383−1.北朝鮮の対米政策は



 ブッシュ政権誕生によって、どう南北朝鮮の平和会談が変化する
のかを検討しましょう。

 まず、今までの復習をしましょう。北朝鮮は、現状維持、金政権
の維持を優先に考えている。韓国も、先進諸国との競争、特に中国
の日系低価格製品が世界に出回り、それに負けている。

このため、安価な労働力の確保を目指している。すると、北には、
餓死寸前の人間たちがいて、共産国家であるため、教育もある人た
ちである。この人たちを利用できれば、低価格な製品を製造可能に
なる。このため、中国の力で北朝鮮との仲介を頼んだら、親分を
米国から中国に変化させるならいいよと、こころよく引き受けてく
れた。
これは、南北朝鮮の両国家によってハッピーになるシナリオである
と、思ったのですが、北朝鮮は援助だけほしいといい始めているよ
うです。

どうしてか?やはり、韓国企業の工場が入ると、韓国の状況が国民
に伝わるので、だんだん統制できないと思っているのです。
「Give me Powar」と言えば、韓国は電力も援助して
くれる。北朝鮮の狙いは、援助だけ。韓国の希望は後回し。どこま
で援助がもらえるか、それを瀬踏みしている。

しかし、とうとう、米国に共和党政権ができた。これは、北朝鮮に
よっては、いいことではない。クリントン大統領を騙してでも、
訪朝させるべきであったと思う。そして、米国の不干渉の言質を取
ることが必要であった。少しの譲歩(たとえば、ミサイル開発停止
やテロリストの海外追放)はいいので、あくまでも米国の軍や産業
界にある戦争の誘惑を断ち切る必要があった。それから後、韓国か
ら援助をむしり取ることがベターなのだ。

 共和党政権では、米国の軍事干渉を起こす危険性が増す。北朝鮮
の譲歩が充分でないと、軍事政権であるから、軍事的制圧を考える
ことになる。「ならず者国家」を潰す方向にシフトするからである
が、今までのような民間人大統領のようなわけにはいかないことに
なる。

 もし、韓国からの援助がないようだと、日本の拉致問題と引き換
えに援助が引き出せるため、次の手もあるのであるから、あまり
米国とは問題を起こさないほうがいい。米国は強行な手段も辞さな
いはずである。さあ、北朝鮮の次の一手を見よう。
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経済協力委の設置で合意 南北朝鮮閣僚級会談  
 
 平壌での第4回南北朝鮮閣僚級会談は日程を1日延ばして16日
正午(日本時間同)前、南北経済協力推進委員会を設置し、初会合
を今月26日ごろ平壌で開くことなどに合意し、確認事項をまとめ
た「共同報道文」を発表した。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)
が韓国に要請した電力支援問題は今後、同委員会で協議される。
日本海側の北朝鮮水域の一部で一定期間、韓国漁船の操業を認める
漁業協力問題も早急に実務的に詰めていくことが合意文に盛られた。
 韓国から北朝鮮への電力支援問題は、今回初めて公式に論議され
た。韓国内に慎重論もかなりあり、実現するか不透明な部分がまだ
多い。

 合意文によると、南北経済協力推進委員会では、鉄道と道路の南
北連結や、北朝鮮・開城地域での工業団地造成などの事業も実務的
に協議していく。また、これまで合意されながら実施が遅れている
南北離散家族の3回目の再会事業を来年2月末に、消息確認や書信
交換の試験的実施も来年1月から3月にかけてする日程再調整を行
った。
(12/1613:26asahi) 
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北朝鮮側が電力支援要求し難航 南北閣僚級会談  
 
 平壌で開かれている韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と
の第4回閣僚級会談は、深刻なエネルギー不足など経済状況の厳し
い北朝鮮側が当面50万キロワットの電力を韓国が支援するよう要
請したことから協議が難航し、日程最終日の15日夜になってよう
やく、今会談での確認事項をまとめる合意文の作成に入り、折衝は
16日未明までもつれ込んだ。
 同行取材している韓国側記者団によると、北朝鮮側は、協議や水
面下の個別接触で電力事情の苦しさを説明して支援を求めた。その
上で今回の協議で支援実行の方向性を固め、前回会談時に合意して
まだ実行されていない南北朝鮮離散家族の問題解決に向けた各種事
業や、交流行事などの日程再調整を進めて行くべきだと強調した。

 これに対して韓国側は、設置を狙っている南北経済協力推進委員
会(仮称)で電力支援問題を協議するとの表現にとどめ、合意済み
事業の推進をうたいたい考えでいる。韓国がこの段階での電力支援
表明に否定的なのは、これまでの食糧を含めた韓国の支援に相応す
る対価を受け取っていないとの国内批判に加え、電力は食糧とは性
格が大きく異なる「戦略資源」であり、供与にも大きな経済的負担
を伴うからだ。

 北朝鮮側は今回の協議で、日本海側の北朝鮮の一部水域内での韓
国漁船の操業を認める漁業協力の提案もしてきた。
(12/16 01:34asahi) 
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 2000/12/16−19:26時事
 対北朝鮮電力支援に反対=韓国野党 

【ソウル16日時事】韓国最大野党ハンナラ党のスポークスマンは
16日声明を出し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への電力支
援に反対する立場を表明した。 


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