
第1項の規定の適用については、この法律の施行の時に外国及び
日本の国籍を有することとなったものとみなす。この場合において
、その者は、同項に定める期間内に国籍の選択をしないときは、
その期限が到来した時に同条第2項に規定する選択の宣言をしたも
のとみなす。 

となっています。 

ですから、1985年の国籍法改正以前に2重国籍になっている
フジモリ氏の場合は、日本政府が発表したとおり、日本国籍があり
、日本国籍をこれからも維持するためにペルー国籍を放棄する必要
はないのです。ペルー国籍を放棄する努力をすることも義務つけら
れていません。また、 

第16条 選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努め
なければならない。 
2 法務大臣は、選択の宣言をした日本国民で外国の国籍を失って
いないものが自己の志望によりその外国の公務員の職(その国の国
籍を有しない者であっても就任することができる職を除く。)に就
任した場合において、その就任が日本の国籍を選択した趣旨に著し
く反すると認めるときは、その者に対し日本の国籍の喪失の宣告を
することができる。 

という条項も、フジモリ氏は実際自ら「選択の宣言」をしたわけで
はないので、適用されません。 

つまり旧国籍法では、日本人は外国の大統領になることさえ許され
ていたのに、改正後は、日本人は海外であまり自由に働くことはで
きなくなったということです。 

例え母国籍を放棄する覚悟があったとしても、滞在国の国籍が一生
取得できない人はたくさんいます。国籍がないから自由に働けない
、よい仕事を持って多額の税金を納めていないから国籍が取得でき
ないという悪循環で、滞在国で生活保護をもらうしかなく、母国に
帰りたくても帰ることもできない人たちも大勢います。 

一生その国で暮らしているのに、その国の国籍を取得することもで
きず、その国の国籍がないために働きたくても働けないのでは、
その人たちは本当に困りますよね。無国籍であろうと、外国人であ
ろうと、国籍を喪失したもと国民であろうと、言語能力や専門能力
に応じて問題なく仕事ができるのならばよいですが、永住外国人が
「国籍」で就職差別を受けるという現状がある以上、外国人も国民
になれる(つまり2重国籍が認められる)という制度が必要だと思
いますよ。 

辻本さんが、「韓国人男性と結婚して韓国で暮している日本女性が
翻訳の仕事をしたら罰金を払わされた」という例を紹介しておられ
ましたが、それでは困りますよね。その翻訳は韓国側からの仕事だ
ったのでしょうか?それとも、日本側からの仕事だったのでしょう
か?韓国に住んでいる韓国人ならば、両国側からの仕事が許可され
ているはずですが、韓国に住んでいる日本人が両国側からの仕事が
両方とも禁止されていたら困りますよね。永住外国人が母国籍しか
持っていなければ、得てしてそういう不公平が起こりがちなのです
。韓国は昨年までは、韓国人男性と結婚する日本人女性には韓国国
籍を譲渡していたのですが、なぜその制度を廃止したのでしょうね? 

ペルーの日系人がいやがらせを受けているのは困ったことですね。
ペルーにはもともと民族どおしの争いが多いようですので、反フジ
モリ政権の政治家たちや、他の民族グループの排他的民族主義者の
人たちが、一般の人たちを煽動しているのでしょう。ペルーの一般
人がそんな煽動に乗らず耳を貸さず、この事件をきっかけに真に民
主的な政権を樹立して、民族の平和的共存の方法を学んでくれるこ
とを願います。ペルーの新政府が、日本の法務省や外務省のように
、冷静沈着に、民族主義に左右されない判断をしてくれるとよいの
ですけどね。
==============================
Re:フジモリ氏の2重国籍 辻本 

 国籍法の誤解がありますので、一言。 
 付則は、1985年の施行時に二重国籍者が国籍選択しなくても日本
国籍を選択したものとみなす、というものです。当該外国の国籍を
喪失するかどうかは,その国の法令によることとなります。 
 もし喪失しないならば、法第16条によって外国籍の離脱に努めね
ばならない、とされます。以上が公的な法解釈です。 
 フジモリ氏の場合、日本の法ではペルー国籍の離脱の努力義務が
生ずることになります。ただし努力義務ですので、必ずしもそうす
る必要はない、という解釈も可能です。 
 なお私が「二重国籍という選択肢はない」と言ったのは、この努
力義務のことで、ちょっと誤解を与えるもので、反省しています。

>つまり旧国籍法では、日本人は外国の大統領になることさえ許さ
>れていたのに、改正後は、日本人は海外であまり自由に働くこと
>はできなくなったということです。

 現国籍法でも、その公務員職がその国の国籍を有しないものであ
っても就任できるものであれば、国籍の喪失はありません。従って
その国の大統領職が、外国籍を排除するという趣旨の法令、あるい
は就任の際の宣誓がなければ、外国の大統領就任は現在の法でも可
能です。 
 しかしほとんどの国では、外国籍を有する者が自国の大統領にな
るということを全くといっていいほど、想定していないようです。
フジモリ氏の一件により、二重国籍を排除する国が増えるのではな
いか,と思います。 

>例え母国籍を放棄する覚悟があったとしても、滞在国の国籍が一
>生取得できない人はたくさんいます。国籍がないから自由に働け
>ない、よい仕事を持って多額の税金を納めていないから国籍が取
>得できないという悪循環で、滞在国で生活保護をもらうしかなく
>、母国に帰りたくても帰ることもできない人たちも大勢います。
> 

 日本の場合は、在日外国人の住居選択の自由・移住の自由を一貫
して完全に認めてきています。母国に帰るかどうかは本人次第です
。母国との絆を失うという人生を選択した外国人は、自分に合った
国を選び、帰化の努力をすべきものと思います。 
 現在日本では,日本で生まれ育ち、日本の学校を卒業した者には
、帰化条件がかなり緩和されています。ただし犯罪歴のある者や自
立した生活をしていない者には当然厳しいです。 
 民族主義者や祖国に帰国を予定する者は帰化しませんが、帰化し
たくてもできないという外国人は、そういう「訳あり」の人になっ
ていくものと考えます。 
  

>一生その国で暮らしているのに、その国の国籍を取得することも
>できず、その国の国籍がないために働きたくても働けないのでは
>、その人たちは本当に困りますよね。無国籍であろうと、外国人
>であろうと、国籍を喪失したもと国民であろうと、言語能力や専
>門能力に応じて問題なく仕事ができるのならばよいですが、永住
>外国人が「国籍」で就職差別を受けるという現状がある以上、外
>国人も国民になれる(つまり2重国籍が認められる)という制度
>が必要だと思いますよ。

 どこの国のことをおっしゃているのか分かりません。まさか日本
のことではないでしょうね。  
 日本では外国人に対する差別は、諸外国における外国人差別と比
べても、かなり少ない方です。だからこそ在日韓国・朝鮮人は、わ
ずか60数万人という少数者でありながら、大きな成功をおさめてい
る人が多いのです。 
 つまり在日韓国・朝鮮人のほとんどは、祖国に帰るより、外国人
のまま日本にいる方がはるかに有利であるからこそ、永住していま
す。 日本は外国人が成功するチャンスの多い国だと思います。 

>辻本さんが、「韓国人男性と結婚して韓国で暮している日本女性
>が翻訳の仕事をしたら罰金を払わされた」という例を紹介してお
>られましたが、それでは困りますよね。その翻訳は韓国側からの
>仕事だったのでしょうか?それとも、日本側からの仕事だったの
>でしょうか?韓国に住んでいる韓国人ならば、両国側からの仕事
>が許可されているはずですが、韓国に住んでいる日本人が両国側
>からの仕事が両方とも禁止されていたら困りますよね。永住外国
>人が母国籍しか持っていなければ、得てしてそういう不公平が起
>こりがちなのです。韓国は昨年までは、韓国人男性と結婚する日
>本人女性には韓国国籍を譲渡していたのですが、なぜその制度を
>廃止したのでしょうね?

 例にあげた日本人女性は、韓国人と結婚した時は韓国の旧国籍法
ですから、同法第3条により、婚姻届を受理した時点で韓国籍を取
得して二重国籍となります。その6ケ月後に国籍選択を義務付けら
れます。彼女は自らの意思で韓国籍ではなく、日本国籍という外国
人の生き方を選んだことになります。そして韓国における厳しい外
国人差別のなかで生きる決意をなさったわけです。 
 離婚の場合、女性が自立して生活するのが難しい国があります。
(例えば韓国)外国から嫁にきた女性が離婚された場合、しかも原
国籍を放棄している場合はなおさら、生活が難しいものです。 
 婚姻による国籍取得ができる国は少なくなっていると思います。

>ペルーの日系人がいやがらせを受けているのは困ったことですね
>。ペルーにはもともと民族どおしの争いが多いようですので、反
>フジモリ政権の政治家たちや、他の民族グループの排他的民族主
>義者の人たちが、一般の人たちを煽動しているのでしょう。ペル
>ーの一般人がそんな煽動に乗らず耳を貸さず、この事件をきっか
>けに真に民主的な政権を樹立して、民族の平和的共存の方法を学
>んでくれることを願います。ペルーの新政府が、日本の法務省や
>外務省のように、冷静沈着に、民族主義に左右されない判断をし
>てくれるとよいのですけどね。

 ペルーの実状はなかなか分かりにくいもので、確実なものを検証
するのが難しいものです。 
 反フジモリ派だけでなく、日系社会でもフジモリ氏の行動は逃亡
だとして批判する人も多いという報道があります。また親フジモリ
派の少数民族でも早く帰ってきてほしいという意見もあるという報
道があります。少なくとも彼が日本人として日本に滞在することに
ついて、肯定する人はいないようです。  
 また彼の妻が、私にも二重国籍だとは知らせてくれなかった、と
いう手記を雑誌に発表したようです。これが事実としたら、彼はペ
ルー国民だけでなく家族にも国籍を隠していた、ということになり
ます。 
 フジモリ氏がこれからどんな行動をとるか分かりませんが、少な
くとも日本とペルーの関係をこれ以上悪くしないよう願うのみです。
==============================
Re:フジモリ氏の2重国籍 チッペルレゆり 
 辻本さんへ 

<辻本さんwrote> 
>国籍法の誤解がありますので、一言。 
>付則は、1985年の施行時に二重国籍者が国籍選択しなくても
>日本国籍を選択したものとみなす、 
>というものです。、、、もし喪失しないならば、法律16条によ
>って外国籍の離脱に努めねばならない、とされます。以上が公的
>な法解釈です。 
>フジモリ氏の場合、日本の法ではペルー国籍の離脱の努力義務が
>生ずることになります。 

あのー、インターネットの新聞の記事では確か法務省と外務省が、
「フジモリ氏は日本国民として日本に滞在する場合もペルー国籍を
放棄する必要はない」と発表したはずですけど、、、「他国籍放棄
の努力」が要求されているのは、1985年の国籍法改正以後に
2重国籍になった人で、なおかつ「日本国籍の選択宣言」をした人
だけですから、フジモリ氏の2重国籍は、日本の法律からは完璧に
「合法」だと思いますけど。国籍法を誤解なさっているのは辻本さ
んのほうだと思いますが、、、それとも、日本の法務省が国籍法を
誤解してるのでしょうか? 

辻本さんは、「2重国籍だと合法的に重婚ができるから好ましくな
い」と主張しておられましたが、日本の法律では2重国籍者であろ
うと単国籍者であろうと、重婚は非合法ですよ。重婚を認めている
イスラム教国の男性が日本人の第2夫人を持つのはイスラム法では
合法です。ですから、デビ夫人の場合は、夫君も夫人も両方の国の
法律上で合法結婚です。ですが、日本人(国民)男性がイスラム
教国でふたりの女性と結婚したら、日本の法律からは非合法です。
当事者が告訴しないかぎり、罰則はいっさいないと思いますが、、

>日本の場合は、在日外国人の住居選択の自由・移住の自由を一貫
>して完全に認めてきています。 

「外国人お断り」の入居差別は、いまだにかなり強いようですが、、?

>母国に帰るかどうかは本人次第です。母国との絆を失うという人
>生を選択した外国人は、自分に合った国を選び、帰化の努力をす
>るべきものと思います。 
>現在日本では、日本で生まれ育ち、日本の学校を卒業した者には
>、帰化条件がかなり緩和されています。ただし犯罪歴のある者や
>自立した生活をしていない者には当然厳しいです。民族主義者や
>祖国に帰国を予定するものは帰化しませんが、帰化したくても 
>できないという外国人は、そういう「訳あり」の人になっていく
>ものと考えます。 

海外に永住する日本人のほとんどは、あえて日本国籍を放棄してま
で滞在国に帰化しようとはしません。辻本さんの論法によると、海
外の永住日本人は全員「訳あり」の人として排除されるべきだとい
うことになりますね?海外の日本人が、犯罪者や民族主義者や祖国
に帰国を予定している人ばかりだと思いますか? 

>日本では外国人に対する差別は、諸外国における外国人差別と比
>べても、かなり少ないほうです。だからこそ在日韓国・朝鮮人は
>、わずか60数万人という少数者でありながら、大きな成功をお
>さめている人が多いのです。
>つまり在日韓国・朝鮮人のほとんどは、祖国に帰るより、外国人
>のまま日本にいるほうがはるかに有利であるからこそ、永住して
>います。日本は外国人が成功するチャンスの多い国だと思います 

東南アジアから来た女性達は、「日本ほど差別の激しい国は知らな
い」と言っているようです。国連の情報誌でも、日本のアイヌと
在日差別は南アフリカのアパルトヘイト政策と同列で批判されてい
ます。在日の方たちの中には成功をおさめている方も多いですが、
生活保護を受けなければならない状態の方は日本人の比率よりもず
いぶん高いと思います。もちろん就職差別があるから生活保護を受
けなくなる場合がほとんどだと思います。日本はある意味で、ニュ
ーカマーの外国人でも能力に応じて成功のチャンスがありますが、
年輩の在日韓国・北朝鮮人の方たちは、祖国に帰りたくても帰れな
かった人達が多くいると思います。 

>例にあげた日本人女性は、韓国人と結婚した時は韓国の旧国籍法
>ですから、同法第3条により、婚姻届を受理した時点で韓国籍を
>取得して2重国籍となります。その6ヶ月後に国籍選択を義務つ
>けられます。彼女は自らの意志で韓国籍ではなく、日本国籍とい
>う外国人の生き方を選んだことになります。そして韓国における
>厳しい外国人差別のなかで生きる決意をなさったわけです。 
>離婚の場合、女性が自立して生活するのが難しい国があります。
>(例えば韓国)外国から嫁にきた女性が離婚された場合、しかも
>現国籍を放棄している場合はなおさら、生活が難しいものです。
>婚姻による国籍取得ができる国はすくなくなっています。 

男性の場合はもとから仕事があってビザがあるという状況だからよ
いですが、女性の場合は、外国籍でしかも仕事をしていないとなる
と、子育てを通じてしか社会に溶け込む方法がないですよね。しか
も、外国籍のままで充分な権利が保証されていないと、家族への義
務を果たすのも不自由することが多いのです。おっしゃるとおり、
滞在国の家族の国籍がなければ非常に生活しにくい面があります。
かといって母国籍を放棄してしまっては、家族に不測の事態が起き
た時の対応に困ります。昔は自国民の外国人妻には国籍を譲渡して
いた国が多かったのです。当然の制度だと思いますが、なぜ軒並み
その制度を廃止してしまったのでしょう?辻本さんも、国際結婚を
した女性の2重国籍ならば「必要かつ妥当」と考えていただけます
か? 

>反フジモリ派だけでなく、日系社会でもフジモリ氏の行動は逃亡
>だとして批判する人も多いという報道があります。また親フジモ
>リ派の少数民族でも早く帰って来て欲しいという意見もあるとい
>う報道もあります。少なくとも彼が日本人として日本に滞在する
>ことについて、肯定する人はいないようです。 
>また彼の妻が、私にも2重国籍だとは知らせてくれなかった、と
>いう手記を雑誌に発表したようです。これが事実としたら、彼は
>ペルー国民だけでなく家族にも国籍を隠していた、ということに
>なります。 

治安の悪い国で大統領になるからには、それ相当の覚悟が必要でし
ょう。もともと平和的民主主義が育っていない国では、政治は軍部
に依存した独裁体制にならざるを得ない面もあるのでしょう。その
ため、発展途上国で政権が変わると前政権の幹部は身の安全のため
に亡命を余儀なくされることが多いようです。革命で亡命したロシ
ア貴族たち、台湾に逃げた王族、マルコス大統領、プファーレビー
国王、クルド人のオツァラン、ミロセビッチ大統領、、、etc, etc. 
「政治亡命」は国際的には日常茶飯事です。日本に亡命を求める人
が今までいなかったので、日本が「亡命」ということに慣れていな
いだけです。フジモリ氏が2重国籍のことを家族に隠していたとし
たら、それは家族の安全のためでしょう。在任中に2住国籍がばれ
たら、政治生命にかかわりますが、それでもいざという時の安全の
ためにそっと隠し持っていたのでしょう。誰でも万が一に備えて保
身をするものです。 
フジモリ氏がこれからどうするのか、私にも見当がつきませんが、
彼の意志に反して日本が彼をペルーに送り返すとしたら、日本はさ
ぞかし国際世論の批判を受けることになるだろうと思います。両国
の国交に問題が出るような事態になれば、国連のような国際司法機
関にでも、調停や仲裁をしてもらうのがよいのではないでしょうか?
いずれにしてもペルーからの要求の内容は新政府の状況次第で、つ
まり親フジモリ派が勝利するか反フジモリ派が勝利するかによって
、大きく左右されると思います。独裁的な軍部の弾圧のない、民族
共存の平和な民主主義の政権が誕生してくれるといいのですけどね。 
==============================
Re:フジモリ氏の2重国籍 辻本 
>あのー、インターネットの新聞の記事では確か法務省と外務省が
>、「フジモリ氏は日本国民として日本に滞在する場合もペルー国
>籍を放棄する必要はない」と発表したはずですけど、、、「他国
>籍放棄の努力」が要求されているのは、1985年の国籍法改正
>以後に2重国籍になった人で、なおかつ「日本国籍の選択宣言」
>をした人だけですから、フジモリ氏の2重国籍は、日本の法律か
>らは完璧に「合法」だと思いますけど。国籍法を誤解なさってい
>るのは辻本さんのほうだと思いますが、、、それとも、日本の法
>務省が国籍法を誤解してるのでしょうか? 

 国籍法付則第3条をよく読んでください。「国籍の選択をしない
ときは‥選択したものとみなす」とあります。つまり本人の選択の
行動がなくても、選択したものとして取り扱う、というものです。
従って法は、この場合は第16条に基づく努力義務が生ずることとさ
れています。 
 誤解しているのは、あなた自身です。 

>辻本さんは、「2重国籍だと合法的に重婚ができるから好ましく
>ない」と主張しておられましたが、日本の法律では2重国籍者で
>あろうと単国籍者であろうと、重婚は非合法ですよ。重婚を認め
>ているイスラム教国の男性が日本人の第2夫人を持つのはイスラ
>ム法では合法です。ですから、デビ夫人の場合は、夫君も夫人も
>両方の国の法律上で合法結婚です。ですが、日本人(国民)男性
>がイスラム教国でふたりの女性と結婚したら、日本の法律からは
>非合法です。当事者が告訴しないかぎり、罰則はいっさいないと
>思いますが、、、> 

 また誤解です。私は二重国籍者の重婚の防止が困難であることを
一貫して言っております。二重国籍者がそれぞれの国で婚姻届を提
出すると、重婚か否かの確認は難しく、それぞれの国の民法に照ら
して有効と判断されて、受理されることになるだろう、というもの
です。 
 一旦有効と判断された婚姻は、一方の国の裁判で重婚だから無効
とされても、もう一方の国での有効性は取り消せません。 
 重婚は一例ですが、二重国籍は国際的なトラブルとなる可能性が
あります。 

> 海外に永住する日本人のほとんどは、あえて日本国籍を放棄して
>まで滞在国に帰化しようとはしません。辻本さんの論法によると
>、海外の永住日本人は全員「訳あり」の人として排除されるべき
>だということになりますね? 海外の日本人が、犯罪者や民族主
>義者や祖国に帰国を予定している人ばかりだと思いますか?> 

 何故これほどまで誤解を続けるのですか。かなり意図的なものを
感じます。私は在日外国人の日本への帰化の場合を言っています。
諸外国の帰化の要件については何も言っていません。 

> 東南アジアから来た女性達は、「日本ほど差別の激しい国は知ら
>ない」と言っているようです。国連の情報誌でも、日本のアイヌ
>と在日差別は南アフリカのアパルトヘイト政策と同列で批判され
>ています。在日の方たちの中には成功をおさめている方も多いで
>すが、生活保護を受けなければならない状態の方は日本人の比率
>よりもずいぶん高いと思います。もちろん就職差別があるから生
>活保護を受けなくなる場合がほとんどだと思います。日本はある
>意味で、ニューカマーの外国人でも能力に応じて成功のチャンス
>がありますが、年輩の在日韓国・北朝鮮人の方たちは、祖国に帰
>りたくても帰れなかった人達が多くいると思います。> 
  
 日本における在日外国人の処遇について、余りにも誤解が多く、
また在日韓国・朝鮮人についての知識も,余りにも偏っています。 
 このような誤解・偏向の考え方は、1970年代以降のいわゆる「人
権団体」と称する革新系・進歩系・左翼系の集団が主張してきたこ
とと同じものです。彼らの主張は詳細に検証してみると、かなり多
くのウソが含まれています。 
 韓国に二重国籍法があったとか、それに日本や中国・ロシアが反
対したとかいう虚妄と作り話を言う人には、ちょうどの主張かも知
れません。 

> 男性の場合はもとから仕事があってビザがあるという状況だから
>よいですが、女性の場合は、外国籍でしかも仕事をしていないと
>なると、子育てを通じてしか社会に溶け込む方法がないですよね。
>しかも、外国籍のままで充分な権利が保証されていないと、家族
>への義務を果たすのも不自由することが多いのです。おっしゃる
>とおり、滞在国の家族の国籍がなければ非常に生活しにくい面が
>あります。かといって母国籍を放棄してしまっては、家族に不測
>の事態が起きた時の対応に困ります。昔は自国民の外国人妻には
>国籍を譲渡していた国が多かったのです。当然の制度だと思いま
>すが、なぜ軒並みその制度を廃止してしまったのでしょう?
>辻本さんも、国際結婚をした女性の2重国籍ならば「必要かつ妥
>当」と考えていただけますか?> 

 民法や国籍法は各国によって違います。本人が関係する国の国籍
法を理解して、自分にとって一番良い方法を選ぶしかありません。
国際結婚という人生を自ら選んだのですから、それが当たり前です。 
 男性はかまわないが,女性には二重国籍が「必要かつ妥当」とい
う言葉は、一体どのような思考回路をしているのか、不思議でなり
ません。
==============================
日本との友好維持すべき=ペルー首相が初めて強調
2000-12-18 00:21 kyudou
 【リマ17日共同】十七日付のペルーの地元各紙によると、デク
エヤル首相兼外相は十六日、アレキパで地元記者団に「フジモリ前
大統領が日本に逃亡していることが、ペルーと日本との友好関係や
経済協力に悪影響を及ぼしてはならない」と述べ、両国の外交関係
とフジモリ氏の問題とを切り離して考える姿勢を初めて明確に示し
た。リマの日本大使館に対し小規模の抗議デモがあったことに遺憾
の意を表明。日系人社会に広がる不安に関して、フジモリ氏の国籍
問題は日系人社会とは全く関係なく、将来にわたって不安を抱く必
要はないと強調した。
==============================
(Fのコメント)
このコメントは、あるMLでの意見を流用させていただいています。
フジモリ氏の問題ついては、ペルーの現状を知る必要があるでしょ
う。日本の感覚でペルーを見るのはおかしい。

「勝てば官軍」
現ペルー政府によるフジモリ氏追求は、極めて政治的な意図によっ
て行われており、勝てば官軍負ければ賊軍という状況があります。
政治的に未熟な途上国では、政争に破れれば、自分の身は自分で守
るしかないということはよくあることで、今回の場合も例外ではあ
りません。今は一介の民間人になったフジモリ氏が、日本国籍を持
っていることで自らの身を守ろうとするのは当たり前のことです。
彼が取った今回の行動は、極めて平和的な、個人として出来る最良
の方法であったと思います。

「犯罪容疑」
フジモリ氏をあたかも犯罪者の様に言う意見がありますが、いまま
でのところ汚職疑惑の調査ではすべて否定される結果となっており
ます。このため、ペルー政府は、裁判所の命令での強制送還を要求
できないようです。

「人権」
人権問題は、これまた極めて政治的な問題であり、5000人の武装ゲ
リラが日常的にテロ活動を繰り返している国と、平和ボケをしてる
日本や、人権を説教して歩いているアングロ先進国と同列で評価す
ることには無理があります。また、ゲリラサイドから、人権を言い
出す可能性があります。気になるのは、フジモリ政権時に反乱を起
こした軍関係者を恩赦するようですので。

「ペルー人」
ペルー人の声といっても、メディアに登場するゲリラの指導者を含
めた15%のヨーロッパ系支配者階級と、植民化以来、全く人権を無
視されてきた声無き被差別先住民とを分けて考える必要があります。
フジモリ氏の支持層の声は、今でもメディアに登場することはない
のです。そして、選挙の延期を現政府は言い始めました。これは、
今選挙をすると、ヨーロッパ系支配階級が負けるためで、選挙は、
当分しないで、ヨーロッパ系支配者が長期に利権を貪ることになり
そうです。

「ペルーの日系人」
ぺルーの日系人が、嫌がらせに脅えている様子が伝えれれてますが
、これはまさに今回の件が政治的な問題の他に、人種的な差別問題
を含んでいることを示しています。
フジモリ氏が大統領になったのは、在ペルー日系人とは本来全く関
係の無いことであり、偶々フジモリ氏が日本人だからということで
、日本人がいじめの対象になっています。
ペルーの支配層は元々余り親日的ではなく、太平洋戦争の時は、
ペルー日系人の主立った人達は逮捕され、米国の収容所に送られ、
戦後も帰国が出来なかった方が大勢居ます。日本語教育が禁止をさ
れた結果として、2世以降のペルーの日系人は、他の南米諸国に比
べて極端に日本語ができません。ペルーの日系人には気の毒ですが
、飛んだとばっちりという他はありません。
==============================
「特別永住者」の国籍取得要件、緩和へ 与党3党  
 自民、公明、保守の与党3党が、旧植民地出身者とその子孫であ
る「特別永住者」の日本国籍取得要件の緩和に向けて本格的に動き
出した。来年の通常国会に国籍法改正案を提出する方針で、22日
にもプロジェクトチームを設けて具体的な検討に入る。ただ、自民
党の一部には、要件緩和と引き換えに、先の臨時国会で継続審議に
なった永住外国人地方選挙権付与法案の成立を阻止する狙いがある。
一方、公明党は「外国人選挙権法案とセットで成立させる」と強調。
総論では一致しても、両法案をにらんだ各論での調整は難航も予想
される。
 外国人の日本国籍取得は国籍法で、法相が許可する▽20歳以上
▽素行が善良▽自分や配偶者、親族の資産などで生計を営める――
といった要件があり、身元調査には1年程度かかるのが普通だとい
う。

 与党は、特別永住者については形式的な書類審査だけにして、期
間も大幅に短縮することを検討している。法務省によると、特別永
住者は昨年末で約52万3000人。ほとんどを韓国・朝鮮籍の人
が占める。

 実は、取得要件の緩和は、外国人選挙権法案をめぐる自民党内の
意見集約の過程で、慎重・反対派の議員が「参政権が欲しいのなら
、国籍を取ればいい」として提案した経緯がある。

 だが、特別永住者らの間には日本国籍を得る代わりに元の国籍を
失うことにためらいも強い。日本国籍を取得した韓国・朝鮮籍の人
は昨年、1万人余にとどまっている。
(12/2100:47asahi) 
==============================
(Tより)
各国の国籍法を紹介したHPのリストをお送りします。
韓国法の日本語訳
民法第4編「親族」(1990年最終改正)
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/9133/min3.html

国籍法(1997年最終改正)
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1747/kokusekihou.html

北朝鮮法の日本語訳
家族法(1990年制定)
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/3277/nkazoku.html

フィリピン法の原文
http://www.chanrobles.com/toc.htm
家族法(1987年制定)
児童少年福祉法(1974年制定)
憲法第4章「国籍」(1987年制定)

アメリカ法の原文
各州の家族法
http://wwwsecure.law.cornell.edu/topics/state_statutes.html

移民・国籍法(1996年最終改正)
http://www.immigration-usa.com/ina_96.html

イギリス法の原文
国籍法(1981年制定)
http://www.geocities.com/CapitolHill/Lobby/1834/british.txt

ブラジル法の原文
民法「家族法編」(1998年最終改正)
http://www.lawresearch.com/v10/global/zbr.htm

憲法第3章「国籍」(1994年最終改正)
http://www.georgetown.edu/pdba/Constitutions/Brazil/brazil99.html

ペルー法の原文
民法第3編「家族法」(1984年制定)
http://www.asesor.com.pe/teleley/550-ind.htm

国籍法(1996年制定)
http://www.asesor.com.pe/teleley/26574.htm


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