381−1.フジモリ氏の日本国籍確認



フジモリさんの日本国籍が正式に確認された。(Fより)
国は、自国民保護のためにあるのです。この保護をしてもらうため
に、国家に税金を国民は収めています。国民かどうかは、このため
重大なことです。日本国籍があることにより、フジモリさんを保護
する責任が国家に発生します。二重国籍容認を日本政府は認めたこ
とになるのも大きいと思います。
世界の日本人政府となる一歩を、歩み始めることになるのでしょう。

しかし、いいことだけではありません。当面、ペルーで日本排斥運
動が起こり、日本旅行者は危険になります。こう1つ、モンテシノス
元顧問も逃亡したため、いろいろな疑惑の解明ができずに、フジモ
リさん自身が帰国して釈明しないと、ペルーでの復活はありえなく
なっているのです。身の危険を押してまですることはないのですが
、残念ですね。
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フジモリ氏の日本国籍確認を論ず    辻本
   
 今日、日本政府がフジモリ氏の日本国籍を正式に確認したという
報道がありました。政府は自国の国籍法を厳密に適用したようです。
国籍法に関心のある私にとっては非常に興味深い。日本は政策的に
柔軟に法を解釈するだろうと思っていたのですが、その読みは外れ
ました。 
 フジモリ氏を自国民と認めたからには、政府は彼を保護するしか
ありません。彼は長期滞在すると、外国人登録ではなく、日本人と
して住民登録されることになります。 
 ペルーでは、日本のこの見解に反対しているという報道もありま
す。国籍法概説などで、二重国籍を否定する理由の一つとして「国
際的摩擦を生じせしめる原因ともなる」と明記されていますが、
それが実際にフジモリ氏の例となって現出した、ということになり
ます。
 これからのことは、なかなか予測が難しいものです。少なくとも
当面は、日本とペルーの友好関係を逆の方向に向かわせるものでし
ょう。おそらくペルーだけでなく多くの国では、自国の大統領には
他国籍を有する者を排除することになると思います。また国家元首
の件だけでなく、政治家が政敵を攻撃する一つとして、相手の国籍
を問題にすることも出てくることでしょう。
 そして世界各国においては、フジモリ氏の一件を教訓に、二重国
籍の歯止めをさらに強化するものと私は思っています。
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日本とペルーの今後       辻本 
 日本政府がフジモリ氏の日本国籍を正式に確認したことを契機に
、ペルーでは日系人を罵倒する事件が相次ぎ、日本大使館周辺で反
日デモが繰り返されたことが報道されました。日本の外務省はペル
ーへの旅行に注意をするよう、つまり自粛するよう呼びかけていま
す。 
 「二重国籍は国際的摩擦を生ぜしめる原因ともなる」という国籍
法の教科書通りの事態が、日本とペルーの間で起こっています。
本来ペルーとフジモリ氏間の国内問題であったものが、彼の二重国
籍のために日本が巻き込まれてしまうことになりました。 
 今は「摩擦」の段階ですが、フジモリ氏の日本滞在が長期化する
と、「衝突」「紛争」へと発展する可能性もあります。少なくとも
友好関係とは逆の方向を向いているのが、現在の日本・ペルー関係
です。 

 フジモリ氏の例は、ペルーにとって外国籍を有する者がそれを隠
して大統領になったという前代未聞の驚くべき事実であり、日本に
とっては、国賓として来日し天皇陛下と対等の儀礼を交わした外国
の元首が、実は日本国民であった、という前代未聞の驚くべき事実
となります。 
 このような極端な事例は、国籍法に関心を持つ者として、まこと
に興味あるところです。 

 フジモリ氏は二重国籍が確認されましたから、国籍法第14条に
より、国籍の選択が義務付けられます。日本かペルーか、どちらか
を選択せねばなりません。二重国籍のままという選択肢はありませ
ん。 
 ペルーに家族を残しているので日本国籍を放棄してペルー国籍を
選ぶかも知れないし、訴追から逃れるためにペルー国籍を放棄して
日本国籍を選ぶかも知れません。 
 日本にとっては、ペルーを選んで頂いて、お国に自らの意思でお
帰りになり、そしてペルーの政治家として再起してもらうのが一番
いいのですが。 
 日本を選ばれると、日本とペルーの関係は困難が続くことになる
でしょう。
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チッペルレゆり 
辻本さんへ

日本政府と法務省が、フジモリ氏の2重国籍を、厳密に現行法どお
り解釈して確認したことに関して、私は非常に喜んでおります。

国が国の都合で勝手に、他国民の国籍を奪って自国籍を押しつけた
り、自国民の国籍を剥奪するようなことがあっては、それこそ戦争
の繰り返しで民主主義国家とは言えません。人を利用するときは無
理やり「日本人」と呼んで国籍を押しつけ、邪魔になったら勝手に
「外国人」と呼んで国籍を剥奪するというような人権侵害は、2度
としてはならないのです。

現行の国籍法は理想的とは思いませんが、法律は法律です。法律が
ある以上、立法機関の政府は率先して自ら制定した法律に従わなけ
ればなりません。政府が、国民が出生により取得した国籍を、本人
の意志に反して奪うことは絶対に許されないことだと思います。

「ひとつの国籍」の原則が大切だという理由はよくわかりますが、
国籍を「選ぶ」のは本人の自由意志を尊重するべきで、国が強制す
るべきではありません。

フジモリ氏に関しての他の法律的な対処が国際法上どうなるのか、
私にはよくわかりません。ですが、国籍問題に関する限りは、両国
が現行法通りの冷静沈着な判断と対応をすることで、無用な民族の
争いなどを起こさないことを心から願っています。

実際問題救われなければならないのは、国家間の国益(領土拡大?
)をめぐる争いに巻き込まれて犠牲になり、両国側から「外国人」
と呼ばれ、搾取され続けている人たちです。裁判の判決も出ないま
ま、年金もなく帰るところもなく、一人でなくなっていくお年寄り
もいます。
日本軍のために日本兵として従軍したのに、年金ももらえない在日
の方。海外の従軍慰安婦の方たち。戦後の日本に食料がなかったと
きに、海外に移住した(させられた?)日系人の方たち。日本に帰
って来れなかった残留日本兵の方たち、、、この人たちを救うため
に、いったい何パーセントの税金が増えるというのでしょう? 
自衛隊をなくしてしまったら、きっと充分まかなえると思います。

とにかく、今まで国や政府の争いの犠牲になり、国籍問題に苦しめ
られてきた人たちの名誉が回復され、一日も早く当然の権利が認め
られ、彼らが悔いなく生きられる自由が与えられることを祈ってい
ます。真の「国益」とは、目先の外国人から搾取することではあり
ません。外国人の権利や人権を尊重してこそ、日本人の権利も尊重
されるのです。

法律がある限り、厳密に法律に従う。法律があまりにも時代の流れ
に則さないものであれば、法律による犠牲者がでないように、きち
んと改正するというのが、民主主義法治国家の正しいありかたでし
ょう。

滞在国の国籍も父母の国籍も取得できなくて無国籍になったこども
たちを救うには、裁判を起こすしかないという現状も、まったく理
不尽です。2重国籍者を管理制限することよりも、国籍問題の犠牲
になっている人たちに道を開くことのほうが先決問題です。

お相撲さんの小錦が離婚したようですね。奥さんは日本人だったと
思いますが、小錦はこれからどうするのでしょう? 日本に帰化す
るためにアメリカ国籍を放棄しているはずですから、老後はハワイ
に帰りたいと思っていても、やっぱり難しいかもしれませんね。彼
がもしフジモリ氏のように、母国のアメリカ国籍を隠し持っていた
としたら、それも国籍の乱用になるのでしょうか??? 

いざという時のための2重国籍、そんなに悪いことのようには思え
ません。若いときは都会で働いた人が、老後は安心して暮らせる田
舎に帰って余生を過ごしたいと思い、そのために、両親が残してく
れた土地と家を念のために手放さずに持っておくようなものではな
いでしょうか?

もちろんフジモリ氏の場合は特別で、もしもペルーの事件が刑事事
件として扱われるならば国際法が適用され、例え日本国籍があって
も、国際法廷には出廷しなければならなくなるかもしれませんね。
彼が直接事件に関わっていたのかどうかは不明ですが、、、
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フジモリ氏の日本国籍所有を正式発表  

 政府は12日、日本に滞在しているペルーのフジモリ前大統領が
日本国籍を所有していることを正式に発表した。河野洋平外相は閣
議後の記者会見で「フジモリ氏の日本滞在に法的問題は存在しない
ことが確認された」と述べる一方、ペルー政府からフジモリ氏の身
柄引き渡しなどの要請があった場合は「国内法に照らして検討する
」と語った。日本国籍を持つ人の引き渡しは法律上できず、政府は
応じない方針だ。
 ペルーと日本には犯罪人引き渡し条約がなく、捜査共助に関する
条約も結んでいない。国内法の逃亡犯罪人引渡法では、日本国籍者
は引き渡せない。

 外務、法務両省によれば、フジモリ氏の両親が日本領事館に出生
届を提出し、現在も熊本市に戸籍が残っていることが確認されたと
いう。これでフジモリ氏はペルーと日本の「二重国籍」であること
が確認され、今後はペルー人として帰国するか、日本人として滞在
を続けるかを選択することになる。外務省はフジモリ氏と連絡を取
り合っているが、いまのところ明確な意思表示は示されていない。
ただ、日本国籍所有について日本政府が公表することは了承済みだ
という。

 この問題で日本政府は「政治的配慮で対応することはない」(川
島裕外務事務次官)と強調。高村正彦法相は同日の記者会見で「一
義的にはペルー政府とフジモリ氏個人の間の問題」と述べた。
(12月12日12:19朝日) 
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2000/12/15−17:45 時事
ペルー渡航者と滞在者に注意喚起=反日感情の高まり受け−外務省

 外務省は15日、フジモリ前ペルー大統領の日本国籍確認に絡み
、ペルー国内で反日感情が高まっている事態を受けて、同国への渡
航者と滞在者に対し、最新情報の入手に努めるよう注意を促す海外
安全相談センター情報を発表した。 
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2000年12月14日(木) 15時1分 
不正蓄財容疑のペルー前国家情報局顧問、国外逃亡か(ロイター)

 [リマ 13日 ロイター] 不正蓄財容疑などで指名手配され
ているペルーのモンテシノス前国家情報局(SIN)顧問が、ヨッ
トでコスタリカに逃亡したとみられている。 
 パナマへの政治亡命を拒否されたモンテシノス前顧問は、10月
23日に帰国。その後ペルー国内に6日間潜伏し、同月29日にエ
クアドルのガラパゴス諸島へ向けヨットで出港、コスタリカに向か
ったという。 
 これは、タウンゼント議員が記者会見で、前顧問の逃亡を手助け
した警備担当者3人の証言を収録したビデオを公開して明らかにな
ったもので、担当者らのパスポートの日付が裏付けとなっていると
いう。 


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