386−1.インドとイスラエルの関係



インドの軍事的パワーの伸びは大きい。ロシアからSU−27や
30などを、買いそして、ライセンス生産している。このほか、
ロシアから海上ミサイル等も買っているが、早期警戒機等の兵器は
、ロシアのものは、見劣りするため、米国製のAWACSを導入す
るのかと思いきや、イスラエルに接近して、イスラエルのパルコン
早期警戒レーダーやグリーン・オレン・ミサイル補足レーダーなど
を買い付けている。このために、インドの閣僚が今年、大挙してイ
スラエルを訪問している。

しかし、これは米国との共同開発した最新レーダーであり、これが
ロシアの航空機に積まれることになる。これは、これ以前に中国へ
輸出する寸前に、米国がイスラエルに中止させた物だ。しかし、
今回のイスラエルの輸出には中国のような理由もないため、認めら
れることになりそうだ。すると、インドとイスラエルは、今後イス
ラエル製の優れた兵器とロシア製兵器をバインドして他国に輸出で
きることになる。米国兵器産業以外の優秀な兵器産業としてテイク
オフができると両国は見ている。

 しかし、インドはアラブ諸国とも深い関係にある。イラクとは
一貫して関係をキープしているし、勿論サウジやバーレーンなどか
ら石油を輸入している。しかし、それにも増して、イスラエルとの
関係を強化しているように見える。

 これは、ロシアや日本との関係も構築し、インド洋の地域覇権を
確立するためであろう。このためには、兵器の能力を高める必要が
あるためもあるが、インドは一貫して、中国との戦争を想定してい
る。仮想敵国だ。しかし、現在、この両国は、どちらもロシア製兵
器である。

 インドは、チベット亡命政府もあり、中国との国境線等での紛争
を起こしている。そして、チベット亡命政権は反中国であり、その
擁護は中国の反発を招くことになる。中国は現在大軍拡をしている
ため、その軍事的脅威は大きなものになっている。このため、同じ
兵器でも、性能を中国のロシア兵器より高くする必要に迫られてい
るのだ。

インドの大軍拡はしかし、パキスタンの危機感を増してしまう。
この連鎖が今後、アジア全体の安全保障上の問題になるように思う
が。どうであろう。


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